ヤマダ電機「中国」最新レポート“爆買い”ブーム後の新中国ビジネスにチャレンジ!
店舗と連動、独自の「越境EC」を本格スタートへ!!

越境ECの仕組みとは!?

一時は国内需要の救世主扱いされていた、中国人観光客による“爆買い”。そのブームが去って久しい。大きな要因の一つが2016年4月に実施された中国政府による税制変更だ。

新たな制度では、中国国内に設置された保税区内の企業が輸入し、保税区内の倉庫から顧客宅へ直送する商品は、限度額までは関税がゼロとなる。増値税(消費税)なども通常輸入の7割程度となり、商品によっては中国国内の店頭価格の3~4割程度で購入可能だという。

いわゆる「越境EC」である。この制度の始まりで、中国人観光客はわざわざ旅先で、爆買いをする必要がなくなったわけである。

この新たな制度に目を付けた日本企業が、越境ECを利用したネット通販事業に相次いで参入。アリババ集団をはじめとした中国の有力ECモールでは今や、さまざまな日本製品が販売されており大盛況となっている。

越境ECの2016年需要予測は9月28日付日本経済新聞によれば、前年比133%の1兆2000億元(約18兆2400億円)とのこと。中国経済の失速がさまざまに報道される中で、越境ECは数少ない着実な成長市場といえそうである。

瀋陽店に体験店「日本館」をオープン!

この流れを中国瀋陽に店舗を構えるヤマダ電機が見逃すはずはない。この8月、瀋陽店を基盤とした独自の越境ECビジネスを本格スタートした。

具体的には中国の有力ECサイト「NEXT tmall」を運営する又一猫社と協業。同サイト内にヤマダ電機のECサイトを展開し、中国で人気のある日本製品を各種販売。商品は保税区内の又一猫の倉庫に保管し、顧客への直送もここから行う。

ただし、ここまでの流れであれば、数多ある越境ECビジネスモデルと同様だ。ヤマダ電機の越境ECは、ここにひと捻りを加えた独自のビジネスモデルが特徴となっている。瀋陽店の地下にWEBと連動したECサイト“ジャパン”ショップ「日本館」をオープンしたのである。

同館はECサイトでの販売商品を実際に展示。商品の質感の確認や試用などが可能な、ECサイトの「体験店」と位置づけられている。

中国のECサイトは今、玉石混淆といえる状態で、中には扱い商品の質感や真偽などに不信感を抱かせるようなサイトも少なくないとされる。ヤマダ電機の試みは、そうした不信感を払拭し、安心して越境ECを楽しんでもらおうというもの。店内のタブレットPCを使って購入すること可能だ(購入した商品は保税区の倉庫からの直送される)。

中国における日本製品のニーズは相変わらず根強い。それだけに、日本企業であるヤマダ電機の、中国国内を基盤として日本製品を供給する新たな越境EC展開は注目できるだろう。さらには、店舗連動型の新たなECビジネスモデルとしても、その成否は見過ごせないものといえそうである。(征矢野毅彦)

中国で絶大なる人気の日本製オムツも大量展示。
中国で絶大なる人気の日本製オムツも大量展示。

 

店内に設置されたタブレットからも購入可能。
店内に設置されたタブレットからも購入可能。