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2010.02.28 (シャニム30号掲載)

第3 の薄型テレビ!?「LED液晶テレビ」 今年のトレンドはLEDバックライト LED液晶テレビは「こう選ぶ!」

第 3の薄型テレビ!?「LED液晶テレビ」
今年のトレ ンドはLEDバックライト
LED液晶テレビは「こう選ぶ!」

 

 

サムスンの「LED TV」

 

▲米国ではサムスンが「LED TV」を大々的に訴求して市場をリード。
今年は 1000万台を出荷する計画だ。

 

 LEDバックライト―。テレ ビのマーケットで、このキーワードを耳にする機会が増えてきた。

 液晶テレビの必需品であるバックライトに従来の蛍光管ではなく、LED ランプを用いた液晶テレビのことだ。先日のCES(米ラスベガス)でも、液晶テレビの大半がLEDバックライトを採用。従来の蛍光管バックライトを過去へ と追いやっていた。

 主要メーカーの2010年出荷計画もLED液晶テレビが急増。総出荷計画台数に占める割合はシャープが4割以上、ソ ニー、東芝が3割弱。パナソニックも6%ほど(いずれも世界ベース)だ。

 2010年はLEDバックライト搭載モデルが、普及価格帯に引 き下がってくることが確実だ。本格普及がいよいよ始まることになる。

LEDバックライトの特長

LED バックライトのメリットを見てみよう。
 まずは「ロカールディミング」が可能なことだ。これはバックに敷き詰めたLEDランプをエリアごとに制御 し、コントラスト比をアップする手法のこと。

 例えば同一画面内の黒い部分は消灯し、明るい部分を点灯させるといった制御を行なう。これ によりLED液晶テレビのコントラスト比は100万:1レベルにまで大幅アップした。

 従来の蛍光管バックライトの場合、ディスプレイの 背面全体を細長い蛍光管がカバーしていたため、同一画面内で点灯部分と消灯部分を制御することは不可能だった。LEDバックライトならではの機能といえ る。
 また、LEDランプの発光効率の高さによる「低消費電力の実現」も大きなメリットだ。

 例えば年間消費電力量を公表してい るシャープでは、LED搭載のLXシリーズが、同社の前年モデル(GXシリーズ)比で30%以上もの電力カットを実現している。

 

SHARPの「4原色フィルターTV」

▲シャープが米国での発売を発表したニューモデル。
世界で初めてRGBにY(黄色)を 足した4原色フィルターのLEDを採用。

 また、LEDバックライトの配置方法により、大幅な薄型化が可能なこともメリッ トだ。そして、LEDの光には余計な波長成分が少なく「色の純度が高い」ことから、色再現性が高まることも見逃せない。しかも水銀を使っておらず、環境に 優しいこともメリットである。

 LEDバックライトは、従来の蛍光管バックライトと比べて、優れた特長を持っている。ただし、これらのメ リットはLEDバックライトのモデルを選べば、すべて享受できるというわけではない。
 LEDバックライトの中にもタイプがある。これによって得 られるメリットに違いが出てくる。ここがLED

液晶テレビ選びでは、重要なポイントである。

「RGB- LED」と「白色LED」

 まず、LEDバックライトの発光方式だが、現状では「RGB」タイプと 「白色」タイプの2つが、液晶テレビに採用されている。

 RGBタイプは光の3原色を発光する3種類のLEDを組み合わせて発光させるも の。色再現性にも優れており、液晶テレビには最適といわれる。

 ただし、LED駆動が複雑になり、コストが高くなるという課題もある。
  これまでの採用機種を見るとソニーのXR1シリーズやシャープのXS1シリーズなど、いずれもフラッグシップモデルだ。ソニーがXR1を「ブラビア史上最 高の画質を追求」と訴求したように付加価値が高く、普及ゾーンの採用までには、まだ時間がかかりそうである。

 RGBに変わり、最近の主 流となっているのが白色タイプだ。青色LEDに、赤と緑の蛍光体を組み合わせて白色を作る方式などである。

 RGBよりも構造がシンプル で制御しやすく、使用するLEDも1/3ですむことからコストや、消費電力量を抑えやすいというメリットがある。普及価格帯のモデルを中心に、今後、大き な広がりが確実視されている。

 もっとも、そのシンプルな構造ゆえに、赤と緑の光成分が不足しがちという課題もあり、一般的にはテレビに 必要な色再現性を得にくいとされる。しかし、現状の市販モデルを見た限りでは、そうした心配はない。各社の技術が、この課題を克服しつつある。

  そして白色LEDの進化で、LED液晶テレビの価格が低下したことが大きなメリットである。

「エッジライト」 と「直下方式」

LEDバックライトのタイプとして、もう1つ重要な点が配置方式だ。現状ではディス プレイの裏面にLEDバックライトを敷き詰める「直下方式」と、ディスプレイのサイド部分に配置したLEDの光を、光学シートなどで画面全体に拡散させる 「エッジライト方式」の2つがある。

 一般に、画質は直下が優れるとされ、エッジライトはスタイリッシュなデザインを施しやすいとされ る。
 直下の場合、LEDの発光をエリアごとに制御するローカルディミング機能を搭載しやすく、これが画質に勝る理由の1つだ。

 

東芝の「CELL」

▲画面の右半分の細かな点の1つずつがLEDランプ。
東芝のCELLはこれを9つで1 エリアとし、
合計512エリアでローカルディミングを行なっている。

 

 実際、東芝のCELLは55V型の画面を512エリアに分割し、エリアごとの最適な発光を制御 している。これにより500万:1ものハイレベルなコントラスト比が実現したわけだ。

 ただし、直下方式でもシャープのLX1シリーズの ようにローカルディミング機能を搭載しないモデルもある。これは価格を抑えることを優先した結果であろう。

 一方のエッジライトはローカ ルディミングの搭載こそ簡単ではないが、より薄型のフォルムを実現しやすいというメリットがある。

 今年のCESでLED液晶テレビの大 攻勢をかけたサムスンは、大半がエッジライト方式だった。画質よりもデザインを優先し、LEDテレビが従来の液晶テレビとは違うことを視覚的にアピールす るための戦略だといわれる。

 このようにエッジライトか直下かは、基本的な開発コンセプトの違いが大きい。そして今後は各社とも、直下と エッジライト、ローカルディミングの有無、そして白色とRGBとを、コンセプトや価格ゾーンごとに自在に組み合わせ、複数のラインアップとして用意してく るだろう。

 それだけにユーザーも、LED液晶テレビに何を求めたいのか。これを明確にすることが、最適なモデル選びのポイントになる。

 

表)主なLED液晶テレビのスペック比較

主なLED液晶テレビのスペック比較

 

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