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2009.02.20

World Report「2009 International CES」 近未来のデジタル家電が集結/Part1

「CES2009」現地取材レポート

World Report「2009 International CES」
近未来のデジタル家電が集結
世界最大の家電見本市「CES」

開催地:米国ネバダ州ラスベガス
開催日:2009.1.8〜1.11

 

PART1|メーカーブースの見所

3D映像時代の到来まで秒読み?
さらに進化した省エネ技術!!

パナソニック
3D映像の普及に本腰

薄さ8.8mmを実現した究極(!?)のプラズマディスプレイ(パナソニック)

パナソニックで大きく目をひいたのは「世界初のフルハイビジョン3D HD映像特設シアター」や「超薄型ディスプレイのプロトタイプ」など。
 3Dについては、各社が試写に力を入れていたが、中でも熱が入っていたのがパナソニックである。103V型プラズマを設置し、30人ほどが入れる特設シアターを2つ用意。連日、入場整理券がなかなか入手できない人気ぶりだった。

 放映された3Dコンテンツは北京オリンピックの熱戦や、ディズニーの新作アニメなどを組み合わせたもの。オリンピック映像では、選手が手前に迫る迫力もさることながら、巨大なスタジアムの観客席が、本当に奥まって見えるリアルな立体感が印象的だった。「製品化までそれほど遠くはない」とのことだけに、パナソニックの発表が待たれるところだ。

 超薄型のプロトタイプでも「プラズマがここまで進化した」ということをはっきりと見せつけてくれた。
 まず「高画質・超薄型50V型フルハイビジョンPDP」は世界最薄の厚さ8.8mmを実現。超薄型で先行する液晶ディスプレイに「待った」をかける形となった。フルハイビジョン画質で、しかもパナソニックがこだわる動画解像度でも世界最高の1080本を実現している。

 その一方で省エネ性も高めており「高効率42V型PDP」は、従来モデル比で1/3の消費電力を実現。これは発光効率を従来比3倍に高める新技術の開発によるものだ。省エネについては液晶でも取り組んでおり、発表された「高画質・高効率37V型フルハイビジョン液晶」は、年間消費電力量がわずか90kWh/年という省エネ性能であった。

省エネ技術の訴求も積極的に行なわれていた(パナソニック)世界最大150V型プラズマ等を使いニュースショー形式のイベントを展開(パナソニック)

 

△写真
左:省エネ技術の訴求も積極的に行なわれていた(パナソニック)
右:世界最大150V型プラズマ等を使いニュースショー形式のイベントを展開(パナソニック)

東  芝
「Cell TV」年内に米国で発売

画質のみならず多くの可能性を秘めたCell TV(東芝)

2倍速液晶はもはや当たり前に。時代は4倍速へとシフトしてきた(東芝)

 

△写真
左:画質のみならず多くの可能性を秘めたCell TV(東芝)
右:2倍速液晶はもはや当たり前に。時代は4倍速へとシフトしてきた(東芝)

 東芝ブースのプロトタイプの目玉はウィジェット・チャンネルに対応した「インターネットTV&レコーダー」と「Cell TV」だ。インターネットTVについてはPART2で解説するとして、ここではCell TVについて見てみよう。

 Cellとは東芝がソニーやIBMと共同開発したマイクロプロセッサー「Cell Broadband Engine」のこと。その特徴は「マルチタスク・リアルタイム処理」(複数のコンテンツやデータを同時に処理する)が可能なこと。東芝はこのプロセッサーをテレビに応用し、さらなる高画質なテレビを実現している。

 今回のプロトタイプでは、1920×1080(約200万画素)のフルハイビジョン映像を、Cellの超解像技術でアップコンバート処理した上で(Cell ON)、より高画質な「4K×2K」パネルで表示するデモンストレーションを行なっていた。4K×2Kとはフルハイビジョンの4倍以上の約830万画素(3840×2160)だ。

