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2008.11.10 (シャニム25号掲載)

任天堂DS使い子どもの集中力アップ、基礎学力の底上げにも効果大!

IT事例[学校]

任天堂DS使い子どもの集中力アップ
基礎学力の底上げにも効果大!

文部科学省からの委託授業としてDSを使った授業に着手
市販ソフトと組み合わせ、朝自習と授業内で基礎学力向上に取り組む
集中力アップで学習時間が短縮、個別指導や応用力の育成が可能に
保護者や教師の認知やソフト開発など対応すべき課題も

 

柏市立田中北小学校

 子どもから大人まで大人気のゲーム機、任天堂DS。最近、これを授業で活用すると子どもの学力向上につながるとの報告が増えているのだ。
 もともと学校でのDS活用は、先導的学習開発をテーマにした文部科学省からの委託授業だ。現在、小学校から高校まで十数校が同ゲーム機を採用した授業に取り組む。

 柏市立田中北小学校も、そうした学校の1つだ。このプロジェクトに手を挙げた狙いについて、同校の笹間ひろみ教頭は「勉強に対する興味・関心が薄く基礎学力不足が問題視される状況で、ゲーム機をうまく活用すれば楽しく学力を身につけられるのではないかと考えた」と語る。

 ここでいう基礎学力とは、漢字の読み書きや計算力のこと。これらを向上させるため、同校が取り組んだDSの活用方法は以下の通りだ。
 朝自習を「基礎学力充実の時間」と位置づけ、モジュール学習(短時間の集中的学習)としてDSを使い漢字学習や計算問題を解く。算数や国語の授業では、開始のウォーミングアップと学習したことを定着させるためDSによる計算や漢字の練習問題を行なっている。

 ソフトは市販のものを利用。具体的には、「計算DS」「漢字DS」「国語DS」などだ。本体とソフトは40台を用意(*1)。各学年1クラス、20人前後の同校では1度の授業で2クラスがDSを使うことが可能だ。
 07年10月からスタートした取り組みは、予想に違わず高い成果に結びついた。2年生と6年生で効果検証を実施(*2)。5分間で解ける算数の計算問題数を検証した2年生では、31問から40問に増加。特に勉強への関心が低く基礎学力に難があった子どもの計算力アップの効果が大きかったという。

 6年生では50問の計算テストを実施。点数は5点増だったが、所要時間が37分から31分へと大幅に短縮される結果となり、計算に対する抵抗感が薄れたとのことだ。
  「特に勉強の苦手な子どもほど効果が高く、全体の基礎学力の底上げにつながっている。さらに、教師側の負担が軽減され、理解力や思考力など本来求められている学習に取り組む、時間的余裕ができたことも大きなメリット」(笹間教頭)。

[ 写真 ]
IT活用の歴史は古く、常に先端的な利用法を考察するなどIT機器利用に積極的に取り組んでいる

(*1)研究授業としてNPO法人パソコンキッズからの貸与により導入
(*2)導入直後の07年10月〜11月にかけてと、活用数カ月後となる3月の2回で検証のための試験を実施

高い集中力と学習効果

 DSの活用がこれだけの成果を生み出せる要因は①集中力アップ、②効率的な学習、③手軽な操作——この3つを実現できるツールとして、最適であることだ。
 子どもの興味や関心を引きつける点で最も効果的なポイントが、①集中力アップだろう。その成果は「教師が声をかけても耳に入らない」ほど。興味や関心を高める点で、これだけ効果が高いツールは少ないのではないか。

 普段は遊びで使っているゲーム機だけに、子どもからは「DSを使うから勉強という気がしない」といった声が多く上がるなど、DS自体が興味を引く要素となっている。
 前述のように、この効果は特に計算や漢字を苦手とする子どもほど顕著に出ているわけだが、ポイントはゲームソフトの「リアルタイム性」にある。

 例えば、習熟度が不足している子どもは途中まで考えて、分からないと考えることをあきらめてしまい適当な数字を書いてしまうもの。後一歩の頑張りに欠ける。紙媒体の計算ドリルではこれで終わってしまうが、DSでは解答に対して即座に画面上に正当が出る。「×」が表示されると、何とか「○」をもらおうと、自然と本気で取り組むようになるとのことだ。

 一説によれば、「スピード・テンポ・タイミングが揃った時に、最も集中力を発揮でき学習効果が高まる」といわれており、これらの特徴を備えるゲーム機は学習ツールとしてまさに最適ともいえる。
 こうした集中力アップは、②効率的な学習にもつながる。計算や漢字力アップは、授業時間内に一斉指導により行なわれることが一般的。問題を解いて答えを合わせる時間など、授業内でも相当の部分を占める。単元などによっては、授業の大半をこれに取られてしまうことも少なくない。

 だが、DSを活用することで子どもは自分のペースで進められる上、教師による答え合わせの時間も不要。物理的な時間短縮のみならず、基礎学力の高い子どもの答え合わせを機械にまかせることで、教師は習熟度の低い子どもの個別指導に時間を割ける。集中力が増すだけでなく、こうした下支えにより勉強の苦手な子どもの底上げにつながるというわけだ。

 それだけではない。少ない時間で基礎学力が身に付くと共に、紙媒体での計算や漢字ドリルに比べて問題の消化数が圧倒的に増えたという。
 これはゲームならではの工夫が大きい。例えば、計算ゲームには認定試験などが用意されており、クリアするとコインなどがもらえる仕組みになっている。通信機能などにも対応しており、友人と楽しく競い合うといったことも可能だ。
  「コインがほしくて何度も挑戦しているうちに勉強が楽しくなった」との声もあり、紙媒体では考えられない成果だという。

DSで学習[ 写真 ]
ゲーム機は、勉強で周囲の雑音に惑わされることなく熱中できる数少ないツールの1つ。「○」や「×」に一喜一憂。このゲーム感覚が、子どもを虜にして

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