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2008.11.10 (シャニム25号掲載)

【2009デジタルAV機器大カタログ】薄型テレビ・レコーダー・ムービー・一眼レフ

薄型テレビ、レコーダー、ムービー、一眼レフ

2009デジタルAV機器大カタログ

  デジタル技術の進化の早さには目まぐるしいものがある。つい1〜2年ほど前までテレビの世界では「フルハイビジョン」や「倍速液晶」といったキーワードが 最先端であった。
 だが、これらは今や当たり前になりつつある。しかもユーザーの利便性や楽しさ、あるいは描写力などは、確実にアップしている。 それだけに技術進化の大枠をとらえておくか、否かは、「いざ購入」ということになった時に、大きな差となって表れてくるはずだ。

 毎年、 秋口には恒例イベント、デジタル機器の祭典「CEATEC」が開催される。2008年もメーカー各社が最新モデルをはじめ、近未来を予測させるプロトタイ プや先端技術を多数展示した。
 今回の特集はCEATECのレポートを交えながら、デジタルAV機器の最新モデルを解説しよう。きっと最適のモデ ルが見つかるはずだ!

 

№1「薄型テレビ」

液 晶TVの新たなキーワード
LEDバックライト&超解像

急ピッ チで進む
プラズマの薄型化・低消費電力化

 テレビの近未来像は、どう変わるのか。これを占 うため、まずはCEATEC JAPAN 2008で公開された最新型のテレビを紹介しよう。
 メーカー各社のブースで最も目立ったのは超薄型テ レビだ。すでにソニーが最薄部9.9mmの40V型液晶テレビ(KDL-40ZX1)を発表し、シャープも同22.8mmの65V&52V型液晶テレビ (LC-65XS1&52XS1)を発表。両社ともブースでは超薄型を全面に押し出した展示だった。

 対するプラズマ陣営でも、パイオニ アがこの冬のニューモデル(KRP-600A/60V型&500A/50V型)で最薄部が64mmと、従来モデルからは半減させたモデルを発売。ブースも 超薄型一色であった。
 昨年のCEATECでは参考出品が主だった超薄型テレビだが、今後は市販モデルの主流となりつつある。その一方で、今年の CEATECではさらに進化した超薄型モデルが、プロトタイプとして参考展示されていた。

 例えばパナソニックは「Neo PDP」と呼ぶ、65V、58V、50Vの3タイプの超薄型プラズマモニターを参考出品した。その最薄部は24.7mmと従来のプラズマの1/4ほどの薄 さである。しかも軽量化が図られており、65V型でわずか38kgというスペックを実現。もちろん消費電力の低減も進んでおり、従来型プラズマの1/2ま で省エネ化を実現しているという。

パナソニック-プラズマテレビ50V、58V、65Vの3タイプの超薄型プラズマを参 考展示したパナソニック。いずれも最薄部は24.7mmだ。

 パナソニックによれば「プラズマの課題の1つは放熱 だった」という。熱を冷ますファンやボディ構造の必要性が、薄型化のための大きな関門だったわけだ。
 しかし、今回参考出品したNeo PDPでは発光効率を2倍に高めたため、「同じ明るさであれば消費電力は1/2に低減でき、その分発熱量も減少。超薄型化が実現した」(パナソニック)と 話している。
 同じくプラズマで超薄型モデルを参考出品したのは日立だ。50V型で最薄部は35mmを実現。このサイズが実現した一番の要因を日 立では「電源基盤が薄くなったこと」と話す。
 超薄型化では現状、液晶に大きく離された観のあるプラズマだが、巻き返しのための技術革新は着実に 進んでいる。

パナソニック・日立-プラズマ▲写真
左:パナソニックの150V型プラズマ。 4096×2160とフルハイビジョンの4倍もの高精細を誇る。
右:日立の50V型プラズマのプロトタイプ。最薄部は35mm。他に同15mmのLEDバックライト搭載37V型液晶を参考出品した。

液晶 をもっと高画質にする
LEDバックライトの実力

 これに対し液晶陣営では、超薄型化と並行 して、さらなる高画質技術をアピールする展示が目立っていた。
 その1つがLEDバックライトだ。ニューモデルではソニーのXR1シリーズや シャープのXSシリーズが採用している。

SHARP-AQUOS-XSモデルCEATEC初日に新型XSシリーズを発表した シャープ。最薄部は22.8mm。もちろんLEDバックライトを搭載している。

 液晶テレビの基本構造は、内蔵した バックライトを光源として、ここから出る光を液晶パネルで制御しながら画像を作り出している。そのバックライトは現状、CCFLバックライトが主流であ る。これは簡単にいえば蛍光管を敷き詰めたバックライトということができる。
 これに対してLEDバックライトは、電気を光に変える半導体 (LED/発光ダイオード)をバックライトに用いるものだ(弊誌24号でLEDランプを解説したが、液晶テレビ用バックライトに用いるLEDランプも基本 原理は同じ)。LEDバックライトの基本的なメリットは次の4つである。

