ヤマダ電機のソリューション提案ソフトバンク「Pepper for Biz」
就職説明会でペッパーをフル活用
就活中の高校生の目を釘付けに!

ペッパーのさらなる活用策を構想中という目崎鉄工・目崎公平社長

意欲的な設備投資

「私は昔から新技術や新製品への関心は人一倍でした。ペッパーも世に出た時から注目していました。かなりの可能性を秘めていると思います」。

こう語るのは目崎鉄工の目崎公平社長だ。同社はこの1月、群馬県沼田市で開催された高校生対象の就職説明会において、会社の説明をペッパーに行わせ、注目を集めた。

目崎社長は「少しでもインパクトのある会社説明会にしたかった」といい目を細める。

説明会の当日、ペッパーは目崎鉄工の概要や歴史、そして鉄骨業界のあらましなどを、画像を交えて簡潔に説明。就職志望の高校生たちの目を釘付けにした。その模様は地元紙の上毛新聞にも取り上げられるほど、型破りなものだったという。

群馬県沼田市に本社を構える目崎鉄工は、1966年に現社長・目崎公平氏の父である目崎清氏が創業。鉄骨加工を行う小さな技術者集団としてスタートした。

それから50年。今では年商約34億円までに発展。全国鉄骨評価機構の性能評価基準でMグレード(中高層ビルまでに対応できる鉄骨製作工場)を取得し、さらに上位のHグレード(高層ビルに対応可能)を狙う成長株の鉄工会社と目されている。

目崎鉄工の強みはロボット化・オートメーション化へ、いち早く取り組んだことだ。これによりコストダウンや短納期化、そして品質の大幅アップなどを実現し、建設業界から高い信頼を得ている。

同社が工作ロボットを導入したのは、今から25年ほど前。同じタイミングでCADも導入するなど、「群馬県の鉄工会社としては当時、まったく初めての取り組みだった」(目崎社長)という。

現在は、そこから数えて3代目となる最新の工作ロボットが7台稼働中だ。設備投資への意欲は「県内の鉄工会社として、未だにトップクラスだろう」と自負するほどである。

就活中の高校生を前に熱弁をふるうペッパー

就職担当教師の言葉

沼田が真田氏ゆかりの地であることをアピールする案内看板

同じロボットに分類されるペッパーの導入も、こうした設備投資の一環ともいえる。だが、そのきっかけは、意外にも地元高校の就職担当教師の言葉だった。

目崎鉄工はそれまで中途採用がメイン。新卒採用は行ってこなかった。だが、若い無垢な人材を育てたいと考えた目崎社長は、2年ほど前に地元の高校を訪問。就職担当の教師に新卒採用について相談した。

そこで最初に教師から聞かされた言葉は「私は目崎鉄工という会社を知りません」というもの。そして「自分が知らない会社を生徒に“いい会社だ”とは紹介できませんよ」とも。

「ショックでした。でも、その通りなんです。先生からは『業績がいいのは分かりました。でも、まずは沼田市で会社をもっとPRしてください。名前が知られれば生徒にも親御さんにも、自信を持って紹介できます』と聞かされ、会社のイメージを一新する覚悟を決めました」(目崎社長)。

その日を境に目崎鉄工のリニューアルが始まる。まずは、本社や工場の内・外装をはじめ、会社のロゴマークやホームページ、会社案内や名刺などをすべて刷新。パッと見ただけでは鉄工会社とは分からないほど、モダンなものへと変貌した。

同時に地域貢献への積極的な取り組みをスタートした。例えば「ようこそ 真田のまち 沼田へ」の大型案内看板だ(写真)。昨年、NHKで放映され大ヒットした大河ドラマ「真田丸」の主人公・真田氏は、沼田城を拠点の一つとしてこの地を長く治めていたのだ。

武装した小松姫(真田信之の妻)が、西軍についた舅の真田昌幸を城内に入れなかったシーンを覚えているだろうか。あの城こそが沼田城なのである。

この史実をアピールすべく、目崎社長は放送が始まる半年以上も前に、大型の案内看板を作成。地主との交渉も行い、市内7カ所へ設置して、沼田の活性化に一役買ったのである(この看板設置を沼田商工会議所は高く評価し、目崎鉄工に「地域貢献賞」を授与した)。

その一方で、地元の野球少年を対象に、プロ野球選手を招いた「野球教室」を開催している。

目崎鉄工は群馬県出身の現役プロ野球選手をスポンサードしており、地元とプロ野球との関わりを大きくアピールしている。

その一環として、シーズンオフにこれらの選手を招いて、地元の小学生とふれ合う機会を提供。3回目となった昨年12月には、200人の野球少年が集まっている。

セキュリティでの活用を計画

ペッパーの導入は、こうした地域貢献や地域の話題作りの一環といえるもの。

「鉄工会社と聞くと非常に堅いイメージ。ですがペッパーを駆使することで、就職活動中の高校生や大学生はもちろん、地域住民の方にも慣れ親しんでもらえます」(目崎社長)。

現状では就職説明会での会社説明役以外に、本社玄関の受付係としての日常業務をこなしている。具体的には、訪問者の顔を事務所内のモニターに映し出して、誰が来社したのかを、いち早く社員に伝えているのだ。

ただし目崎社長の構想では、受付係としてのペッパーには、IP電話などと連動させることで「訪問したい部署への電話取り次ぎなどを、こなせるようにしたい」とのこと。そのためのアプリを開発中であり、近い将来に実現しそうである。

また、現状では玄関の大型モニターに会社紹介の動画を流しているが、これをペッパーと連動。ペッパーのトークで動画の内容を解説させることを考えているという。

同時にセキュリティでの活用も検討中だ。これは訪問客の顔を識別し、関係者と部外者とを選別。関係者に対してはその人の名前を呼んで挨拶をさせ、部外者に対しては、その対応部署へ迅速に取り次ぐなどである。

「訪問客の中には、ペッパーは自分の顔を覚えてくれ、名前を呼んでくれるものだと思っている人が多いんです。“だったら、そこまでやってやろうか”と、そう思っているんですよ」といって微笑む目崎社長。その目はさらなる好奇心に、満ちあふれているようだった。