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2009.10.17

「CEATEC JAPAN 2009」基調講演概要

●CONTENTS 1
「CEATEC JAPAN 2009」基調講演概要


~ 新しい時代の「くらし価値創造」を目指して ~

パナソニック(株)大坪文雄社長
パナソニック(株) 大坪文雄社長

  

注:パナソニック・ホームページ(http://panasonic.co.jp/company/philosophy/vision/ceatec2009/)から全文を引用

1.加速する変化の波新興国の台頭

中国、インド、ロシア、ブラジルの、いわゆる「BRICs」に加え、ここに挙げたような新興国は、一定の人口規模を持ちつつ、成長性で、おおむね先進国を凌駕しております。
家電市場で見ますと、2015年には、BRICsが全体の26%を占め、その他、日欧米以外の国々を加えると全体の半分を超えるようになると予測しております。

新興国市場が成長するなかで、各世帯の購買力も高まってまいります。いくつかの調査によりますと、新興国では、年間の可処分所得が5,000ドルを超えると、洗濯機や冷蔵庫など、各種家電製品の保有率が急速に高くなるという傾向があります。

BRICsの多くのご家庭が、耐久消費財の購買力を高め、大きな力となって、市場を左右していくことになると思います。環境・資源問題の深刻化
この1年、環境問題への対応は急加速してまいりました。しかも、世界同時不況がこの流れを後押しいたしました。アメリカのグリーンニューディールをはじめとして、エコロジーとエコノミーを同時に追求する国家政策が、世界各国で進められるようになっております。

環境技術の面でも、飛躍的な進歩が起こりつつありますが、これらが産業に与える影響は計り知れないものがあります。例えば、ガソリン車が電気自動車に置き換わると、部品の種類や数、内部構造、作り方が一変し、取引関係や関連産業のありかたもガラリと変わってまいります。

まさに、「グリーン革命」であります。18世紀の産業革命、20世紀の情報革命が、それまでの社会・経済の姿をすっかり変えてしまったのと同じような、場合によってはそれ以上のインパクトを持った変革が、起こりはじめていると認識しております。

●高齢化
高齢化は日本だけではなく、世界的な傾向であります。欧州や米国、さらには中国も、65歳以上の比率は右肩上がりで増えていくと見込まれております。

高齢者は、様々な不安を抱えております。日本を例にとりますと、経済的なものを除けば、「健康・医療」や「孤独」が上位であることが、内閣府の調査などからわかります。不安の解消と、行動のサポートが、高齢化する社会において、大変重要なテーマになってまいります。

●デジタルネットワークの進化
インターネットが普及するなか、情報の「出し手」と「受け手」は、固定された関係ではなくなってまいりました。世界中の無数の「個人」が主役になって発信する新しいネットワークの時代が到来しております。
新しい時代の価値観以上のような環境変化のなかで、今、世界的に大きな価値観の変化が起こり始めています。

新しい時代の価値観を表すキーワードを考えてみますと、
・環境にやさしいかどうかを重視する、「エコ発想」、
・それぞれの個性を重視する、「地域最適、自分最適」、
・そして、これらの意識のもと、余分なものは求めない「スマート消費」、
この3つが、特に重要になると思っております。

加えて、社会が大きく変化する今だからこそ、安心や安全を求める気持ちが、ますます強くなっていることも見逃してはならないと考えております。

●Panasonicの使命
私たちがいかなる時代にあっても堅持していきたいと考えているのが、創業者の松下幸之助が確立した、「経営理念」であります。

当社の綱領に明記されておりますが、平たく申しますと、「モノづくりを通じて、社会の発展や豊かな暮らしに貢献する」ということであります。ブランドスローガン「Panasonic ideas for life」も、まさに、この思いが込められたものであります。

この経営理念を、今の時代に実践するとは、新しい時代の新しい価値観にあった商品・サービス、モノづくりを、具現化することであります。
もう少し踏み込んで言いますと、「心豊かで持続可能なくらし」の実現に貢献するということではないかと考えております。

Panasonicのチャレンジこの思いを実現するためには、パナソニック自身も、従来の姿からダイナミックに進化していかなければなりません。
・エコ発想の事業活動、
・お客様起点の商品づくり、
・まるごとでのソリューション、
この3つを追求するなかで、モノづくり全体にわたってイノベーションを起こし、パナソニックらしい、「くらし価値」を創造してまいります。

2.Panasonicの提案~エコなくらし~

パナソニックは、家まるごとでのエナジーソリューションの提供を目指し、「CO2±ゼロ」のくらしをご提案していきたいと考えております。

●省エネ
従来から力を入れてきた省エネについては、2009年秋から、「エコナビ」という新たな提案を行っております。これは、当社独自のセンサー技術と、最適運転を実現するプログラム技術により、お客様それぞれの使い方や使用環境にあわせた省エネを実現しようというものであります。

