2010.11.30 (シャニム33号掲載)
商品研究4|空気清浄機「医療専門機関も着目する最新空気清浄機」
今シーズンはA香港型と新型の2つが流行か
医療専門機関も着目する最新空気清浄機
●11年春の花粉飛散量は前年比5倍との予測も
●W流行が予測されるインフルエンザにも細心の注意が必要
●有効な対策は「うがい」「手洗い」「空気清浄機」
●空気清浄機の除菌機能を医療専門機関が臨床試験
地域によって違いはあるが、日本人の約3割がかかっている身近なアレルギー疾患、それが「花粉症」だ。
民間気象会社のウェザーニューズは、気象データと実地観察にもとづき、「11年春の花粉飛散量は10年の5倍に達する」と予測している。
これは夏の異常な暑さで花粉のもとになる雄花の育ちがよく、さらには10年春の飛散量が例年より少なかったことが影響している。地域で異なるが、近畿地方では10倍、関東地方では7〜8倍に達するという。
一方、ウイルス感染でおこるインフルエンザも、例年11月中旬から感染者が徐々に増え、ウイルスが活性化する低温で乾燥した冬から春先にかけて流行する。
国立感染症研究所の定点観測によれば、10月以降に全国で検出されたウイルスの75%が「A香港型」、21%が09年に騒動を起こした「新型」だ。今シーズンは両方が流行する可能性がある。
新型といっても、今や季節性と同列に扱われており、09年のように闇雲に怖がる必要はないが、季節性に比べて小児がかかりやすく、かつ重症化しやすい傾向も見られる。
一方、A香港型の方は高齢者が重症化しやすい。用心するにこしたことはない。
日常生活による予防
花粉症の場合、空中を浮遊する花粉が目鼻口の粘膜に付着しておこる。一方、インフルエンザは、感染者が発したウイルス入りの唾の「飛沫」、もしくは飛沫から水分が蒸発した後の微粒子「飛沫核」を吸い込んで感染する。そのため、花粉症とインフルエンザの予防対策は似通っている面がある。
最も手軽な予防は小まめな「手洗い」と「うがい」である。
手洗いは石鹸を使って丁寧に行なえば、手に付いた花粉、ウイルスを洗い落とせる。
うがいの場合、水道水でもうがい薬に勝るとも劣らない効果があるとする調査もある。咽の乾燥を防ぐとウイルス感染しにくくなるのだ。花粉症対策としては、鼻うがいや目をすすぐのも有効である。
次に手軽な予防策はマスクの着用だろう。特に花粉症対策の場合、花粉がウイルスと比べると格段に大きく、相応のマスクを正しく使えば高い捕集率が期待できる。国民生活センターなどの商品テストレポートによれば、マスク選びでは素材や価格より、どれだけ顔にフィットするかで捕集率は左右されるという。捕集率を重視するなら、ワイヤーで肌に密着させるタイプがよいだろう。
一方、マスクのインフルエンザ予防に果たす効果については議論がある。普通の市販マスクでは、飛沫の通過は防げたとしても、5ミクロン以下の飛沫核は通過してしまう可能性が高いからだ。
予防策で着用するなら、米国労働安全衛生研究所が定めたN95規格の微粒子用マスクや静電気フィルターが組み込まれた製品がよいだろう。
やはりインフルエンザ予防策の基本は当然、良好な体調を維持することだ。体力が落ちると、侵入してきたウイルスに抵抗できず、既に免疫を持っていたとしても正常に機能しない。
それは花粉症も同様である。そもそも花粉症がここまで広がったのは、食の変化やストレスで免疫体系の崩れた人が多いことも影響しているという。良好な体力を維持するには、やはり十分な睡眠とバランスのとれた食事、適度な運動、そしてストレスをため込まないことが理想だ。
空気清浄機による予防
こうした日常生活における備えに加えて、文明の利器である「空気清浄機」を、ぜひ活用したい。
これからの季節、外気に花粉が満ち満ちていることを考えれば、窓はなるべく締め切っておきたい。逆に室内ではウイルスの滞留を防ぐために、小まめな換気が望ましく、それには機能進化が目覚ましい空気清浄機が有効だからだ。
もともと空気清浄機のフィルター機能は、花粉レベルの大きさの粒子は問題なく吸着していた。最近ではさらに進化し、IS規格で「0.3ミクロンの粒子に対して 99.97%以上の捕集率」と定められた「HEPAフィルター」搭載機種が増えている。
通常、ウイルスは5ミクロン以下の飛沫核に含まれながら浮遊しているので、HEPAフィルターなら高い確率でウイルスを吸着する。さらにオゾンなどの触媒により、取り込んだ空気を清浄し、0.1ミクロンのウイルス本体さえも不活性化させる機種もある。
こうした基本機能に加えて近年は、除菌・除ウイルスに対応する機種が主流となってきている。メーカーにより方式に違いはあるが、イオン等の除菌成分を空気中に放出し、浮遊したり、壁やカーテン付着している菌やウイルスを分解・除去する。
その効果について現在、医療の専門家による試験などが進められており、先日はシャープがプラズマクラスターイオンに関して、「臨床試験の結果、ヒトへのインフルエンザウイルス感染率が低減傾向にあることを確認した」と発表した。
同試験は東京大学大学院医学系研究科・大橋靖雄教授の監修で行なわれたもの。この内容は11年1月に開催される日本疫学会で大橋教授が発表する予定だという。
このように最新の空気清浄機は、医療の専門家が着目するほど高度に進化している。それだけに、免疫力が弱っている病人や高齢者、子どもなどが多く集まる施設こそ、空気清浄機が有効なはずだ。インフルエンザや花粉症が本格化する季節となる前に、ぜひとも備えておきたい機器ではないだろうか。

▲シャープ/業務用プラズマクラスターイオン発生機「IG-820-W」

▲三洋/加湿空気清浄機「ABC-VWK71C」
■図) 花粉症対策の割合

※クリックすると拡大表示できます。
![]()
関連記事がありません。














コメント
コメント