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2008.11.10 (シャニム25号掲載)

プロジェクター選びの参考にしたいメーカー各社の製品開発キーワード

商品研究
データプロジェクター

プロジェクター選びの参考にしたい
メーカー各社の製品開発キーワード

データプロジェクターは、いってみれば単なる投写機。だが、各社の製品にはメーカーの様々な“思い”が込められており、それがプロジェクターの特徴となって表れている。そこで、各社の製品開発に対する基本的な考え方をまとめた。ぜひ、プロジェクター選びの参考にしてほしい。

 

NECディスプレイソリューションズ/プロジェクター

■NECディスプレイソリューションズ
適材適所”を基本的な考え方に
ニーズに最適化したモデルを提供

 ワールドワイドでプロジェクター事業を展開し、フルラインアップを揃えるNECディスプレイソリューションズの開発コンセプトは「適材適所」だ。ユーザー要求を満たすため、基本仕様や機能、使用する部品の選択まで十分吟味した上で最も適した商品企画や開発を行なう。
 プロジェクターに対するニーズは地域によって大きな差があり、特に日本市場ではパフォーマンスの高さに加えて、質量2kg以下のモバイルタイプの需要が海外に比べて強い。

 これに応えるべく、国内モデルの開発における基本思想を「技術的に一歩先にいく」(プロジェクター事業ユニット事業企画本部長の石渡直樹取締役執行役員)こととしている。
 同社のいう技術とは、明るさや高画質といった基本性能の向上はもちろん、ユーザーが求める付加価値や機能などを実現することだ

 実際、この考え方は2kgを切る小型ボディで3000lmの高輝度を業界で先駆けて実現したことや、30cm弱の距離から投写可能な超単焦点モデルの製品化などに具現化されている。
 適材適所の考え方は、各カテゴリーの仕様や性能決定にも及ぶ。例えばスタンダードモデルは教育機関から企業まで幅広く使われる。エントリー層も含めた不特定多数が利用するため、何よりも分かりやすい操作性が欠かせない。初心者にも配慮した様々な機能を搭載すると共に、多様なニーズに対応するため液晶とDLP方式の2タイプの商品を揃える。

 また、国内ニーズが高いモバイルクラスでは軽量化と多機能化にこだわっており、3000lmで重さ1.6kgは他の追随を許していない。
 「日本国内でプロジェクターの年間出荷台数は1000人当たり1.4台。これに対してアメリカは同5.2台、シンガポールは同10台など海外の利用率は高い。SOHO市場など、日本でももっとプロジェクターは活用されていい」と石渡取締役執行役員。そのためにも「ニーズに最適なモデルを開発すると共に、新しい付加価値を持った用途提案力のあるプロジェクターを提供していく」という。

 

エプソン/プロジェクター

■エプソン
ユーザーの声に積極的に耳を傾け
地道に“使いやすさ”を徹底追求

 エプソンのデータプロジェクターに共通する開発コンセプトは、「使いやすさ」である。プロジェクター の活用状況は積極的に使うユーザーとまったく使わない人と二極化。これに対し「もっとプロジェクターを活用してもらうには誰もが使いやすい製品を投入すると共に、利用できる環境を増やすことも欠かせない」(プロダクトマーケティング部の皆川浩一部長)と考えているからだ。

 「明るく小さくお求めやすいことが最も基本的なニーズ。もちろん、ここも追求しているが、それ以上にユーザーの声を反映した使いやすさを大事にしたい」(同前)という。
 好例は、「日本語表記」だ。本体操作パネルでは、海外でも同一筐体で展開できるよう英語表記が一般的。エプソンもワールドワイドで事業を手がけるが、見やすさと使いやすさの視点からコストをかけてでも日本語で表記しているのだ。しかも、操作の流れに沿ってボタンを配置するなど細部にもこだわる。

 機能面では、「クイックワイヤレス」や「SDカードスロット」などが挙げられる。クイックワイヤレスはオプションの専用USBキーを抜き差しするだけで、無線LANの接続環境を構築できる機能。使いやすさと共に、プロジェクターの利用環境を増やす提案につながっている。
 エントリーモデル「EB-W6」で対応している機能がSDカードスロットの搭載。パソコンと接続できなくとも、デジカメで撮ったSDを挿入すれば大画面投写というプロジェクターのメリットを享受できる。使いやすさを提案しているわけだ。

