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2009.11.30 (シャニム29号掲載)

デジタル一眼の新たな楽しみ方 ムービー撮影機能に大注目!|商品研究1

商品研究1

デジタル一眼の新たな楽しみ方
ムービー撮影機能に大注目!

デジタル一眼に初めて動画撮影機能を搭載したのはニコンだ。
同機能を備えたミドル機「D90」が08年秋に世に出て以降、ムービー搭載機が次々と登場。
あくまでも付加機能だが、一眼ならではの面白さから注目されつつある。
そこで今回は、このムービー機能にスポットを当ててみたい。

 

デジタル一眼の魅力

△デジタル一眼の魅力は何といってもボケ効果による立体感。
それが、そのままムービーになる美しさは必見だ

 

 映画やドキュメンタリー番組が撮れてしまう——ある映像作家が、デジタル一眼のムービー機能に対して漏らした本音だ。実際、ミュージシャンのプロモーション映像などのミュージックビデオでは、ハイエンドクラスのデジタル一眼を活用して作品を撮る事例が増えている。

 その最大の理由が、ビデオカメラでは表現が難しい描写が可能なこと。デジタル一眼が備えている「大きなイメージセンサー(撮像素子)」と「レンズ交換が可能」という2つの特長が生み出す美しい映像表現だ。

 ビデオカメラの撮像素子サイズは家庭用で4.5×3.5mm前後、放送用カメラで8.8×6.6mm前後(*1)というもの。これに対し、デジタル一眼のセンサーは36×24mm(フルサイズの場合)と圧倒的な大きさだ。理論的に、焦点距離が同じならセンサーが大きいほどピントの合う範囲が狭くなるため、ボケ効果が高い。つまり、被写体が浮き上がるような立体感を手軽に表現可能なのである。

 また、周知の通りデジタル一眼はレンズを交換できる。超望遠、超広角やマクロレンズなど目的に合わせて画角を変更できる。例えば、マクロレンズで小さな動植物のミクロワールドをムービー撮影して、大画面テレビで大迫力のクローズアップシーンを鑑賞することもできてしまう。

 さらに、奥の深いことをいえばレンズ交換とは、個々のレンズが持つ微妙な描写特性の違いを味わうこと。長い歴史を持ち、豊富な交換レンズのラインアップを揃えるデジタル一眼ならではだ。アイデア次第で、ムービーの撮影領域や表現手法が大きく広がることは間違いない。ビデオカメラでは望めなかった新しい動画の世界を堪能できることが、デジタル一眼のムービー機能の面白さなのだ。


入門機でもムービーを堪能

 ムービーの描写性能も写真と同じようにカメラの性能やレンズに左右されるため、プロの撮影で使われるのはハイエンド機である。だが、エントリークラスでもムービー機能を搭載したモデルが続々と登場。新しい映像の世界を存分に楽しめる。

 現在、店頭に並ぶエントリー機の動画記録サイズはハイビジョン(1280×720/以下、HD)が主流。一部、キヤノンの「EOS」シリーズのようにフルハイビジョン(1920×1080/以下、フルHD)映像に対応したモデルも揃う。フルHD対応大画面テレビが増えてきたことを考えれば、ムービーの記録サイズもそれに対応している方が高画質を楽しめる。ただ、テレビの画面が40型前後であればフルHDとHDの差は目立たないことも事実。パソコン上でWebムービーとして閲覧する上では、いずれも遜色はない。

 エントリーや中位のミドル機で採用されている撮像素子は、APS-Cサイズが一般的。それでもビデオカメラよりも大きいため、被写体が浮き上がる立体感表現は格別だ。

 デジタル一眼のエントリー機ならではの魅力が、デジタルフィルターなど写真向けに搭載された「表現効果機能」。特に、モノクロや鮮やかさといった画質・色彩調整は、ほとんどのモデルでムービーでも利用できる。

 さらに、パナソニック「GF1」に代表されるようにムービー撮影時にも、風景やマクロ、夜景といったシーンを自動認識し最適な明るさや色調に設定してくれるモデルもある。この点、上位モデルよりも手軽に、自分らしい映像作品づくりを楽しめそうだ。

