プロの焙煎技術を簡単に再現し、本格コーヒーを自宅で楽しむ年間契約の生豆と焙煎機をセット販売
クラウドからプロの焙煎技術を取得

徹底的にコーヒーにこだわる身としては、かなり気になる製品がパナソニックから登場しました。モノとインターネットをつなぐIoT技術を活用した焙煎機です。

●スマートコーヒー焙煎機「AE-NR01」
焙煎方式 熱風式焙煎
焙煎量 50g/回
焙煎時間 約15分 ※プロファイルにより異なる
本体サイズ W130×D238×H342
本体重量 4.6kg
電源定格 100V(50-60Hz)
消費電力 1320W
操作端末 iOS搭載端末 ※専用アプリが必要

同製品は、本格焙煎が楽しめるコーヒーサービス事業「The Roast(ザ・ロースト)」として提供され、焙煎機だけでなく「生豆の定期頒布」と「プロファイル(食材に関わるプロの調理ノウハウなどをデータ化したプログラム)」がセットになったもの。

年間契約(3種類/2種類のコース)で専用の生豆が自宅に毎月届けられ、豆のパッケージにはQRコードが記載されています。これをスマートフォン向け専用アプリで読み込み、クラウドからプロの焙煎士が考えた焙煎パターンのプログラム(焙煎プロファイル)を入手。プロファイルを焙煎機に転送することで、機器側プログラムに基づき設定を自動コントロールしプロの味を再現するという仕組みです。

浅煎りや深煎りなど、生豆1種類につき焙煎度により数パターンのプログラムが作成され、年間で最大100パターンを用意するとのこと。焙煎の知識や技術がなくとも、好みに合わせて焙煎したてのプロの味と香りを簡単に楽しめるというわけです。

●年間契約で届く生豆パック。2種類と3種類のコースがある
●QRコード経由でクラウドからプロ焙煎士の焙煎工程プログラムを入手

焙煎機には温度や風量を細かく制御してムラをなくす熱風焙煎方式が採用されている他、サイクロン技術により雑味の原因となる生豆表面の皮(チャフ)を自動分離する機能などを搭載。焙煎品質を向上させる工夫が盛り込まれています。

また、生豆の生産地や精製方法、現地の文化、さらには焙煎士によるカッピングのコメント、プロファイルに込めた思いなどを掲載した情報誌「JOURNEY PAPER」も発行し、コーヒーに関する様々な情報を定期頒布の生豆と一緒に届けるそうです。

2017年4月上旬よりスタートし、当面は同社のショッピングサイトで扱うとのこと。本体がメーカー価格10万円(税別)、年間契約の生豆パックが3種セットで月5500円/2種セットで月3800円というコストが消費者にどう判断されるかは未知数ですが、個人的にはフライパンで生のコーヒー豆を焙煎するという原始的な方法で四苦八苦(これも楽しいのですが)しているだけに、興味津々です。

新しい食のサービス事業を展開

同社では、このThe Roast事業を皮切りに、「専用機器とアプリ」「プロファイル」「食材」をセットで提供することで、プロの技を自宅で手軽に再現できる新しいサービス「IoT×調理家電」を広げていきたいとしています。

さらに将来的には、「サービスの使用履歴やユーザー情報を活用したり、食材の生産者や調理のプロ、ユーザーの知見・体験談を共有し交流できるコミュニティを構築するなど、クラウドを介した新しいビジネスを創出したい」とのこと。

最近はホームパーティーが盛んのようで、自宅にシェフを呼んで調理してもらえる出張シェフサービスや、有名シェフが監修したスイーツや惣菜などが人気です。パナソニックが提供しようとする新サービスは、有名店やプロの料理人による本格的な味を自宅でも手軽かつ簡単に楽しむことを可能としてくれそうです。

市場での評価、どれほどの実需につながるのか。この意味でもIoTにより生み出される1つの新サービスとして、まずはThe Roastに注目したいところです。(長谷川丈一)