商品研究商品研究2 ビジネスプリンター

概要

生産性向上、効率化、コスト削減は
最新モデルの“ここ”を確認しよう!
  • ニーズを明確にして性能や機能をチェックすることが重要
  • 生産性は大量出力か多頻度少量出力かで確認するスペックが異なる
  • 効率化ではユーザビリティと両面同時スキャンが注目
  • 総じて省電力能力が高い最新モデル

複合機やプリンターをオフィスなどに導入する際、何を基準にモデルを選んでいるだろうか。対応用紙サイズはもちろんだが、「生産性を向上させたい」「作業を効率化したい」「コストを削減したい」など、要望は様々に違いない。

だが、例えば「生産性を上げたいので出力スピードの速い機種」といったように単純に選んではいないだろうか。大事なポイントは、大量印刷をスピーディーに行いたいのか、1枚目を素早く出力したいのかといった具合に、“何の生産性を向上させたいか”を明確にすることである。

そこで、今回は①生産性、②作業効率化、③コスト削減の視点から具体的にどうモデル選びを考えていけばよいかを解説していこう。

2種類の生産性をチェック

まず、①生産性とはプリントやコピー速度であり、スキャンの読み取りスピードなどだ

前述したように、生産性には大量枚数を出力する場合と1〜数枚程度をアウトプットする場合の大きく2つのシーンが考えられる。何十枚もの資料を印刷する時に求められる性能は1分間当たりの連続出力枚数だ。カタログなどでPPM(*1)表記されているスペックである。

当然、この数値が大きいほど大量アウトプット時の生産性は高い。ビジネスインクジェット機では、ipm(image per minute)と連続印刷速度が表記されているケースが多く、これは国際標準化機構(ISO)で定められた条件に基づく1分間の出力枚数だ。PPMはメーカー条件による算出値である。いずれも最速値で、使用しているPCやソフト環境、コンテンツなどにより出力速度は左右される。

連続出力が速いにこしたことはないが、少数のドキュメント出力時の生産性をアップさせたい場合にチェックしたいスペックが、ファーストプリント(またはコピー)タイムだ。

ファーストプリントタイムとは、印刷指示をかけてから1枚目が排出されるまでに要する時間のこと。短いほど1枚目が素早く印刷されるので待ちのストレスがない。同じく、ファーストコピータイムは1枚目のコピーにかかる時間である。

ただし、ファーストプリントタイムはすぐに印刷可能な待機状態からの出力時間だ。最近は節電のため、頻繁にスリープモードに設定しておく使い方が増えているだけに、1枚目の出力時間はウォームアップタイムを加味することがポイントといえる。

ウォームアップタイムは、節電状態から出力できる状態へ復帰するまでに要する時間のこと(*2)。印刷やコピーでは、定着器により用紙へトナーを固着させる工程が必要となるが、スリープモードでは定着器が加熱されていない。このため、定着器を温めて出力できる状態にするウォームアップが必要なわけだ。

つまり、節電状態から1枚目の印刷が完了するまでの速さは、ファーストプリントタイムにウォームアップタイムを加算した時間となる。例えばウォームアップタイム15秒で、ファーストプリントタイムが8秒というスペックなら、最初の1枚を約23秒でプリントアウトできる計算である。

カラー出力を見た場合、最新モデルでは速い機種で20秒台半ばから、少し時間がかかる機種で40秒弱まで様々だ。

1枚目の出力が速ければ連続印刷が多少遅くともトータルの生産性は高くなる。逆に、最初の1枚に少々時間がかかっても圧倒的に連続出力が速ければ何十枚というドキュメントをプリントする場合には有利だ。大量出力か多頻度少量出力か、ニーズを明確にしてモデルを選びたい。

注目の両面同時スキャン

次に、②作業効率化とは手間や工程削減により作業スピードを速めること。この意味では、前述の生産性アップにもつながっていく。最新モデルを効率化の視点で見た場合、注目はユーザビリティの向上と複合機の両面同時スキャン(RADF)だ。