 ムービー機としての使い勝手やビデオ編集といった点ではまだまだ発展途上だが、映像表現の新たな分野としての魅力は大きい。これまで業務用の高価な機材でしか撮れなかった映像を、身近な被写体を主役にして手軽に撮れる。しかも、その映像を自宅やオフィスの大画面テレビで見ることが可能だ。この感動は、一度でも体験すれば納得できるだろう。

 ネット上で公開されたデジタル一眼による短編ビデオ作品を見たり、ヤマダ電機店頭で実際に撮影してみるなど、ぜひとも新しい映像美の世界に触れてみてほしい。

(*1)撮像素子のサイズはメーカーやモデルにより若干異なる

 

動画機能の概要を理解するための“4つ”のポイント

カタログにはムービー機能に関連して必ず出てくる専門用語がいくつかある。最低限その概要を理解できるよう、ここで解説しておきたい。

■動画ファイル形式
 動画撮影した映像が、どのようなデータ形式でメディアに記録されるかを表したもの。大きくは、「AVCHD/AVCHD Lite」「AVI」「Quick Time」などがある。AVCHDはフルハイビジョン映像を撮影・録画するデジタルビデオカメラ用に開発された規格。これに対応するAV機器であれば、基本的に互換性が確保されている。低容量・低速度のメディアでもフルハイビジョン品質の映像を記録できるように規定されており、容量の小さなメディアでも長時間の高品質映像を記録できる。AVCHDのうち、1280×720のハイビジョン記録に限定された規格がAVCHD Lite。もちろん、AVCHD対応機器で再生できる。

 一方、AVIとQuick Timeはパソコン向けに最適化された動画ファイル形式。AVIはWindows標準、Quick TimeはMac標準だが、再生ソフトが対応していればいずれの形式も両OSで問題なく見ることが可能である。なお、「MOV」という表記も見られるが、これはQuick Timeとほぼ同義と考えていい(*1)。

 基本的に、HDMIケーブルなどを介して大画面テレビで映像を楽しむぶんにはファイル形式や後述のビデオコーデックを気にする必要はない。だが、市販ソフトを使ってビデオ編集などをしたい場合には、これらの仕様をチェックする必要がある。

(*1)厳密には Quick Timeに音声なども含めて規定した規格がMOV。動画ファイルなどでは様々な規格が乱立しており複雑。気になったものはネットなどで調べてほしい図1

■フ レームレート
 ムービーの記録・再生などで、1秒間に何コマの画面を書き換えることができるかを知るための指標。その単位 は「fps(frame per second)」で表され、数値が大きいほど動画はスムーズに再生される。フイルム映画のフレームレートが24fps。余程の高速映像でない限り、基本的 には24〜30fpsあれば滑らかなハイビジョン映像を楽しむことが可能だ。

フレームレート

 

■ビデオコーデック
 ムービー映像をメディアに 記録する際に不可欠な圧縮技術のこと。膨大な映像データを記録時に圧縮し、再生する際に復元することで快適に映像を楽しむことができる。数種類の規格があ り、例えば「H.264」は最新の技術だ。高画質映像を維持しつつ、高い圧縮率を実現。前述したファイル形式AVCHDでは、これをベースにした MPEG4 AVC/H.264を採用することで、高圧縮と高品質が両立されているわけだ。

 また、「Motion-JPEG」は静止画 像のJPEGを動画に応用したもの。1コマごとに個別圧縮するためデータ容量が大きくなるが、H.264に比べてビデオ編集がしやすいといった特長を備え ている。

ビデオコーデック

 

■音声記録方式
 デジタル一眼レフのムー ビーで採用されている主な音声方式は、「リニアPCM」と「ドルビーデジタル」。リニアPCMは、音楽CDで一般的な非圧縮音声で、ドルビーデジタルは DVDビデオなどで採用されている圧縮音声だ。基本的にリニアPCMの方が高音質だが、データ容量が大きく記録時間は短くなる。

 

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