2010.05.31 (シャニム31号掲載)
夏のイチ押し!「ニューアイテム」大特集:Part1
フルハイビジョン・テレビ
キーワードは「3D」「録画」「LED」
設計思想が大きく異なる
メーカー各社の「3Dテレビ」

3Dテレビの再生方式
この夏、1番の話題はやはり3Dテレビだ。ヤマダ電機では4月21日からパナソニック3Dビエラ&3Dディーガの販売を開始しており、すでにデモ映像を体験した方も多いはず。3Dの魅力を知るには、どんな名解説文を読むよりも、自身の目で確かめること。これに尽きる。
ソニーも6月10日から3Dブラビアの順次発売を発表しており、シャープ、東芝が今夏までの発売開始を表明。この夏は4社の3Dテレビが出そろい店頭はさらに賑わう。
現段階で明確なことは、パナソニックはプラズマ、残りの3社は液晶パネルを使っていること。そして全社が3D再生にフレームシーケンシャル方式を用いることなど。「アバター」などの3D映画も基本的にはこの方式である。
フレームシーケンシャル方式は、左右の目の視差(見え方の違い)を利用して、脳に奥行き感や立体感を感じさせる仕組みだ。3Dテレビは再生時に、左目用の映像と右目用の映像を交互に映し出している。これに3Dメガネが呼応し、左目映像が映し出されている時は右目を閉じ、右目用映像では左目を閉じることで(アクティブシャッターメガネ)、立体感を脳に感じさせている。
右目用映像と左目用映像の切り替えは非常に高速で、3Dビエラの場合、1秒間に60コマずつ左右の映像を交互再生している。このため人は見ている映像が片方だけであることに気づかず、3D映像と感じてしまうわけである。
テレビとメガネの間では赤外線信号が交わされており、これで映像とメガネ開閉の同期をとっている。この赤外線信号には統一規格がなく、各社各様。このため異なるメーカーのメガネでは、3Dテレビをきちんと見ることができない。いかに有効なメガネを開発するかも、3Dテレビ開発の重要な要素なのである。
パナソニックとソニーの違い
この原稿を書いている5月15日の時点で、3Dテレビの市販商品としてスペックやシリーズが明確になっているのはパナソニックとソニーのみ。両社の第1弾モデルを見た限りでは、同じ3Dでも展開構想には大きな違いが現れている。
すでに販売を開始しているパナソニックの第1弾モデルは「3D映画のリビングルームでの再現」を最も重視しているようだ。テレビのラインアップは1モデルで50V型〜65V形までの超大型4機種。ビエラ・シリーズのフラッグシップに位置づけられている。
しかも、3Dディーガや3Dプレイヤーをテレビと同日に発売開始した。リビングルームの3Dシアター化にこだわり、必要なシステムを一括購入できる態勢を、発売初日から構築したわけである。
これに対しソニーのラインアップは3モデル8機種と多く、画面サイズも40V型〜60V型までと幅広い。ソニーも3Dシアターを視野にしていることは確かだろうが、そのために不可欠な3D対応のBDレコーダーやBDプレイヤーの発売は現状、「夏から秋にかけて」と明確ではない。
その代わり、プレイステーション3を3D対応へアップグレードするサービスを始める。また40V型というサイズはリビング以外にも設置可能なサイズであり、市場想定売価もKDL-40HX800は約22万円と非常にリーズナブル(*1)。これらを考え合わせれば、当面はゲーム主流の手軽に楽しめる3D、という位置づけが強いように思われる。
2D→3D変換機能の搭載も、その現れだろう。3D専用コンテンツのようなリアリティは望めないが、既存の2D映像や放送番組をボタン1つで簡易的に3D映像として楽しめる。
この機能は3Dビエラには付いていない。3Dシアターをコンセプトとする以上、中途半端な3D機能は不要との判断だろう。その要・不要は個々の使い方で分かれるはず。じっくりと検討したいポイントだ。
録画テレビの選択ポイント
3Dの影に隠れがちだが、録画テレビも今年は各社がラインアップを拡充している。
かつては内蔵HDDタイプが主流だったが、今や内蔵BDレコーダー、USB/LAN接続HDD、HDDとBDのダブル内蔵などと多様化してきている。用途に応じた選択が可能だ。
「とにかく大容量・とにかく長時間」というユーザーには、やはり内蔵HDDモデルが有効だろう。日立のP50-XP05は320GBの内蔵HDDに最長256時間(8倍録画)ものフルハイビジョン録画が可能だ。
東芝の55Z1はUSB/LAN接続した汎用外付けHDDへの長時間録画が可能だ。外付けHDDはリーズナブルなものが多く、しかも2000GBクラスの超大容量タイプまである。これを8台まで登録できるスペックは、内蔵HDDにはない魅力である。
一方、シャープLC-52DX3のようなBDレコーダー内蔵モデルは、録画時間ではHDDに及ばないものの、BDソフトを簡単に再生できるという強みがある。BDソフトは今、ソフトメーカー各社が急速にラインアップを拡充しており、レンタルビデオ店でも主流になりつつある。
これをテレビ操作だけで、いつでも気軽に見られることがBD内蔵タイプの魅力。その意味では三菱LCD-428BHR300のように、HDDもBDレコーダーも内蔵しているモデルが、録画・再生機能の使い勝手において群を抜くことは確かである。
ただし、画面サイズは現状、42V型までであり、LEDバックライト非搭載などの課題もある。また、BDレコーダーがスタンドに内蔵されており、壁掛け設置などに対応できなことも注意点だ(シャープはBDレコーダーをテレビ本体へ内蔵)。
一口に録画テレビといっても、その機能性は各社各様。これを念頭に、モデル選びを行なう必要がある。
なお、液晶テレビはLEDバックライトが完全に主流となってきた。特にシャープ、東芝、ソニーは主力をLEDへシフトしたといえ、早晩、大半のモデルに搭載されるだろう。
LEDバックライト搭載テレビの選択ポイントは、マウント方式やローカルディミングの有無など。マウント方式には画面の真下にLED光源を敷き詰める直下型と、光源を画面の上下左右(全部、またはいずれか)に設置するエッジ型がある。一番の違いは薄さで、エッジ型はより薄くスタイリッシュなフォルムに仕上げやすい方式といえる。
また、ローカルディミングはLEDバックライトならではの機能であり、同一画面内でエリアごとにバックライトの点灯・消灯等を制御するもの。コントラスト比が高まり、より鮮やかな色再現などが可能だ。
もっともローカルディミング非搭載のシャープLC-52DX3と、搭載する東芝55Z1のコントラスト比は、どちらも200万:1。このあたりはスペック比較だけでなく、実際の画面を見比べることが重要である。
(*1)3D再生には別売りの3Dメガネ(約1万2000円)と3Dトランスミッター(約5000円)が必要
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