 画質比較として、同じパネルでCellを使わないアップコンバート処理(Cell off)をしたフルハイビジョン映像を流していたが、その差は明らか。Cell ONの場合、かなり細やかなディティールを再現可能だ。
 これまでフルハイビジョンといえば高画質の代名詞だったが、Cellがこの常識を覆しつつあることを認識させる展示であった。
 

今年、日米でも急速に普及しそうなインターネット対応テレビ(東芝)

 他に、通常のフルハイビジョン液晶パネルと組み合わせたCell TVも展示された。こちらは年内にも米国で発売を開始するもようだ。詳細なスペックはまだ明らかにされていないが、エリア制御機能付きLEDバックライトを装備し、コントラストは最大で100万:1にまで達するという。

 LEDのエリア制御自体はすでに市販モデルに搭載されているが、Cellのエリア制御は、より自然な色再現が可能とのこと。市販が待ち遠しいモデルである。

[ 写真 ]今年、日米でも急速に普及しそうなインターネット対応テレビ(東芝)

サムスン
テレビ技術をフルライン展示

チューナー内蔵で厚さ38mmのプラズマテレビ(サムスン)

 ブースの大きさで一際目立っていたのがサムスンだ。同社は日本でこそ、まだブレイクしていないものの、北米では紛れもないトップブランド。今回のCESでは、そのことをまざまざと見せつける展示を行なった。

 まず超薄型テレビとしては、液晶で最薄部が6.5mmのプロトタイプを展示。サイズは55V型、46V型、40V型の3種類。いずれもフルハイビジョン・パネルで、チューナーを内蔵しており、LEDバックライトを採用している。

 また、超薄型液晶テレビのすぐ隣では、有機ELテレビを展示。サイズはソニーを上回る31V型と14V型の2種類で、有機ELの大画面化が着実に進んでいることをアピールした。

 一方、プラズマテレビでも超薄型のプロトタイプを展示した。こちらは58V型と50V型の2種類。厚さは58V型が1.5インチ(約38mm)、50V型が1.1インチ(約28mm)と、前述したパナソニックほどのインパクトはないが、チューナーを内蔵している点では、よりテレビ的なモデルといえる。
 

順番待ちの列が途切れなかった3Dのデモコーナー(サムスン)

 この他、3Dやインターネット対応テレビ、4倍速液晶などのデモも行なっていた。サムスンは現段階で注目されるテレビ・デバイスや最新技術の、ほぼすべてに関わっているという点で、世界のトップメーカーとしての実力を見せつけたといえる。

 同じく韓国メーカーのLG電子も、3Dの液晶テレビやプラズマテレビをはじめとして、インターネット対応テレビや4倍速液晶テレビなどの最新技術を展示。勢いに乗りつつあることをアピールしていた。

[ 写真 ] 順番待ちの列が途切れなかった3Dのデモコーナー(サムスン)

ソニー
新型ブラビアで40%省エネを実現

 初日の基調講演でハワード・ストリンガーCEOが「CES Seven」を発表したソニー。同社のプロトタイプはやや地味な印象。すでに9.9mmの超薄型液晶テレビを市販しているだけに、他社の超薄型競争を尻目に、今回は「有機ELディスプレイ」や「3Dテレビ」「色素増感太陽電池」などを展示した。

 3D映像では、CES期間中に開催された全米大学アメリカンフットボールのチャンピオンシップの模様を、3Dライブ中継する試みが実施された。また、プレイステーションと組み合わせた3Dゲームのデモには、多くの観客が列をなしていた。

プレイステーションとの組み合わせが楽しみな3Dシステム(ソニー)

△プレイステーションとの組み合わせが楽しみな3Dシステム(ソニー)

 もともとソニーは映画などで3D映像に長く関わってきているだけに、家庭向けの3Dシステムでも、すでに万全の用意ができているとのこと。ゲーム コンテンツなどは3D化を視野にした開発が早くからなされているという。その意味では市販は、もはや秒読み段階といえるようだ。