また、新しい省エネ型の電球として期待されているLED電球にも力を入れてまいります。2009年10月発売予定の商品は、60形の一般電球と比べると、ほぼ同じ明るさものなら電気代が約8分の1、軽量ボディの採用で、徹底した省資源も実現しております。

調光対応の機種もありますので、照明器具にも強みを持つ当社ならではの商品展開で、生活シーンに合わせた、省エネで、多様な明かりライフを提案していきたいと考えております。
 
●創エネ
「創エネ事業」の中核になるのは、太陽電池と燃料電池であります。2009年からは、世界最高の発電効率を持つ家庭用燃料電池のご提供もスタートいたしました。

●蓄エネ
太陽電池や燃料電池で創り出したエネルギーをムダなく使うために、できた電気を一時的に貯めておく、「家庭用蓄電池」の開発を進めております。
この蓄電池は、これまでノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器向けに展開していたリチウムイオン電池を活用したものであります。
リチウムイオン電池は、家庭用蓄電池以外にも、今後の普及拡大が見込まれるEVや電動二輪車の動力源、新興国でのバックアップ用電源など、くらしに密着した多様な用途への展開が可能であります。

これまで培ってきた技術を活かして、すでに「高容量」、「高信頼性」、「安全性」、などの特長を持った電池モジュールの開発が完了しております。このモジュールの応用展開を進め、エコなくらしに向けて高まる様々なニーズに対応していきたいと考えております。


●エネルギーマネジメント
あらゆる機器をつなぎ、最適な制御を行うことで、より一層、省エネで、快適なくらしを実現してまいります。
パナソニックは、様々な家電製品や住宅設備に加えて、配電網まで手がける企業として、家まるごとをシステムとしてマネジメントし、新たなくらしの形を提案してまいります。

より効率的な、エネルギーマネジメントを実現する技術として期待されるのが、「AC/DCハイブリッド配線システム」であります。安全性の確保など、解決すべき課題はありますが、できるだけ直流を直流のまま活用できる環境をつくり出し、エネルギーロスの削減に貢献してまいりたいと思います。

「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」機器から、住宅設備や建材、そしてエネルギーマネジメントシステムに至るまで、パナソニックの商品を使って、「CO2±ゼロ」のくらしを極めて具体的な形で提案しているのが、「エコアイディアハウス」であります。

 
●エコカーへの貢献
「家まるごとエコ」を支える様々な技術は、エコカーにも展開できるものと考えております。特に、電気自動車では、電気や熱などのエネルギーをいかに効率よく活用するかが、「走る」という基本性能だけではなく、快適性や安全性にも、大きく関わってまいります。
つまり、車においても、家と同じく、創エネ・省エネ・蓄エネ、そして、それらをシステムとしてコントロールするエネルギーマネジメントに関する技術が、今まで以上に重要になってくるわけであります。
ここに挙げた「電動コンプレッサー」などは一例であります。私たちが家電を中心に培ってきた幅広い商品・技術を活かし、エコカーへのエナジーソリューションの提案を進めてまいります。

 
●光触媒技術
「エコなくらし」の最後に、現在研究を進めている新たな「光触媒技術」について、ご紹介いたします。
テーマの1つが、水から水素を生成する光触媒であります。これを、家庭の太陽光パネルに組み込んでおけば、自然の太陽光と水だけで、CO2を発生することなく水素をつくり出し、燃料電池による発電や給湯に使うことが可能になります。

また、CO2をメタノールに変換する光触媒も研究しております。太陽光のエネルギーを活かして、家庭から出るCO2を吸収しながらバイオカーの燃料も生み出すことができる、という技術であります。

こうした先端技術の開発を積み重ねることで、さらなる低炭素社会の実現に貢献してまいりたいと思います。

3.Panasonicの提案~つながるくらし~ビエラにリンク

パナソニックは2006年、はじめて「ビエラにリンク」を提唱し、業界に先駆けて、リンクの楽しさを訴求いたしました。
そしてその後も、HDムービーやデジカメで撮った映像や、「アクトビラ」、「You Tube」などのネットワーク上のコンテンツを、リビングの大画面テレビで見る、そういったくらしを、先頭に立って提案してまいりました。

最近では、この「ビエラにリンク」を一段と拡大し、リビングだけでなく、「キッチン」、「寝室」、さらには 「外出先」など好きな場所で好きなコンテンツを楽しめる環境を提案しております。

●臨場感コミュニケーション
「つながるくらし」の、次なる進化の1つとして取り組んでおりますのが「臨場感コミュニケーション」であります。
すでに、業務用として展開している、「HD映像コミュニケーションシステム」は、インターネットを介して、フルHDの映像とクリアな音声を伝送することで、同じ場所にいるかのような自然なやり取りを可能にしております。

これを今後、家庭用として、展開していきたいと考えております。離れた場所に居る家族が、同じ部屋にいるように会話したり、HDムービーで撮ったプライベート映像や録画した番組を一緒に楽しむことができる、そういう、臨場感溢れる「ビジュアルコミュニケーション」の実現を目指してまいります。

