2009.06.29
ツクモROBOT王国スペシャルトーク&デモ|スピーシーズ・春日知昭社長vs.”改造バカ”高橋敏也氏
ツクモROBOT王国スペシャルトーク&デモ
スピーシーズ・春日知昭社長vs.“改造バカ”高橋敏也氏
ロボットに何をさせたら楽しいか?
それをみんなで一緒に考えましょう!
△スピーシーズの春日知昭社長(右)と“改造バカ”高橋敏也氏
6月13日に新装オープンしたツクモのROBOT王国。これを記念してのスペシャルイベントが、6月27日(土)に開催された。スピーシーズの春日知昭社長と“改造バカ”高橋敏也氏とのスペシャルトークショーだ。
春日社長はシャニム27号の福島敦子対談にも出演し、「ロボットの本質は歩くパソコン」との持論で今注目されているベンチャー企業の雄。対する高橋氏はコピーライター兼テクニカルライター兼SF作家であり、PC改造の著書で知られる秋葉原の有名人だ。
この異色の二人が織りなすロボット社会の近未来図談義は、場内の観客が最後まで目の離せない有意義な内容だった。
△ロボットの未来像をユーモアたっぷりに語る春日社長
●ソフト指向のロボット開発
高橋-- 春日社長はもともとソニーでVAIOのデスクトップPCや、AIBOの開発メンバーとして活躍されてきました。その後、独立されてスピーシーズを操業され た方です。私も3年ほど前にインタビューにうかがったこともあるんですが、まずはスピーシーズが目指す世界をお聞かせください。
春日--我々はインターネットロボット技術を用いた、世界初の家庭内エンターテインメント企業を目指しています。2年後か3年後かはわかりませんが、近い将来、ロボットは必ず一般家庭に広く普及すると信じています。
高橋--そもそも春日社長が考える、インターネットロボットの定義とは?
春日-- これまでのロボットと、我々のロボットとの最大の違いはインターネットにつながるということです。実はAIBOをやっているときに思ったのですけど、ペッ ト型ロボットというコンセプトでは、普通の人なら2週間ぐらいで飽きてしまうだろうと。プログラムが変わらないからですね。
ではPCがなぜ今普及しているかというと、インターネットにつながったことで、常に新しいプログラムやコンテンツが入手できるからです。いろんな情報が得られるから皆さん、PCを重宝している。
ロボットも同じですね。AIBOはその辺がうまくできなかったことが、結果的に失敗した原因の1つだと思いますよ。
私たちはロボットをメディアにしたいと思っています。まあ、ラジオのようなものですね。ロボットとは、ラジオやパソコンに手足がついて歩くようになったもの。そういう考え方がロボット・ビジネスでは重要だと考えています。
そして、歩くようになったパソコンで、何をしたらもっと楽しめるのか。これを考えることが我々の仕事だと思っています。
今のロボット・ビジネスはハード指向、目的指向が強いように感じます。格闘系ロボットとか、レスキュー・ロボットとか、お掃除ロボットとか。僕はそうでは なく、ソフト指向のロボットをやりたいんです。ネットにつなげて、プログラムが変わることで動きや目的も変わっていく。そんなロボットですね。
高橋--そのお話は非常に重要ですね。確かに今はハード指向強すぎる面がある。例えば格闘系だと、サーボモーターのトルクがどれぐらいだとか、そういう話が主になってします。これはこれで大切なことだけれど、同時にその先をどうするか、という話も重要なんです。
例えばすごいパンチを繰り出すことができたとして、「で、その先どうするのか」。これは何もハードをないがしろにしているのではなく、ハードとソフトは両輪として進化していかなければいけない、ということです。
●ロボットに必要な3つの要素
春日--ロボットには3つの要素が大切だと思っています。1つは「人とのインタラクション」。反応ですね。人が手を振ったら、それに反応したり、話しかけたら応えたり、カメラで相手を認識することです。
2つめは「エンターテインメント」。ダンスしたり、歌ったり、ときには占い師になったりとか。そして3つめが「実用機能」です。外出先から留守宅の映像を見られたり、ペットを見守ったり、WiKi検索をしたり、ニュースを読み上げたり。
この3つがバランスすることで初めて、ロボットは一般家庭に普及していくと考えています。
△ロボットに必要な3つの要素
高橋--1番めと3番めはコミュニケーショ ン能力であり、2番めはコンテンツということですね。
春日--ロボットとIT機器の一番の違いは、ロボットは感情移入ができるじゃないですか。AIBOのときに思ったのですが、あれって動き始めると本当に可愛いと思えるんですよ。パソコンやデジカメを見て、可愛いと思う人っていませんよね。
高橋--私、常々可愛いと思っているんですけど(笑)。
春日--それは失礼(苦笑)。そういう方は別として、大抵の人にとって、ロボットは感情移入ができる初めてのIT機器だと思うんです。だから、これに何をさせたらもっと楽しくなるか。そういうことをみんなで考えていくことが、ロボット文化の進化につながると思います。
ただし、そういうことをロボットだけで実現するのは非常に難しい。膨大な機能を搭載しなければならず、価格も何百万、何千万とかかってしまうでしょう。でも、一般家庭に普及させるためには、価格は5万円、少なくとも10万円は切らなければいけない。
そこでサーバーに頑張ってもらうわけです。ロボットはその端末ですね。サーバーで制御することで、すでにロボットの自然な会話やWiKiの検索・読み上 げ、ニュースの読み上げなどは実現しています。その上で、この子に何をさせたら楽しいか。これをみんなで考えていきたいんです。
△デモを交えてのトークに、観衆は釘付けだった
●2010年、家庭用低価格ロボットを発売
高橋--10万円以下の家庭用ロボットの発売を計画中ですね。
春日--セガトイズさんと組んで現在開発中です。来年の早い時期に発売できると思います。
家庭用の機能として面白いと思っているのは「ロボカメ機能」です。これはデジカメをロボット化したらどうなるだろう、という発想です。デジカメがただ歩くだけでなく、歌って、踊れて、司会ができる。
例えばホームパーティなんかで、ロボットに仕切らせるわけです。ロボットが「さあ、皆さんこっちに集まって」とみんなを呼び、バカな話をしてみんなを笑わせる。そして笑った瞬間に写真を撮るわけですよ。これはすごい付加価値になると思っています。
スピーシーズのキラーアプリ「大笑い」は必見!
ユーチューブでぜひ http://www.youtube.com/watch?v=t6Isnr_NzlQ
デジカメ以外でも、プリンターやプロジェクターをロボット化したら、どうなるだろう。そういう考え方からの進化が、ロボットの未来像を明確にすることになると思います。
高橋--プロジェクター・ロボットに、秘蔵のHビデオをこっそり映し出させたりとか(笑)。
春日--それなら、急に奥さんが入ってきたときのための、緊急避難モードが必要ですね(笑)。こんな使い方を、みんなで考えていきたいんです。
そういうことを考えるのって、今しかできないんですよ。10年後にはロボットは当たり前になっていて、新しい使い方を考える必要はなくなっているはず。で も、今は黎明期。今考えたことが、10年後に当たり前になるチャンスなんです。かつてのパソコンと同じです。ぜひ、皆さんで一緒に考えていきましょ う。(敬称略)
△家庭用ロボットのイメージの1つ。
「このぐらいのスペックのものなら7万円前後で発売できる」(春日社長)とのこと
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