2008.05.20 (シャニム23号掲載)
「構図・ピント・露出」を完全マスター/デジタル一眼レフ 達人への道:Part2
「構図・ピント・露出」を完全マスター
デジタル一眼レ フ「達人」への道

PART2 ピント
ピントは確実に主役に合わせること
写真を撮る時に、基本動作として 欠かせない操作がピントを合わせること。これをフォーカシングという。
フォーカシングで最も重要なポイントは「ピントの位置」。確実に主要被写 体(主役)にピントを合わせる意識が欠かせない。ピントの位置は撮影者の意思表示であり、これによっては写真の印象やテーマを左右するからだ。このこと は、写真1と写真2を比較してもらえば明らかだろう。
PART1で述べたように、テーマを明確にした上で主役や画面上で最も強調したい 部分に、しっかりとピントを合わせることがフォーカシングの鉄則である。
このフォーカシングで、撮影者にとって最も便利な機能がデジタル一眼の オートフォーカス・システム(以下AFシステム)であることは言うまでもない。AFシステムを使いこなす上で知っておきたいポイントは、①フォーカスロッ ク、②AFモード、③多点測距、④ライブビュー——この4つである。詳細を見ていこう。
AFの基本はフォーカスロッ ク
まず、①フォーカスロックは、文字通りピントを固定させること。
AFの基本操作はファインダー上のフォーカスポイン ト(測距点)を被写体に合わせてシャッターボタンを押すわけだが、構図によっては測距点と主要被写体が重ならないことがよくある。この時に使われる機能 が、このフォーカスロックだ。
「シャッターボタンの半押し」といえば、思い出すユーザーも多いに違いない。フォーカシングしたい被写体 に測距点を重ねて、シャッターボタンを半押しするとピントが固定される。その状態で撮りたい構図に戻してシャッターを切ることで、主役にしっかりとピント の合った写真となる。
注意点は、撮りたい構図へフレーミングし直す時に、指が離れてフォーカスロックを解除してしまったり、逆に押し込 んでシャッターを切ってしまうこと。指先を柔らかく使い、確実にコントロールしよう。
フォーカスロックを使う際、②AFモードはシングルAFに 設定しておくこと。AF方式とはフォーカシングの駆動方式で、「シングルAF(シングルモード)」と「コンティニュアスAF(コンティニュアスモード)」 がある。
シングルモードは一度フォーカスロックするとピントがそのまま固定されるが、コンティニュアスモードはフォーカスロックした被 写体の動きに合わせて連続的にピントを合わせ続ける。スナップや人物など一般撮影はシングルAFで十分。通常はシングルモードに設定しておき、スポーツな ど被写体が動くシーンではコンティニュアスモードを選択するなど用途に応じて使い分けたい。
また、最近は第3のモードとしてシングルと コンティニュアスの機能を併せ持つAF方式を搭載したモデルもある。基本的にはシングルモードで動作し、被写体が動くとコンティニュアスモードで追従す る。突発的に動く子供やペットの撮影に便利だ。
③多点測距とは、同一ファインダー上に複数のフォーカスポイントが配置されたAFシステムのこ と。どの測距点でもAFによるフォーカシングができるので、フォーカスロックして構図を戻すといった手間を省略できるケースも多い。
エ ントリーやミドルなどクラスによってフォーカスポイントの数は異なるが、最近のデジタル一眼はほとんどが多点測距対応のAFシステムを備えている。使いこ なせば、素早いフォーカシングによる多彩なフレーミングでの撮影が可能となる(*1)。
(*1)基本的にAF精度は中央の測距点が最も高 い。最近、一部のミドル機などで周辺の測距点にも中央と同方式のセンサーを採用し、全測距点で高精度なフォーカシングを実現しているモデルも出始めている
実 はMFに役立つライブビュー
便利なAF機能だが、万能ではない点には留意したい。明暗差が小さい被写体や、周囲の風景が反射して いるガラス面などフォーカシングが苦手な被写体もある。こうしたケースでの対策は2つ。主要被写体と同距離にある別の被写体でフォーカスロックして構図を 戻すか、レンズのピントリングを手動で操作するマニュアルフォーカス(MF)を使うかだ。
デジタル一眼でも、AF撮影で対応できるケースがほと んどだが、前述のようにAFではピントが合わせられない場合や、クローズアップ撮影などシビアなフォーカシングが要求されるケースではMFで確実にピント を決める必要がある。
ファインダー倍率(*2)が高い機種などは比較的ピントを合わせやすいとはいえ、やはり初級ユーザーにMFを駆使 することは難しい。そこで、活用したいのが④ライブビューだ。
これは、液晶モニターを見ながら撮影できる機能のこと。最近は搭載機も増えてきて いる。コンパクトと同じような感覚で撮影できる利点もさることながら、「拡大表示」による厳密なピント合わせに威力を発揮することに注目したい。
拡大表示とは、液晶モニター上のフォーカスポイントを自由に移動し、ピントを合わせたい部分を10培近くまで拡大できる機能である。
花びらや昆 虫など小さな被写体から、人物の瞳までシビアなフォーカシングが可能となる。また、一般の撮影などでも主要被写体を的確なピントで捉えた、シャープな写真 を撮ることができる。ぜひ、使ってみてほしい機能の1つだ。
デジタル一眼は、自宅のプリンターなどで撮影画像を簡単に引き延ばせるだけに、正確 なピント合わせが要求される。様々な機能を活用して確実なフォーカシングを心がけたい。
(*2)肉眼で見た場合と比べて、ファインダーの視 野がどれだけ大きく、あるいは小さく見えるかの指標。数値が大きいほど、ファインダー像が見やすい
■□■光学ファインダーを覗いたイメージ■□■

①視野率:視野率が100%以 下の場合、ファインダーから確認できない周囲の様子も画像として写る
②フォーカスポイント(測距点)
③フォーカスフレーム
④ファ インダー倍率:倍率で表され、1倍なら実際の被写体と同じ、それ以上だと実際よりも大きく見える
⑤撮影条件など(露出や撮影枚数、フォーカスエイ ドなど)

ほぼ同じ構図とフレーミングだが、ピントの位置を変えた写真。左は手前の葉に、 右は奥の神社内に合わせたもの。同じ構図でもピントを合わせる位置によって、テーマは変わってしまう。テーマに応じた主要被写体に確実にフォーカシングす ることが重要だ。
■□■多 点測距のフォ−カシングイメージ ■□■

多点測距では慣れは必要だが、フォーカスロックにより構図やフレーミングを戻す ことなく、素早いフォーカシングを行なうことができる。撮影シーンに合わせて、様々な方法を使い分けてみたい。
ピントの確 認をしてみよう!
デジタルの利点は、撮影画像をその場ですぐに見ることが可能なこと。これ を使わない手はない。
おそらく、どんな写真になったかという意識で液晶モニターを見ることはあっても、ピントを確認しようと意識して撮影した画 像を見たことはないのではないか。
デジタル一眼の背面液晶も大きくなってきたとはいえ、細かいピントまでは確認しにくいことがある。いい写真が 撮れたと思っていても、帰宅してパソコンで見たら主要被写体にピントがしっかりと合っていないことが発覚。せっかくの作品を大きくプリントできないといっ たことも実際にあるほど。
そこで、活躍するのが拡大表示。ライブビュー機能がなくとも、撮影した画像を拡大できる機能が搭載されているはず。確 認してみよう。
これは、と思うカットが撮れたら必ずピントを確認したい。例えピントが甘いことが分かっても、その場でなら撮り直すこともできる はずだ。















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