 
●さらなるリアリティの追求
一方では、フルHDを超える究極のリアリティの追求にも取組んでおります。1つは、「FULL HD 3Dシステム」であります。
パナソニックは、撮影、編集、オーサリングから視聴用の機材にいたるまで、フルHDの3D映像づくりに対する、トータルソリューションを行っております。その技術とノウハウを活かして、フルHD 3Dのリアリティを家庭のテレビに持ち込みたいと考えております。

ご家庭で、映画館同様の臨場感を体感できる高画質の3Dテレビの実現は、もうそこまできております。パナソニックは、今後も、業界の先頭に立って、「FULL HD 3Dシステム」の普及に取組んでまいります。

また、フルHDの4倍という、極めて高精細な映像を実現する、「4K2Kプラズマテレビ」の開発も進めております。これも試作機を出展しております。ぜひ、素晴らしい臨場感を実感いただきたいと思います。

パナソニックは、これからも「つながるくらし」を提案し、日常生活の豊かなコミュニケーションを支えてまいります。

4.Panasonicの提案~安心・安全なくらし~家族や家の安心を見守る

現在すでに、当社のセンサーカメラと、テレビ、ブルーレイレコーダー、ドアホン、携帯電話などをつなげていただければ、家中どこからでも、さらには外出先 からでも、気になる場所の様子を確認できるようになっております。

防犯だけでなく、小さなお子様や、遠方に住む高齢のご両親の様子を確認いただくなど、まさに「家族の安心」を見守ることができるシステムであります。
こうしたホームセキュリティーのシステムをさらに進化させるために、新たな監視カメラシステムの開発にも取組んでおります。

ご覧のように、複数の監視カメラの映像を変換して自動合成することで、家の上空からの視点で、死角なく、敷地内を監視することができます。
すでに 車の運転支援用に実用化している技術を応用したものであり、家から、さらに「街の見守り」へと展開することも可能であります。

 
●街の見守り
街の見守りについては、最先端の画像認識技術による、一歩進んだ安全・安心の提供にも取り組んでおります。その1つが「Advanced Video Motion Detector」という、世界最高レベルの人物検知、行動分析技術であります。

最近では、繁華街やテーマパーク全体に数千台規模でセキュリティーカメラを配置するシステムの納入事例が増えており、膨大な映像情報の処理も課題になって おります。
AVMDを当社のカメラと組み合わせますと、カメラ側で分散処理を行い、たくさんの映像情報のなかからでも、瞬時に異常を検知することができます。

すでに実証実験での成果や納入事例も出てきておりますので、事故や犯罪がない理想の社会に向け、少しでも、我々の技術を役立てていきたいと考えておりま す。

 
●健康見守り
ボディエリアネットワーク技術のポイントとなるのが、超小型の貼付センサーであります。体につけていることを忘れるほどの小型・軽量でありながら、様々な センサーデバイスやアンテナ、超省電力の無線回路、さらには体温や振動を使って発電するデバイスを組み込んでおり、電池交換の必要もありません。

このセンサーで、体温や血圧、活動量などを24時間計測し、携帯電話を経由して、社外の健康管理センターなどとデータを共有します。これにより、自分の健 康データを常時監視し、必要に応じて医師からのアドバイスを受けることもできる、というものであります。

このほかにも、日常的に健康を見守る方法はさまざまに考えられると思います。研究開発とともに、社内外から多くのアイディアを集め、新たなソリューション の創出を目指してまいります。

●ライフアシストロボット
「安心・安全なくらし」への貢献としては、家電やFA事業で培ったエレクトロニクス技術、ものづくり技術を、「ロボット」に応用していくことも考えており ます。

我々が目指すロボット事業では、主役はあくまで「人」であります。ロボットは、人が安心・安全、快適に生活するためのサポートに徹するというのが基本コン セプトであります。

「家電」という人々のくらしに密着した商品に携わってきた当社の強みを活かして、これらの課題にも取り組み、業界の先頭に立って、ロボットの研究・開発を 進めてまいります。新しいロボット商品の提案を通じ、安全・安心で、快適な高齢化社会の実現に貢献してまいりたいと思います。

以上、私たちの事業に対する考え方、具体取組みの一端をご紹介させていただきました。パナソニックは、これからも、くらしに役立つアイディアを生み出し、 社会の発展に貢献できる会社であり続けたいと思っております。

引き続き、パナソニックの取組みに、ご理解・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

※1 社名・部門名、商品名等は発信当時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。
※2 全文をパナソニック・ホームページ(http://panasonic.co.jp/company/philosophy/vision/ceatec2009/) より引用。
 

■CEATEC Japan 2009 シャニム特別編集レポート
CONTENTS  1 基調講演/パナソニック(株) 大坪文雄社長
CONTENTS  2 近未来の映像技術・最新「3D」テクノロジーの全容
CONTENTS  3 CEATEC JAPAN 2009/シャニム編集部オススメ・今後のトレンドを占う最新技術

 

 

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