商品研究商品研究3 プロジェクター

概要

光源システムの種類と特徴を理解
用途に合わせて賢くモデルを選択

  • データプロジェクターの光源システムは4タイプ
  • 低価格機でも 高輝度が魅力の水銀ランプ搭載プロジェクター
  • 省エネ&コンパクトなLED機は少人数用途に好適
  • レーザー応用タイプは高輝度と省エネ性の両立がメリット

データプロジェクターは採用されている光源システムで分類すると、大きく「水銀ランプ」「LED」「レーザー&LEDハイブリッド型」「レーザー」の4種類がある。

高輝度が魅力の水銀ランプ

このうち、最も一般的な光源として多くのモデルで使われているタイプが「水銀ランプ」であることは周知の通り。そのメリットは高輝度化しやすいことと、長くプロジェクターで使われてきた確立した光源システムだけに本体コストを抑えやすいこと。

実際、水銀ランプ搭載機では低価格機でも3000lm前後、スタンダードクラスともなれば4000lmの高輝度モデルもラインアップされている。

最近は学校をはじめとして、採光環境に優れた明るい場所でのプロジェクター活用ニーズが高く、そうした用途では水銀ランプによる高輝度モデルが適している。

ただし、市場で指摘されているように、水銀ランプは経年劣化が他の方式に比べて早く、光源寿命は2500時間から5000時間程度。この時期が来れば、ランプ交換することが必要だ。一般的に光源寿命は輝度が半減するレベルとして定義されており、ある程度の投写画質を保ちたいとなれば交換サイクルはもう少し短くなる。

交換ランプの価格は数万円ほどである。プロジェクターの利用機会が多く使う時間が長いほど、交換頻度も増え、コストと手間がかかることがデメリットだ。

また、水銀を使用した製品を規制する「水俣条約(水銀に関する水俣条約)」が採択されているが、特殊用途ランプは規制対象外で、プロジェクターもここに含まれる。とはいえ、「環境負荷軽減への意識が高まる中では水銀から自然に優しい方式へ移行していくことは十分考えられる」(メーカー関係者)。今後の動向を注視しておく必要はあるだろう。

省エネ&コンパクトなLED機

長寿命と省エネ性で注目されているのが、光源システムにLEDを採用したプロジェクターだ。光源寿命は1万~2万時間程度と水銀ランプの約4倍。その分、ランプ交換のコストや手間を削減することができる。

LEDは、発色などの色の再現性がよいともいわれている。基本的に輝度が高いと発色も鮮やかになるが、LEDは輝度が低くとも、しっかりとした色再現が可能。「画面の明るさは異なるが、色再現の視点では1000lmのLEDと2600lm前後の水銀ランプが、ほぼ同等」(メーカー技術者)という。

また、LEDは省エネ性に優れることはいうまでもない。ランプ内の水銀をヒーターで蒸発させてガス化して放電発光する水銀ランプと違い、LEDはあまり電力を消費しない。ランプの発熱も少ないので、プロジェクター本体を小型軽量化することが可能だ。

デメリットは、ラインアップの多くで低輝度が主流であること。LED方式をけん引するNECでも1000lm機が最大だ。とはいえ、室内を暗くして利用するには申し分なく、照明を落としたり外光を遮ったりすることが難しい場合でも、投写サイズを40型程度に抑えれば実用上は問題ない。数人程度の打ち合わせやプレゼンテーションといった用途に向く。

レーザー応用タイプ

輝度を出しにくいというLEDのデメリットを補い、省エネと高輝度を両立したタイプが「レーザー&LEDハイブリッド型」である。これは、カシオが開発した独自光源技術だ。

同光源システムは、青色と赤色に高輝度LED、緑色にレーザー光(青色レーザー光を蛍光体で変換)を利用することで、RGBの3原色を構成。これにより、3000lm前後の高輝度を実現しながら、LEDと同等の2万時間の長寿命光源と低消費電力が実現されている。

一方、最も新しい技術として登場したのが「レーザー」だ。光源ランプにレーザー光を利用したもので、やはり高輝度と省エネ性の両立を特長とする。同技術では、2013年夏にソニーが初の製品化。輝度4000lmで光源寿命2万時間というスペックを持つ。

光源ランプにレーザーを応用したプロジェクターは、新しい技術だけに価格の高さがネックといえる。