リプレイス時期を迎えている5年以上前に発売されたモデルと最新機を比較すると、ユーザーインターフェース(操作性)に大きな違いがある。従来機では設定変更の際、何度もボタン操作やメニュー選択を繰り返して階層深く入っていくタイプが多い。さらに操作パネルも画面が小さいなど、ユーザビリティは決してよいといえなかった。

これが、最新モデルではショートカットキーやワンタッチボタンなどが搭載され、例えば「節電ボタン」といった使うことの多い機能は、ワンボタンで設定変更が可能なモデルが増えている。操作ナビゲーションを行う大型液晶パネルを搭載するモデルが多く、漢字やアニメーション表示が可能なタイプなどもある。

最新モデルは総じてユーザビリティが向上しており、店頭でボタンに触れてみるなど直に体感して好みで選んでほしい。

また、最近は表裏印刷のビジネス資料を目にする機会が多くなった。これをコピーや電子化する場合、フラッドヘッド側で片面ずつ裏返しながら作業しなければならない。だが、両面同時スキャン搭載機なら一度の用紙走行で資料の表裏を同時に読み取れるので、複合機に付きっきりで作業せずに済む。

両面資料をコピーする機会が多い場合や、本格的に紙文書の電子化に取り組んでいるオフィスではRADF搭載モデルは選択肢の上位に位置づけたい。加えて、最新機種は利便性の高い「スキャンto」機能が充実。ドキュメント電子化の効率アップを重視するなら、これらもチェックするとよいだろう。

一方、③コスト削減にも様々な視点がある。出力1枚当たりのランニングコストや用紙消費量の削減、電力カットなどだ。ランニングコストは基本的にトナーやインク価格に左右され、大容量タイプほど割安で1枚当たりの印刷コストは下がる。これを重視するなら、大容量を装着できるタイプを選ぶことだ。印刷ボリュームにより、容量を使い分けられるモデルを選ぶのも1つの考え方である。

用紙消費量を削減したい場合の確認ポイントは、自動両面印刷やページレイアウト(割付印刷)機能だ。複数ページを1枚に集約できる割付印刷は、機種によりまとめられるページ数が異なる。読みづらくなっては意味ないが、用紙消費量を抑えたいなら集約可能枚数が多い機種を選ぶとよいだろう。

消費電力の削減では、複合機やプリンターはジョブ待ちの時間が多いだけに、スリープ時や待機時の電力消費が小さいモデルを選ぶことが欠かせない。この点、前述のユーザビリティと同じく最新機は飛躍的に省電力性能が向上しており、リプレイスするだけで恩恵に与れるはずだ。

ただし、省エネ能力が優れていても生産性にストレスを感じては意味がない。前述のウォームアップタイムとのバランスを考えることがポイントである。

(*1)paper per minute、またはpage per minute
(*2)ウォームアップタイムはスリープからの復帰時間と、電源ONから出力可能状態となるまでの時間の2通りがある

ニーズ 明確化したニーズ
チェック機能
生産性 大量ドキュメントの印刷やコピー 毎分の連続印刷の出力速度
少量ドキュメントの多頻度印刷やコピー ファーストプリント(またはコピー)タイムと、スリープ状態からの出力ではウォームアップタイムも加味して判断する
効率化 操作性や使いやすさ ワンボタン操作やショートカットキーなどのユーザビリティを意識した機能の搭載を確認する
工程数の削減 両面同時スキャンの搭載や、「スキャンto」機能の充実度などを確認してみる
コスト削減 ランニングコスト削減 トナー価格に左右されるので、大容量トナーを使えるかどうかを確認してみる
用紙消費量の削減 自動両面印刷や、ページレイアウト機能の最大割付可能枚数などをチェックする
消費電力の削減 待機時やスリープモード時の消費電力を確認する。また、実使用環境に近い省エネ指標TEC値も参考になる