導入事例導入事例 「テレビ会議」&「監視カメラ」 UAゼンセン

少ない資金でも工夫次第!
『半歩 』先行くシステム構築法
  • 本館の設備を増強。加盟企業にとっての参考事例となるシステム構築を目指す
  • 92インチマルチモニターを基軸としたテレビ会議システムを下準備
  • 監視カメラシステムには、IP回線を用いた低コスト「NVR」方式を採用
  • セキュリティの基本は「仲間にはハードルが低く、部外者にはハードルを高く」

「ITやセキュリティは今や、企業にとって不可欠のシステム。ただし、そのための潤沢な資金を持つ法人は限られている。我われとしては本館の設備増強を通じて『少ない資金でも、工夫すればここまでできる』という参考事例を示したかった」

こう語るのはUAゼンセンの常任中央執行役員・谷津正信総務局長だ。

UAゼンセンは2012年11月に「原点を見つめ、未来を拓こう! UAゼンセン」をスローガンに、UIゼンセン同盟とサービス・流通連合が統合して誕生した産業別組織だ。

繊維・衣料、医薬・化粧品をはじめ、食品、流通、派遣業・業務請負業など、国民生活に関連する産業の労働者が結集して組織した産業別労働組合であり、加盟組合数2449、組合員数157万人(2015年9月現在)を擁する国内最大の産業別労働組合である。

そしてこの夏、UAゼンセンは都内千代田区の本館について、設備増強を行った。具体的にはテレビ会議システムの下準備及びセキュリティシステムの強化である。

まずテレビ会議システムの下準備だが、これはヤマダ電機法人営業部の坂戸営業所が「会議室向け総合AVシステム」として提案したもの。「NEC製92インチマルチモニター(46インチx4面)」を基軸としたシステム構成となっており、「4K対応HDMI分配器」との組み合わせにより、1枚の92インチモニターとして4K映像を映し出すことができる。

最新のテレビ会議システム

NEC製モニターはウルトラナローベゼル(狭小枠組み)を大きな特徴としており、モニター間の継ぎ目幅はわずか5.7mm。画面の継ぎ目を感じさせないシームレスで自然なスクリーン表示が可能となっている。

しかもパナソニック製「ブルーレイレコーダー」を組み合わせており、通常のテレビ放送の視聴(最大6局)や4K動画の保存などが可能である。

さらには、パナソニック製「ハイビジョンテレビ会議システム」を装備し、4地点でのテレビ会議に対応。会議や研修などの大幅な効率アップが実現する。

またパナソニックの専用ネットワークサービス「つながるねっと」を活用することで、モバイル端末やパソコンなどとの接続にも対応。会議室と外出先や出先などとを結んだビジュアルコミュニケーションが簡単に実現する。

坂戸営業所によれば「もともとのリクエストは、100インチ大型モニターだった」とのこと。「しかし導入コストが大幅アップすることから断念。代替案として92インチマルチモニターを提案したところ、使い勝手は変わらずに、コストを大幅カットできるということで決定い ただいた」と話す。ヤマダ電機は「ハードの物販」とのイメージが強いが、今回のTV会議システムはソリューションを全面に押し出したもの。従来の量販店の枠を大きく超えた『質販 』とも呼べる提 案といえよう。

UAゼンセンでは同システムの導入に当たって、地下の倉庫を会議室へと改装し、今後、本格的な情報発信基地としてフル活用する計画だ。

当面は組合員の各種教育プログラムを充実させるとのこと。従来は集合教育が主体であったために、時間や交通費などの負担が小さくなかった。だが、テレビ会議システムを活用することでコスト負担を大幅にカットすることができ、開催頻度のアップも可能となる。

谷津総務局長は「全国47都道府県にある支部や、支所と本部とのコミュニケーションをさらに活発化するためには、ITの力を活用せざるを得ない」といい、「今回の設備増強は、このことを念頭にしたプロジェクト。我われにとって最も有効なシステムとは、どうあるべきか。これを徹底検証しながら、その一方でイニシャルコストを睨みつつ、最終的に最適な会議システムを導入したいと思う」と話している。

IP回線を用いた監視システム

今回の設備増強では、セキュリティシステム強化の一環として「デジタル映像監視システム」も導入した。

セキュリティの導入に関する基本コンセプトを「仲間(職員や組合員、関係者等)にとってはハードルが低く、部外者にとってはハードルを高く」と定義する谷津総務局長に向けた、ヤマダ電機の提案は、NVR(ネットワーク・ビデオ・レコーダー)「NetBan GIP」を基軸とした監視カメラシステムである。

NVRは、これまで主流だったDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)に変わる新たな監視録画装置として注目されている。DVRはアナログ監視カメラの映像をハードディスクに録画するが、NVRはIPカメラのデジタル映像をLAN経由でハードディスクに録画するという点で、大きく異なっている。

特に配線の簡素化が著しくDVRでは個々のカメラ毎に同軸ケーブルでの接続が必要だが、NVRの接続は基本的に1本のLANケーブルのみ。監視カメラから録画装置までの回線にIPネットワークを利用するため、非常に簡素化した配線が可能であり、施工コストも大きくダウンできる。

その上、本館の監視映像の、遠隔地からのライブモニタリングが可能というメリットもある。

画質についても、DVRはアナログカメラの伝達情報をデジタル情報に変換するため、画質の劣化が避けられず不鮮明になりがちだ。だが、NVRはIPカメラで処理された情報をIPネットワーク経由で伝送するため、画質の劣化が少なく、鮮明な画像が得られやすいという特質がある。

「組織が大きくなり、いろいろな方が出入りするようになってきている。マイナンバー制度の始まりもあって、個人情報や部外秘情報等を扱う部屋には、従来から暗証番号式のロック付きドアを導入している。

だが、それ以外の建物内部についても、一定レベルのセキュリティが必要、との判断から監視カメラシステムを導入することとなった。お客様に過度の負担を強いたり、不快な思いをさせることなく、さりげなく着実に監視できるシステムを目指している」(谷津総務局長)

セキュリティについては、まだやり残している部分も多く、徐々に拡充する計画とのこと。その際も「少ない資金でも、工夫次第でここまでできる」とのコンセプトは変わらない。これは多くの加盟企業にとって、システム導入時の明確な参考事例となるはずだ。