 この他、ケーブルが短いとの声に応えて通常より長い3m電源ケーブルを同梱したり、ユーザー調査を反映させた(*1)キャリングケースをセットにしたりと地道な努力を続ける。
 また、使いやすさの追求はラインアップにも表れている。エントリーやモバイル、ハイエンドまで各クラスでひと通りWXGA搭載モデルを揃えることで、まだ過渡期であるワイド画面需要にも対応しているのだ。
 今後も、「トレンドを追及する一方でユーザーの声に耳を傾け愚直に使いやすさを追い求めていく」(皆川部長)という。

(*1)EB-1735W/1730W/1725/1720

 

ソニー/プロジェクター

■ソニー
最古参のプロジェクターメーカー
コンセプトは“妥協しない”こと

 あまり知られていないが、プロジェクター事業に参入するメーカーの中でも、ソニーは最古参に属する。データとホーム用の両分野を手がけ、エント リークラスからシステムユースまで、全方位型のラインアップを展開。さらに、プロジェクターのキーパーツともいえる液晶パネルを提供しているメーカー2社 のうち、1社がソニーだ。
 こうした総合力を生かした“妥協なき商品開発”が、同社の基本コンセプト。「長年の歴史に培われた総合力を背景に様々 なシナジー効果を生かしたラインアップが強み」(プロフェッショナルビジネスマーケティング部ディスプレイ&DIMK課の三浦弘嗣マーケティングマネ ジャー)である。

 この考え方が最もよく反映されているカテゴリーが、エントリークラスだ。低コスト化とハイスペックにこだわった結果、 高いコストパフォーマンスが大きな魅力となっている。
 例えば、画質だ。上位機で採用している独自開発の液晶パネル「Bright Era(ブライトエラ)」をエントリークラスにも搭載。液晶パネルを自社開発するソニーならではだ。

 このエントリー機の中でも、最新モ デル「EW5」は同社の開発コンセプトが色濃い。画質もそうだが、トレンドの兆しを見せるWXGAワイド液晶対応やHDMI端子搭載など先端スペックを備 えながら低コストを実現している。
 モバイルクラスでも、考え方は同じこと。スピードにこだわり、オートフォーカスや電源オフ後すぐに持ち運べる 「オフ&ゴー」、電源を入れれば角度調整から画像補正、ピントまで全自動で設定してくれるオートセットアップ機能などを搭載。液晶方式ではいまだ最小サイ ズで、発売から2年だがロングランヒットを続ける人気モデルである。

 「ソニーというと事務機のイメージが湧かないせいか、残念ながら データプロジェクターメーカーとしての認知度向上が必要な状況」と三浦マネジャー。製品の魅力は申し分ないだけに、もっと注目したい。

 カシオ計算機/プロジェクター

■ カシオ計算機
“持ち歩くプレゼン力”を実現すべく
こだわり抜いた携帯性と驚異の薄さ

  カシオ計算機のデータプロジェクターに共通する開発コンセプトを端的に表現するなら、「持ち歩くプレゼン力」だ。
 「当社はプロジェクターそのも のではなく、いかに活用するかという“コト”をアピールしていきたい」と語るのは、国内営業統括部・システム企画部VCI企画室の下田純也室長。「気軽に 持ち歩いてプレゼンテーションやコミュニケーションを行なうツールとしてカシオのプロジェクターを活用してほしい」と続ける。

 この考え 方を具現化するキーワードが「スリム」「PCレス」「モバイル連携」の3つであり、驚異の薄さで注目を集めるスーパースリムプロジェクターとして実現され ている。
 スリムといえば、カシオの専売特許ともいえるポイントだ。「持ち歩くという点で、日常的に使うカバンに入るかどうかが重要。バッグが2 個になったら、持っていくことをためらってしまう」(下田室長)ことから、薄さにこだわった。

 気軽に持ち歩いてプレゼンテーションを行 なうには、「PCレス」であることも欠かせない。この発想がUSBメモリー端子の搭載につながっている。また、パソコンを使う場合でもワイヤレス接続に対 応していれば利便性も向上すると、無線LANを搭載しているというわけだ。

 PCレスを追求することで、生まれてきた考え方が「モバイル 連携」。例えば、PC機能を備えたスマートフォンとプロジェクターがつながれば、それだけでプレゼンテーションができてしまう。
 「普段使いのカ バンに入るからこそ携帯電話やiPod、デジタルカメラといった身近なモバイル機器と連携することで、外出先でのプレゼンテーションがもっと便利になる」 と、同社プロジェクターのスーパースリムの活用法をアピールする。

 こうしたコンセプトを持つスーパースリムでは、輝度別3タイプに画質 にこだわった「ACT VISION SS」を加えた4タイプを用意。USB対応の有無などにより各2モデルの計8機種がラインアップされ、ユーザー用途に合わせて選択できる。

 

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