 ①発熱量が少ない
 ②より細やかな制御が可能
  ③暗い映像では不要な発光を抑制できること
 ④低消費電力

 まず①の発熱量だが、蛍光管は照明器具でも明らかなように、発光部自 体が熱を持つ。このためテレビのバックライトに使用する場合には、放熱スペースの確保や冷却用システムの搭載などが必要だった。しかしながら、LEDバッ クライトは発熱量がきわめて少ないため、放熱という制約から大きく開放されている。そのため、テレビ自体をより薄くすることが可能なのである。

テレ ビコントラストは100万:1以上を実現

 ②細やかな制御であるが、ソニーやシャープのLED搭載 モデルでは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のLEDを光源に採用している。LEDは点の光源であり、これを集めてバックライトとしているため、より 小さなブロック単位での制御が可能だ。

 シャープでは「映像をきめ細かく分割して、各エリアごとに液晶とバックライトを最適に制御。テレ ビコントラスト(パネルだけでなく、テレビセットとしてのコントラスト)100万:1を実現した」と話している。
 従来のCCFLバックライトで は光源の個別制御は難しかっただけに、LEDバックライトは液晶テレビの画質を大きく進化させたわけである。

 しかも、③の不要な発光を 抑制できる点も、LEDならではの大きな特性だ(シャープは「ゼロの状態にする」、ソニーは「ゼロの状態に近づける」と表現している)。黒を表現する際、 CCFLバックライトでは消灯せず、液晶シャッターを閉じることのみで黒を表現していた。そのため光洩れがあり、灰色っぽいイメージとなっていた。
  一方、プラズマは画素が発光しないことで黒を表現しているが、それでも次発光に備えた小さな種火が点灯しており、これをいかに小さくするかが課題の1つに なっている。

 その点、LEDは不要な発光を抑えられるため、これまで以上の黒表現が可能なのである。ソニーでは「黒の映像を表現する 際、最適なバックライト発光を制御し、不要な発光をゼロの状態に近づけることで、本来の黒の深み、奥行き感、立体感を表現可能」と話している。

  さらには④低消費電力もLEDならではの特徴といえる。CEATEC会場ではビクターがLED液晶と従来型液晶の消費電力量比較を行なっていたが、そこで はLEDが50%近い低消費電力量であることを示していた。
 ここまでLEDバックライトのメリットを見てきたが、一番の課題はコストの高さだろ う。これについては「時間が解決する」との声が支配的であり、当面は各社とも、フラッグシップモデル中心に搭載することになりそうだ。

ビクター-省エネ液晶テレビLEDバックライト液晶と従来型液晶の消費電力量を比較し たビクター。LEDの省エネ性はこれを見ても明らかだ。

進化した高解像度技術
「超解像」の実力とは

  液晶陣営でもう1つ見逃せない次世代テレビ技術が「超解像」である。
 東芝がこの秋に発売したレグザZH7000シリーズなど3つのシリーズに世 界で初めて搭載した高画質技術で、日立やNECなどでも研究開発が進んでいる。DVDソフトや地上デジタル放送など、フルハイビジョン画素 (1920×1080)に満たない映像信号を、フルハイビジョン画素まで引き上げる技術である。

 意外に知られていないことだが、地上デ ジタルの信号は通常1440×1080で送られている。そしてSD画質のDVDソフトも720×480の解像度であり、どちらもフルハイビジョン画素には 足りていない。そのため通常のフルハイビジョンテレビは、映像を単純に引き延ばすことで画面サイズを調整し、表示している。
 だが東芝の超解像技 術「レゾリューションプラス」は、次のステップで画像処理を行なっている。
 ①フルハイビジョン向けに引き延ばした高解像度映像を、東芝独自のア ルゴリズムで、いったん元の低解像度映像に変換する。

 ②変換した映像を、最初に入力された引き延ばし前の映像と比較し、その違い(差 分)を検出する。
 ③再び高解像度処理を行ない、その際、検出した差分を基にした補正処理を行なうことで、より正確な高画質化を図る。東芝では 「フルハイビジョン解像度に満たない地デジ放送やDVDソフトであっても、フルハイビジョンパネルの高解像度を生かせる、緻密で鮮鋭感あふれる高画質映像 を実現した」と話している。
 テレビのフルハイビジョン化は急速に進んでいるが、再生するソフトやコンテンツはまだまだSD画質などが主流だ。超 解像はこうした現状に即応した新機能ということができそうである。

 さらに東芝では超解像技術をさらに進化させたテレビとして、セルテレ ビを参考出品していた。
 これは前述した超解像のステップを何度も繰り返し、熟成することでさらなる高画質化を実現したり、SD画質であれば48 画面を同時再生する機能などを搭載した次世代テレビだ。「早ければ09年秋にも商品化」との情報も一部にあるだけに、要チェックといえそうである。

ソニー-液晶テレビ超薄型大型化

次世代の超薄型テレビとして、大型化が期待されるソニーの有機ELテレビ。
今回は27 型を参考出品した。
 

東芝-48画面同時再生セルテレビ

より高度な超解像処理や48画面同時再生などを可能にする東芝のセルテレビ。
発売は 09年秋との噂もあるが、果たして……!?

※ページの写真はすべてCEATEC2008会場で撮影。

 

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