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2009.05.20 (シャニム27号掲載)

YAMADA BUSINESS NETWORK

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大湘技研(茨城県神栖市)

世界No.1を狙う加工技術で
半導体産業を下 支えする

半導体製造装置に向け、高度な加工精度を誇る部品を供給する。
町工場からの出発なが ら技術ノウハウの集積で業界をリード。
飛躍する同社をOA面からヤマダ電機がサポートしている。

 

超微細加工技 術に高評価

 半導体はすそ野が広い産業だ。大きくは部材、製造装置、デバイスでメーカーが分かれ、 特に非常に精緻な加工技術が求められる部材、半導体製造のコア技術を握る製造装置は、日本メーカーが世界市場で強みを持つ分野である。
 

大湘技研の社屋(工場・本社事務棟)△大湘技研の社屋(工場・本社事務棟)

 

 波崎(茨城・神栖市)に本拠を置く大湘技研もその1社であ る。
 大湘技研は半導体製造に欠かせない石英ガラス、シリコンの研削製品を得意とする。その加工物は主に半導体製造装置「エッチャー」の部品とし て使われる。
 特にウェハー(ICチップ製造に使われる半導体製の薄い基板)を格納する「チャンバー」と呼ばれる主要部品は、国内外の主要メー カーが純正品として採用するほど。エッチャーは少数のメーカーが市場を寡占しているので、同社が得ているシェアの高さもうかがい知れる。
 

徹底した検査体制で品質を管理

 エッチャーは半導体製造で重要な 役割を担う。ウェハー上に成膜した薄膜へ回路パターンを現像した後、不要な薄膜を取り除き、回路構造を浮き上がらせるエッチング(腐食)作業を行なうため のものだ。
 何しろ、先端の半導体デバイスは回路幅が数十ナノメートル(nm=1nmは10億分の1m)という“超微細”の世界だ。そのため、大 湘技研が供給する部品でもマイクロメートル(μm=1μmは100万分の1m)オーダーで均一な加工精度が求められる。そこで装置メーカーから“純正品” のお墨付きを得ている技術力は相当なものだろう。

 総務部総務課の梅村俊彦係長はこう話す。「稼働中のエッチャーに不具合が発生すれば、 生産が完全に止まり、原因追及と対策に時間が取られ、半導体メーカーは大きな損害を受ける。歩留まりをなるべく垂直に高めるため、高い品質が求められま す」。

[ 写真 ] 徹底した検査体制で品質を管理

常に可能性を見出す!

  大湘技研の競合には、大手非鉄金属系や大手電機系の企業が存在する。その中で独立資本の同社が現在の地位にたどり着けたのはなぜか。
 当然、加工 装置や検査装置には最新鋭の機器を使っているが、それは競合他社も同じだ。結局は「長年のノウハウ積み重ねが、品質の差となって現れている」(梅村係 長)。石英ガラス、シリコンの加工は、数値制御マシニング、洗浄、仕上げ、検査、最終洗浄、梱包など多数の工程を経る。その1つ1つの工程での「細かな工 夫」が最終的な加工精度の高さを支えている。

 大湘技研は、現社長の宮澤浩二氏の父親、宮澤義夫氏(現会長)が1981年に神奈川・海老 名市で創業した。いわゆる“町工場”からのスタートである。88年には、義夫氏の出身地である波崎の臨海工業地帯に工場を移転。「生まれ故郷に貢献した い」という思いからだった。95年には本社も波崎に移転させた。
 その事業姿勢は創業以来一貫している。「無理といわず、そこに可能性を見出す」 というモットーのもと、顧客(装置メーカー)からの品質・納期・コストに対する要求には可能な限り対応する。自らに厳しい条件を課すことで総合的に技術力 を高め、大手の競合他社にない“小回りのよさ”で顧客の覚えをよくしてきた。

 一方で町工場からの脱皮を目指し、社内で技術ノウハウの標 準化も進めていた。一部の熟練エンジニアに頼らず、誰が加工・検査しても一定レベルの品質を得られるよう技術ノウハウを明文化し、社内で共有するようにし たのだ。
 こうした取り組みから、好況・不況を繰り返す半導体サイクルの中でも、大湘技研は順調に事業を伸ばしてきた。需要の増大に合わせ、04 年には千葉・銚子市にシリコン加工専用工場を開設。さらに07年には、最新鋭の設備と働く人間の快適さを追求した新社屋(工場・事務棟)も神栖市の旧社屋 横に新設した。

ヤマダのよさは小回り

 こうした大湘 技研の事業拡大をOA面でサポートしているのがヤマダ電機である。その取引はヤマダがテックランド鹿島店をオープンした6年前から続く。「最初はトナーや 電池などサプライ品から取引を始めたが、他社にはない小回りの利いた対応をしてもらった。そのため、次第にプリンターやPCも購入するようになり、最近で は設備やITシステムもお願いしている」(梅村係長)。

 例えば、前述した新社屋に設えた120名収容の多目的ホールは、ヤマダが設備一 式の販売と設置工事を行なっている。4000lm/XGA液晶プロジェクター、150型電動スクリーン、40型液晶モニター、音響機器などだ。担当したヤ マダ電機法人事業部鹿島営業所の法人営業スーパーアドバイザー、井口大介氏は「ヤマダの取引ネットワークを最大限生かし、予算内で最適な設備を導入できた と思う」と話す。
 これに対して梅村係長も「当社の規模は小さからず大きからずで、他社に提案を求めると過小だったり過剰だったりする。その点、 常に出入りしているヤマダさんは我々のニーズをくみ取り、相談にもよく乗ってくれる」と話す。

 

ヤマダ電機が設備を導入した多目的ホール△ヤマダ電機が設備を導入した多目的ホール

設備一覧 液晶プロジェクター:NEC「NP2000J」、40型液晶テレビ:ソニー 「KDL40V2500」×2、150インチ電動スクリーン: シネマ工房 「GKE-150W」、音響機器:ビクター製のアンプ、ワイヤレスマイク、天井スピーカーなど、RGBスイッチャー:興和 「KSM0501A」

 

働きやすい環境を象徴する社員食堂△働きやすい環境を象徴する社員食堂

  実際、大湘技研が自前のメールサーバーを導入した際も、ヤマダは協力会社と共にシステム設計からハードウェア、ソフトウェアの導入を手掛けている。また現 在、機密情報の漏えいを防ぐセキュリティ強化を計画する大湘技研に対して、ヤマダはPCセキュリティから入退室管理までの総合提案を行なっている。今後も 大湘技研の事業拡大に伴い、ヤマダとの関係が深まりそうだ。

 確かに半導体業界は今、過去に例のない不況に見舞われている。日本半導体製 造装置協会の予測によれば、国内半導体製造装置メーカーの販売額は2008年度で36.5%減の1兆4150億円、 2009年度も22.8%減の1兆928億円である。大湘技研の事業も当然、この影響を受けている。
 ただ、同社は前向きだ。梅村係長は「社長の 宮澤は『こうした時期だからこそ、改善できることはないか、足元を見直そう』と号令をかけている。ここ何年も好況でフル稼働が続き、見逃しがちだった部分 を改めるよい機会」と話す。

 中期的に考えれば、半導体製造の微細化は一段と進む。大湘技研にとっては、今以上に加工技術の鍛錬が必要だ ろう。また、新興の装置メーカーが頭角を現しつつある海外での販路拡大も課題である。「加工技術世界No.1のリーディングカンパニー」を目指した挑戦は 続く。
 業界外での知名度こそ高くはないが、大湘技研のような企業が“産業の米”である半導体を根底から支えていることをぜひ、覚えておいてほし い。

 

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