2010.02.15
2つの課題を持つ「直管型LED照明」
LED電球のメーカー取材をしていて、いつも聞くことは直管型蛍光灯の代替照明としての「直管型LED照明」についてです。
正直なところ、大手家電メーカー各社は一様に「導入は時期尚早」と口を揃え、現段階で大手はどこも発売していません。
一部に直管型に似たLED照明も発売してはいますが、これらはすべてLED専用の照明器具と一体化したものばかり。ランプだけの単体ではありません。
LED電球は各社が発売していますが、直管型はなぜ発売しないのか。
その理由は大きく「安全性の問題」と「効率性の問題」の2点です。
まず、安全性ですが、構造がシンプルな白熱電球用照明器具と違って、直管型蛍光灯照明器具には、インバーター方式やラピッドスターター方式、グロースターター方式などさまざまなタイプが存在しています。
これらの方式すべてを満足させるLED照明を製造するのは、現段階では簡単なことではないというのです。照明器具との相性によっては、「火花を発する可能性も否定できない」とのことでした。
しかも、ガラスを用いていないLED照明は樹脂などを利用していますが、これが長期間の使用により、熱収縮をおこして変形する可能性もあるそうです。
変形がひどい場合は、LED照明が器具からはずれて落下する危険性も否定できないというから、聞き捨てならないといえるでしょう。
電球型にしろ直管型にしろ、どこのメーカーも実際に4万時間の点灯実験を行なってはいないだけに(というか不可能)、リスクを残したままの商品は販売できないというわけです。
さらにもう1つ「効率性の問題」も、大手メーカーが直管型LED照明を販売しない理由の1つ。
最新のHF蛍光ランプだと、消費効率は100lm/w以上あり、寿命も1万2000時間ほど。経済性と明るさが、ともに非常に優れた照明ということができます。
ところがLED照明の場合、発光するLEDチップ単体でも100~110lm/W程度。これを直管型照明に加工し、照明器具に装着する過程で、明るさはどんどんロスしてしまい、最終的には70~75lm/wというのが現在の実力です。
「このレベルでは省エネを謳い文句にした買い換え提案は、とてもできない」と某大手メーカーの関係者。
この関係者は「150lmクラスのLEDチップが出てくれば、HF蛍光ランプの効率性を上回ることが可能」だといい、「商品化はそれを待ってから」とのことでした。
直管型LED照明を発売しているメーカーに話しを聞くと、「大手は現状で蛍光灯ビジネスを展開中であり、すぐにLEDを始められないから、そういう誹謗が出てくる。少なくともうちのLED照明は安全性、効率性とも問題ない」と反論します。
確かに大手が直管型LEDを販売しない理由の1つには、既存の蛍光灯ビジネスとの兼ね合いがあることは確かでしょう。
しかし、それだったら直管型LEDを販売しているメーカーは、その安全性や効率性をもっと分かりやすく、客観的に提示するべきでしょう。そこが、まだ非常に弱い!
直管型照明もいずれLEDに置き換わることは確かでしょう。しかし、今の段階ではまだ課題が多すぎるように感じます。
これを誰の目にも明らかなようにクリアしてからが、本格普及の始まりだと思います。
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