 しかし ながら、3Dコンテンツをパッケージ化するためのブルーレイの規格化がまだ決定していない。ストリンガーCEOが語った「互換性のない自己完結システムは 作らない」を前提とするならば、今は規格の正式決定待ちといった状況なのだろう。

 ブルーレイの3D映像の規格化は、早くても今年後半と いわれているだけに、製品化は10年以降ということになりそうだ。
 製品化が待たれる“曲がる”有機ELディスプレイ(ソニー)

 また、有機ELディスプレイでは「曲がる有機ELディスプレイ」が初 登場した。展示機では映像が再生されていなかったため、どういったコンテンツが楽しめるかは不明だが、この技術からソニーらしい新たな製品が生まれること を期待したい。

 さらにブースでは、北米に向けて新発売するニューモデルを多数展示していた。その1つ、VE5シリーズ(52V型、 46V型、40V型)は、バックライトに独自のHCFL(熱陰極蛍光管)を採用し、消費電力を従来比40%もカットした超省エネ型の液晶テレビである。

  HCFLは一般的なバックライトのCCFL(冷陰極蛍光管)よりも高輝度という特性がある。この特性を活かし、輝度をCCFLと同等に抑え、その分、消費 電力をカットするという方向に用いたわけだ。しかも、人感センサーにより、テレビの前から人がいなくなると一定時間後にテレビをオフにする機能などを備え ている。オバマ新大統領の就任で、米国でも環境問題に関する意識が高まるといわれる。そうした気運を見越したニューモデルといえるだろう。

[ 写真 ] 製品化が待たれる“曲がる”有機ELディスプレイ(ソニー)

シャープ
派手な色再現の北米向けAQUOS

 シャープのブースもこれとい うプロトタイプの展示がなく、北米向け新製品を主体とした展示だった。北米向けの主力モデルはE77シリーズ(65V型、52V型、46V型、40V型) とE67シリーズ(40V型、32V型)だ。

 両シリーズの特徴は、AQUOSとして初めてスーパールーセントパネルを採用したこと。こ れは光の透過率が高く、コントラストがアップ、派手な色再現が可能だ。しかし、ディスプレイへの外光の写り込みが少なくないという側面があり、これまでは AQUOSに採用されていなかった。

 だが、「米国人は多少の写り込みよりも、よりはっきりとした派手な色再現を好む」という調査結果の もと、採用に踏み切ったという。日本市場では派手な色再現よりも、より自然な色再現へのニーズが高く、同パネルが採用される可能性は低そうだ。同じ AQUOSブランドの液晶テレビながら、今後は国による嗜好の違いにきめ細かく対応する製品開発が活発化しそうだ。

 実際、北米向け新製 品として発表したブルーレイ内蔵AQUOSも、搭載するブルーレイは日本とは異なりプレイヤーである(日本はレコーダー)。これはケーブル視聴が多数を占 める米国では、セットトップボックスがHDDレコーダーを内蔵しているケースが多いからだ。

 日米の嗜好や生活環境の違いは、製品開発で もさまざまな形となって製品に表れてくるわけである。

米国向けテレビでは派手な色再現の光沢型ディスプレイが主流だ(シャープ)フォトプレイヤーと組み合わせた大画面の静止画鑑賞提案(シャープ)

 

△写真
左:米国向けテレビでは派手な色再現の 光沢型ディスプレイが主流だ(シャープ)
右:フォトプレイヤーと組み合わせた大画面の静止画鑑賞提案(シャープ)

 

 

エクシリムを使ったブロンドギャルの撮影会(カシオ)薄型テレビの自由な設置スタイルは米国人にどう受け止められたのだろうか(日立)日米を問わずに人気のデジタル一眼レフカメラ(キヤノン)

 

 △写真
左:エクシリムを使ったブロンドギャル の撮影会(カシオ)
中央:薄型テレビの自由な設置スタイルは米国人にどう受け止められたのだろうか(日立)
右:日米を問わずに人気のデジ タル一眼レフカメラ(キヤノン)

 

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