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2009.01.13

「CES2009」現地レポート№7/2009.1.11機中にて

CES (Consumer Electronics Show) International 2009

ces2009-ロゴ

現地レポートNo7
[ 2009.1.11機中にて ]

開催日 :2009/1/8~1/11
開催地 : アメリカ・ラスヴェガス

 

 

 

地上波テレビ局の関係者を直撃!
ウィジェットは地上波の
「敵」か「味方」か

 

 №6で現地レポートを終えたはずだったのですが、帰りの機中で「最後にこれだけは、どうしても伝えたい」という衝動に駆られ、急遽パソコンを開きました。それは、CES 2009が提示したインターネットTVテクノロジーを、地上波テレビ局の人間はどう見ているのか、ということです。

 例えばウィジェット・チャンネルでいえば、従来のテレビ局に相当する役割を担うのはヤフーになります。そして米三大メジャーテレビ局の1つCBSは、1サービス提供会社として画面下の数あるアイコンの中にその名を連ねているに過ぎません。ウィジェット・チャンネルのネットワークの中では、両者の立場は逆転するわけです。

 

ウィジェットにはCBSが参加を表明

△ウィジェットにはCBSが参加を表明しているそうです(左下)。
彼らの今後の動きが、1つの参考になりそうです

 我われ一般ユーザーとしてはどこの会社がテレビ局になろうと、中身が面白ければそれでOKです。しかし、これまでテレビの世界で絶対王者として君臨してきた地上波テレビ局は、インターネットテレビをどう受け止めているのでしょうか。

 実は今回のCES視察ツアーで、某地上波テレビ局経営戦略室に勤めるA氏とお近づきになることができました。お互いに無類のビール好きということもあって、行きのロサンゼルス空港で意気投合し、さっそく上陸記念の祝杯。ラスヴェガスでは昼間の取材こそ別行動でしたが、夜はジョッキを傾けつつ情報交換に励んだり、意見をぶつけ合ったり。お互いテレビに関わりつつも、身をおく業界の違いから、とても新鮮な刺激を受けることができました。それは、こんな感じでした。

「そもそもテレビ屋さんがCESにくるって、珍しいんじゃないの?」

A  「確かに会場で、テレビ局の人には一切会わなかったね。それは僕にいわせれば、視聴者がこれから、どんな情報入手方法に接しようとしているのか、そのことをリサーチする努力に欠けているってことだよ」

「ウィジェットなどのインターネットTVはどう映った? 我われ家電業界からすれば、フルハイビジョンの大画面を生かせるコンテンツの選択肢が増えることは大歓迎。恐縮だけど、君たち地上波テレビ局が十年一日のごとく放送し続けているバラエティやクイズ、ワイドショーだけでは、フルハイビジョン大画面テレビは必要ないからね」

「耳が痛いなあ。けど、否定できない事実だろうね。おそらくウィジェットにしろ、ビエラキャストにしろ、多くの視聴者は歓迎すると思うよ。通信と放送の融合という議論が数年前からあるけど、いよいよ視聴者が実際に選択する時代に近づいてきたという感じがするな」

「そういう時代の中で、地上波テレビ局の役割はどう変わってくるんだい?」

「確実にいえることは、電波という伝送路だけにこだわる時代は終わる。そして、我われはますます視聴者をひきつけるコンテンツ、番組制作で勝負しなければいけなくなるということかな」

「それって放送局ではなく、番組制作プロダクションになるということ?」

「制作プロダクションは数多くあるのだけど、実はテレビ局のブランド力や資金力、技術力などを使わないで、大物タレントなどを使った番組を制作できる会社は限られているんだ。それだけテレビ局の力は、まだ大きい。その力、ブランド力が残っているうちに、視聴者をもっとひきつけられる存在にならなければいけないってことだな。テレビ局は本来持っているモノを作れる強みを最大限に生かさないと」

「番組制作を通じて視聴者から絶対的な信頼がおかれるようになれば、自社の電波で放送しようが、インターネットで配信しようが、関係なくなるね」

A  「そのためにはネットで稼げる新しいビジネスモデルを構築しないと。これは1つの大きな反省なんだけど、我われ民放にとっては、これまでお客様といえば広告クライアントだったんだ。しかし、これからのお客様は視聴者。まずは視聴者に喜んでいただくこと。それが結果としてクライアントにも喜んでいただくことになるし、新たなビジネスモデルにもつながると思う」

「番組制作力の強化が広告ビジネスの強化にもつながるわけだね」

「我われからすればウィジェットでもユー チューブでも、要は電波と同じ伝送路・メディアの1つでしかないんだよ。どの伝送路を使おうが、結局は視聴者をひきつけたヤツが勝つ。電波だけにこだわっ ている時代じゃない。視聴者をひきつける番組制作を、最大目的とする体制に一刻も早くしシフトしなければいけない。そのことを今回のCESで強く感じた よ。帰国したら上に、さっそくそういうレポートをあげてみるつもりさ」

「勝算は?」

「正直、今の経営陣にはそこまでドラスティックには考えられないんじゃないかな。でも、地上波テレビ業界でも、必ず新 しいビジネスモデルが出てくる。そうしない限り、生き残れないからね」

 A氏のレポートはどういう結末を迎えるのでしょう か。そして、地上波テレビ局はこれからどう変わってくるのでしょうか。まずは、こうご期待といったところですね。

  

 
CES 公式サイト http://cesweb.org/
CES 公式日本語サイト http://biz.knt.co.jp/pm/ces/

 

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