業務用ドキュメントスキャナー/「新商品発表会」レポート毎分140枚、積載枚数最大750枚
重送や斜行の検知・解消精度が向上

パナソニックは、A3原稿サイズの高速読み取りが可能な業務向けドキュメントスキャナー「KV-S8147」と「KV-S8127」を開発。2016年11月21日から発売する予定だ。大量の文書入力が求められる銀行や自治体などを主なターゲットに、3年間でKV-S8147は240台、KV-S8127は500台の国内販売を目指すという。

●業務用A3高速・高精度ドキュメントスキャナー「KV-S8147」
●業務用A3高速・高精度ドキュメントスキャナー「KV-S8147」

新製品を開発した背景について、パナソニック システムネットワークスのオフィスプロダクツ事業部・ハード開発総括の上村賢一氏は次のように語った。

「電子帳簿保存法などの法改正により、紙文書の電子化ニーズが急拡大している。そうした中、オフィスでは電子化する際の文書入力は集中入力から分散入力へと移行しているが、官公庁などをはじめとして大量文書を電子化する業務も継続している。こうした業務では入力業務の効率化需要が根強い。このニーズに応えるべく、当社の技術の枠を尽くした最上位機種を開発し、お客様の文書入力業務の効率化を向上させる手助けをしたい」。

徹底して効率化機能を強化

このため新製品では効率化につながる機能強化が重視されており、主な特徴として以下のようなポイントが挙げられている。
 ①大量文書処理
 ②確実な原稿搬送
 ③高耐久と低ランニングコスト

まず、①大量文書処理は、高速読み取りと大容量給排紙トレイにより実現されている。基本スペックは、KV-S8147が毎分140枚・両面280面(カラー/A4/300dpi)、KV-S8127は毎分120枚・両面240面(同前)。新開発の画像処理専用LSIが搭載されており、「原稿領域自動切り出し」「自動傾き補正」「空白ページスキップ」といった使用頻度の高い処理を、スキャナーのハードウエアで行うため、PC性能に依存せず安定した読み取り速度を維持できる。

●大量の原稿を快適に読み取るための性能や機能を搭載
●大量の原稿を快適に読み取るための性能や機能を搭載

読み取り原稿の給紙トレイには最大750枚を積載できるので、大量文書の効率的な処理が可能だ。また、大容量排紙では排出口とトレイとの段差により排紙原稿が乱雑になってしまうことが多い。この点、本機では昇降機能を持つ排紙トレイとローラーのスピード調整により、排出原稿がばらけることなくトレイできれいに揃う。読み取った後の原稿整理や仕分け作業などの効率化につながる。

●排紙トレイの自動昇降と排紙速度制御が、優れた搬送性能を発揮し大量原稿を素早く効率的に処理する
●排紙トレイの自動昇降と排紙速度制御が、優れた搬送性能を発揮し大量原稿を素早く効率的に処理する

搬送性能の強化で作業中断を防止

インテリジェント給紙機構などによる②確実な原稿搬送は、読み取りエラーなどが原因の作業停滞を防ぎ、作業のスピードアップを実現する。

2008年から同社モデルに搭載されてきたインテリジェント給紙機構に改良を加え、薄紙や厚紙、紙質などの原稿の状態に合わせてローラーを原稿に押し当てる力を自動制御することで、安定した給紙分離により重送を防ぐ。

さらに、KV-S8147には「重送リトライ機能」と「新メカニカルデスキュー」が搭載されており、作業を中断することなく業務を継続できる。

本機内の5カ所に配置されたセンサーが重送の発生を確実に検出。重送リトライ機能により、原稿を給紙位置まで押し戻して再試行を行う。押し戻しや再試行の際には、重送発生時とは異なるローラー圧に調整して重送解消を試みるという。リトライは3度まで。

また、メカニカルデスキューは傾いた原稿が混在していた場合、その斜行を軽減する機能のこと。従来の片側制御ではなく、新たに両側ローラー制御方式を採用し、斜行検知と高い補正効果を実現した。

●重送リトライ機能(KV-S8147のみ)。5つのセンサーと自動ローラー圧制御により検出と重送解消の精度が向上
●重送リトライ機能(KV-S8147のみ)。5つのセンサーと自動ローラー圧制御により検出と重送解消の精度が向上
●新たに両側ローラー制御方式の採用によりデスキュー(斜行補正)精度が向上
●新たに両側ローラー制御方式の採用によりデスキュー(斜行補正)精度が向上

③高耐久と低ランニングコストにより、安心して大量に文書を処理できることも新商品の特徴。文書入力業務が集中する繁忙期でも、トラブルやメンテナンスによる作業ロスを削減できる。

1日あたり10万枚以上の読み取りにも対応する高い耐久性を実現できるよう各部が最適に設計されている。

原稿読み取り面のガラスには新たに開発した高耐久性コーティングガラスを採用することで、紙粉の付着を原因とする画像への縦スジ発生を低減し、メンテナンス回数を削減。メンテナンス時も、クラムシェル構造によりフロント部が大きく開くため、清掃やローラー交換などを簡単に行える。

消耗品のローラーは長寿命タイプを採用。従来の40万枚から1.5倍となる60万枚に高耐久化され、ランニングコストの削減につながる。

●前部が大きく開口するクラムシェル構造
●前部が大きく開口するクラムシェル構造