2008.02.20 (シャニム22号掲載)
「電子申告&納税」e-Tax(イータックス)とeLTAX(エルタックス)/Part3
07年度税制改正で利便性アップ!
知っておきたい
「電子申告&納税」
インターネット上で確定申告や税金の支払いができる電子申告&納税システムの利用者が急増中だ。
こ の背景には、電子政府の実現を目指す国が電子申告の利用を促進していることがある。
スタート当初に比べて利便性も向上しており、これまで電子申告 の利用を敬遠してきた納税者にとっても魅力は大きい。
これを機に、ぜひ電子申告や電子納税を利用してほしい。
Part1:電子申告&納税って何?
Part2:どうや る?「電子申告」
Part3:どうやる?「電子納税」
Part3:どうやる?「電子納税」
電子納税の利用フローとポイント
電子納税とは自宅や事務所のパソコ ン、携帯電話、ATMなどから税金を納めること。金融機関や税務署の窓口に納付書を持参して税金を支払う方法以外の納付手続きを可能とする仕組みである (PART1の図参照)。場所や時間の制約、手間の削減といったメリットがある点はすでに述べた通りだ(*1)。
現在、電子納税できるのは国税 の電子申告&納税システム「e-Tax」のみ。地方税を扱う「eLTAX」は08年3月からスタートする予定だ。ここではe-Taxによる国税の電子納税 について解説していく。
電子納税を利用するには、①納税方式の選択/事前登録と②インターネットバンキング利用の申し込みなどが必要 だ。
まず、e-Taxの①電子納税の方法には、「登録方式」と「入力方式」の2つがある。登録方式は納付情報データを事前に作成してe-Tax システムに登録し、この情報に対応する「納付区分番号」を取得。同番号を利用して電子納税を行なう方法だ。あらかじめ情報を登録しておくため納付手続きの 操作が簡単で、全税目を納付できるという利点がある(*2)
入力方式は、事前に納付情報の登録を行なわずに電子納税する方法。税目番 号、確定申告や予定納税などの申告コード、課税期間などの番号を組み合わせて「納付目的コード」を納税手続きごとに作成して税金を振り込む。なお納付可能 な税目は、所得税/法人税/消費税に限定される。
e-Taxの電子納税を利用するためには、①事前登録が必要となる。PART2で解説した「電 子申告・納税開始届出書」の種類により、先の2方式のいずれを利用できるかが決まる。「申告・納税等手続」を選択した場合は登録方式と入力方式をいずれも 利用が可能となり、「特定納税専用手続」を選んだ場合は利用できるのは入力方式のみだ(表)。
ペ イジー対応銀行で納税可能
パソコンや携帯電話から電子納税を行なう場合には、金融機関で②インター ネットバンキング利用の申し込みが必要となる。ネットバンキング用の新口座を開く必要はなく、既存口座をベースにネット取引を行なえる。ポイントは、電子 納税に利用したい金融機関が「Pay-easy(ペイジー)」に対応していることが条件だ。
ペイジーとは各金融機関が共同で構築・運用している サービスで、請求書や納付書により窓口で支払っていた公共料金や国民年金保険料、自動車税などをインターネットバンキングやATMで納付できるようにした ものである(*3)。
このサービスに対応している金融機関は、「http://www.pay-easy.jp/」にアクセスして確認してほし い。同ホームページでは、ペイジーを利用したインターネットバンキングやATMなどを利用した支払いのデモ体験が可能となっている。使ってみれば、その利 便性を実感できるはずだ。
なお、手数料は基本的に納付書による納税と同じく無料。ただし、利用条件などによっては手数料が発生するケースもある ので、事前に金融機関へ確認したい。
以上で、電子納税のための準備は整う。次に、インターネットバンキングを利用した納税の流れを簡単に見てお こう。
金融機関のインターネットバンキングへログインして、「税金・各種料金払込み」メニュー(*4)を選択。利用者識別番号や納税確認用番号 などを入力すると、納付情報が画面に表示される。支払先や金額などを確認した上で納付を指示すれば、納付完了のメッセージが表示されて手続きは完了だ。事 前に納付情報データを作成していない入力方式では、納税情報となる納付目的コードや納税額といった情報も合わせて入力する。
留意点は、電子納税 では納付書による支払いのように領収書が発行されないこと。インターネットバンキングなら取引記録、ATMなら利用明細などを保存したい。
(*1) 実際に電子納税が利用できるのはe-Taxシステムが稼動している9時〜21時(祝日を除く月曜日から金曜日)で、かつ納税手続きを行なう金融機関のシス テムが稼動している時間帯となる
(*2)基本的に電子納税では納税者が直接e-Taxシステムとやり取りすることはないが、源泉所得税の自主納付 分については徴収高計算書データを作成してe-Taxシステムに送信した上で電子納税を行なう
(*3)ネットショッピングの購入代金や、市の公共 施設の予約と料金の支払いといったことも可能なサービス
(*4)金融機関により表記は異なる
地方税 ポータルシステム「eLTAX」
地方税の電子申告&納税システムとして稼動しているのが、05年1月にス タートした「eLTAX(エルタックス)」だ。
eLTAXは「地方税ポータルシステム」の呼称で、ネットワーク上で様々な地方税の手続きを一括 して行なうことができるサービス。現在、都道府県税の法人都道府県民税と法人事業税、市町村税の法人市民税や個人住民税(給与支払報告書など)、事業所税 などの申告が可能。08年3月からは各種申請・届出と電子納税が可能となる予定である(可能手続きの詳細などはHPを参照)。

申告 できる手続きからも明らかなように、同システムの利用対象は基本的には法人だ(事業所税などは自営業者でも利用することは可能)。このため、eLTAXを 利用するかどうかはe-Tax同様に顧問税理士の考え方次第といえるが、やはり利用率は増加している。理由は、申告に際して法人代表の電子署名が省略でき るようになったことが大きい。
また、eLTAXは国税以上に法人や税理士にとって利便性が高いことも背景にある。
法人都道府 県民税や法人住民税は企業の所在地である自治体に申告や納税しなければならず、他の県や市町村などに支社がある企業(分割法人)の税務には手間を要する。
さらに、個人住民税に関連する給与支払い報告書などは従業員が住む自治体へ提出義務がある上、従業員の出入りや異動の際にも申請しなければならないなど、 かなりの手間がかかる。
eLTAXでは提出自治体ごとに申告書を作成する必要はあるが、これら分割した手続きを一括して処理することが できる。申告データをまとめて送信すれば、同システムが提出先を判別して当該自治体へ自動提出してくれるのだ。
これを実現するには、ま ずは全自治体がeLTAXを利用できる環境を整えなければならないが、現状では47都道府県と15の政令指定都市(*1)、および相模原市が導入するのみ で市町村の環境整備が進んでいない。電子申告と書類が混在するため、十分な利便性を発揮できない状況といえる。
そうした中、岩手県や京都府、愛 知県などが県主導で市町村へのeLTAX導入を推進していることに加え、同システムへの対応を検討する自治体が増えてきた。
地方税の電子 申告に関しては税理士団体などもe-Tax以上に導入を熱望しており、環境が整えば利用率がアップすることは間違いない。「将来的には個人の地方税に関わ る申告や納税のインフラとしても活用が検討されている」(社団法人地方税電子化協議会)というだけに、法人/個人とも注目しておきたいシステムだ。
(*1) 新潟市と浜松市は09年以降にサービス開始予定














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