2009.09.10 (シャニム28号掲載)
1人でも多くの患者を救済するため 最先端のガン治療を身近なものに!|YAMADA BUSINESS NETWORK-南東北病院
YAMADA BUSINESS NETWORK
南東北病院グループ(福島県郡 山市)
1人でも多くの患者を救済するため
最先端のガン治療を身近なものに!
南東北病院は、新興ながら急成長を果たした医療グループだ。
特にガン治療に 力を入れ、最先端の診療設備を次々に導入する。
国内外の患者を救済できる一大医療拠点を目指している。

1990年には1万以上あった病院(20床以上の医療機関)が、診療報酬引き 下げや医師不足、患者の選択眼が厳しくなったことなどから、廃業・倒産が増え、現在は9000を割り込む。
この逆風をものともしないの が南東北病院グループだ。福島県郡山市の総合南東北病院(以下、南東北病院)を中核に、50近い病院、診療所、介護・福祉施設を展開し、総職員は4000 名。この一大医療グループを率いるのが理事長の渡邉一夫氏だ。
[ 写真 ]南東北病院グループの渡邉一夫理事長
自己資 金ゼロからの出発
秋田大医学部で脳神経外科医(教官)として務めていた渡邉氏は81年、南東北病 院の前身となる60床の脳神経外科病院を郡山に設立した。氏が38歳の時だ。「その頃は脳卒中や脳挫傷で人が簡単に死んでいた。それを何とかしたかった。 奨学金で学ぶ機会を与えてくれた故郷への恩返し」。自己資金はゼロだったが、銀行を懇々と説得し、融資を引き出した。
そして設立当初は 陰に陽に圧力を受ける中、現場でメスを執りつつ病院経営に尽力した。その姿勢は、かの福島孝徳氏(海外で「神の手」と呼ばれる脳神経外科の権威)をして 「同志」と認めるものだった。
また、今でこそ患者を顧客と見る風潮は強まっているが、南東北病院は設立時から「すべては患者さんのため に」というモットーを掲げていた。ご意見箱の設置などをいち早く取り入れていたのだ。
そうした病院に患者が集まらないわけがない。評判 は評判を生み、患者は増え続けた。毎年のように施設拡張を行ない、96年には現在の430床規模へ。診療科目も32科目まで広げ、地域随一の総合病院へ成 長していく。
一方で積極的なグループ展開を図り、福島、宮城、青森で病院、診療所を多数開設。96年からは福祉・介護事業にも乗り出 し、“出生から最期まで”をサポートする体制を整えた。06年には東京への進出を果たし、今秋には川崎市に377床の総合病院を開く。まさに勢いに乗る医 療グループだ。

▲南東北病院の最新 病棟(北棟)。
患者に快適に過ごしてもらうため、160床すべてが個室で天然温泉付き
ガン診療設備へ大型投資
グループ中核の 南東北病院は現在、最先端のガン治療でも注目を集める。
04年には東北で初めてPET(陽電子放出断層撮影法)装置を導入している。PET検診で は、放射性薬剤を投与した被検者の身体を断層撮影して薬剤の分布を見る。ガン細胞なら薬剤を多く取り込むため、短時間で全身をガン検診できる。導入した PET装置5台の設備費用は36億円にも及んだ。
また、08年には「陽子線治療センター」(写真1)を開設した。陽子線は放射線の一種 だが、X線などと違って照射先以外にエネルギーが伝わらない特性を持ち、正常組織を傷付けずに病巣を破壊できる。例えば、肺ガンの治療なら、目安として 2〜4週間で1回数分の照射を10〜20回行なう。これなら通院治療も可能だ。

▲写真1/民間とし て初めて陽子線治療を行なう
「南東北がん陽子線治療センター」。
内部には巨大プラントを設えている
ただ、陽子線の生成には大型設備が必要とあり、従来は国立 癌センターなど6つの公的機関しか導入していなかった。南東北病院は土地・建物・設備に100億円を投じ、民間として初めて導入を果たしたのだ。
財務・収益の状況が良好で資金調達力が高いからこそ(JCR信用格付けで「BBB+」)、施設・設備への積極的な投資が可能となる。その背景では業務効率 化、コスト削減など、一般企業と変わらぬ経営努力がある。
渡邉理事長は「ガン治療は進化している。そこに接する機会を提供するのが我わ れの役目。特に患者さんの負担が小さい陽子線治療は有望。日本ではガン治療の主流は手術だが、欧米では7〜8割が放射線治療」と指摘する。
実際、陽子線治療センターは設備がフル稼働し、順番待ちが出ている状態だ。年間では当初見通しの倍、450名程度の患者を受け入れる勢いだ。患者の6割は 福島県外だという。グループの東京クリニック(東京・大手町)などが窓口となり、広域から患者を集める。健康保険が使えず、治療費は300万円ほどかかる が、潜在需要は大きそうだ。
東洋のメーヨー・クリニック
南東 北病院は、こうした最先端のガン治療を柱に、さらに患者から支持される医療拠点を目指す。手術症例数は病院の実力を測る指標の1つだが同病院は現在、東北 でトップクラスの年間6200例。これを5年で1万2000例へ倍増させる計画だ。実現すれば国内有数の症例数となる。
この強気な計画 には、「県外はもちろん、海外の患者さんが訪れる病院にしたい」という渡邉理事長の思いが反映している。今や医療もグローバル化しており、シンガポールや タイでは医療を外貨獲得産業として育成。欧米や中東から患者を呼び込んでいる。「それは日本でも可能」と見ているのだ。
渡邉理事長が究 極の病院経営モデルとしているのは、米国のメーヨー・クリニックだ。職員5.7万人、医業収入72億ドルという規模を持ち、医療技術、患者サービスのいず れでも全米最高水準と賞されている。これを日本で実現することにより、1人でも多くの患者に安らぎと適切な治療を提供できると考えている。
迅速な 提案・納品でサポート
こうした南東北病院の医療活動を、ヤマダ電機はサプライヤーの1社として支 えている。診療機器の画像データや手術の模様を撮影したビデオを収めるのに大量消費する記録メディアを供給しているほか、テレビや冷蔵庫といった家電品か らプリンター、プロジェクターなど情報機器、ラック類まで幅広い備品を納入している。
例えば、前述の陽子線治療センターでは19床の病 室がすべて個室で、患者の快適性を追求したホテルを思わせるような部屋だが、備え付けのテレビ・冷蔵庫も室内装飾にマッチさせたいという要望に応じ、ヤマ ダ電機が提案し納入した(写真2)。

▲写真2/陽子線治 療センターの19床ある個室。
ホテル並みのインテリアが目を引く。
テレビ、冷蔵庫はヤマダ電機が納入
同 病院の用度課課長心得、渡邉育子氏は「以前なら消耗品やその都度購入する家電品は、我われが家電店に出向いていた。しかし、ヤマダさんの郡山店には法人部 門があり、助かっている。営業担当者のフットワークが軽く、価格にも満足している」と話す。
ヤマダ電機で同病院を担当する法人事業部郡 山営業所の金丸努所長は「患者さんの健康を預かる病院だけに、用度課さんと連携して記録メディアの院内在庫を切らさないよう気を付けたり、家電品は用途に 応じて最適なものを迅速に提案、納品することを心がけている。東京などの関連施設に対しても、我われの店舗網を通じてお手伝いをさせていただいている」と 話す。成長著しい南東北病院とヤマダ電機の取引は、今後さらに深まりそうだ。
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