Windows Vista/MSの延長サポート終了最新OSの礎だった「Windows Vista」
オフィス残存の「隠れVista」に注意

革新的なコンセプトで開発された「Vista」

週刊「シャニム通信」のVol.16配信日となる本日2017年4月11日、「Windows Vista」に対するマイクロソフト(以下、MS)の延長サポートが終了します。

2007年1月30日に発売が開始されたVistaは、Windows XPの後継OSです。日本語で「見晴らし」や「見通し」を意味し、MSは「デジタル社会で先を見通したOSを提供する」ことをコンセプトに、XPから飛躍的に進化させたOSとして市場投入しました。

筆者もVista特集の取材で同OSについて、かなり細かくヒアリングしたことを覚えています。様々な点でリニューアルされたVistaでしたが、目立ったところでは「セキュリティ」と「インターフェイス」が大幅刷新されました。

例えば、セキュリティについては、OS設計者は分厚いトレーニングマニュアルによるセキュリティ技術の習得が義務付けられ、これをクリアしないと開発プロジェクトに参加できないなど、セキュリティを最優先コンセプトにアプローチ。今では当たり前のユーザーアカウント制御機能などサイバー攻撃に対する「多層化防御」の考え方が初めて取り入れられたのがVistaです。

また、PC内のファイルを階層構造で管理するディレクトリ方式に加えて、検索機能を大幅に強化。「検索によりPC内に散らばるファイルを管理する」という新しい情報管理インターフェイスも採用されました。

●Windows Vistaのデスクトップ画面。プラスとマイナスの両面で以降のOS設計に影響を与えたバージョンといわれる

多層化防御や検索型情報管理インターフェイスといった現OSでの標準仕様の先駆けとして鳴り物入りで登場したVistaでしたが、周知のようにビジネス業務に深く根付いたOSとしてXPの存在が大きかったことや、ユーザーアカウント制御などの先進コンセプトや機能が当初は不評で人気は今ひとつ。さらに2009年10月22日に「Windows 7」が一般発売されたことにより、わずか2年半で新OSとしての立場を譲ることとなったわけです。

サポート切れOSはリスクだらけ

とはいえ一定のシェアがあったことは確かで、現在でも全OSに占めるVistaの利用率は2%程度といわれています。さすがに今でもメインPCとして使っているオフィスは少ないでしょうが、予備PCやファイルサーバー代わりのPCなどには要注意です。

いわゆる「隠れ〇〇」と呼ばれるもので、「〇〇」にはOS名が入ります。OSサポート終了時には常に注意喚起され、2014年4月9日のXPサポート終了時には「隠れXP」が話題となりました。

同じように「隠れVista」が存在する可能性があるわけです。しかも、短命OSだっただけに完全に埋もれてしまっているのではないでしょうか。

そもそもOSサポートとは、OSを安全に使うためのアフターサービスのことで、発売後に見つかった脆弱性(セキュリティホール)を修正する更新プログラム(パッチ)の提供がメインとなります。開発時には見逃されたバグや想定外の使われ方、サイバー犯罪者の攻撃技術の進化などによりセキュリティホールは常に見つかるもの。サポート期間中はパッチでホールを修正できますが、サポートの終了によりパッチが提供されなくなれば、脆弱性が放置されウイルス感染や不正アクセスのリスクが高まるわけです。

特に、ネットワークにつながっているVista機はリスクが高く、オフィス内のネットワーク上の全情報が危険にさらされます。セキュリティが飛躍的に高められたとはいえ、サポート終了によるリスクは避けられません。

XPと違い、Vistaはそれほどビジネスに根付いたOSではないですし、オフィス内や自宅に残存するVista対策には、「最新PCへの買い替えや最新OSへのアップグレード」が推奨されています。

オフィスの全OSをチェック

こうしたサポート終了の問題は、今後も続きます。Vistaに続いて「Windows 7」や「Windows 8.1」も、近い将来にはサポートが終了するからです(下表)。

OS リリース/発売日 延長サポート終了日
Windows Vista 2007年1月30日 2017年4月11日
Windows 7 2009年10月22日 2020年1月14日
Windows 8.1 2012年10月26日 2023年1月10日
Windows 10 2015年7月29日 2025年10月14日

ビジネス現場で、現在も主流のWindows 7は2020年1月には延長サポートが打ち切られます。

ご記憶の読者の方もいると思われますが、2016年にMSは「最新CPUでサポートされるのは、その時点でのWindows最新バージョンのみ」というサポートポリシーを発表しました。実際、同社はインテル第6世代CPU「Skylake」搭載PCにインストールされたWindows 7/8.1について、2017年7月17日にサポートを打ち切るとしました。

ただし、これについてはその後、「サポート終了は2018年7月17日」とし、さらに「それぞれの延長サポート期間終了までサポートを継続する」と発表。事なきを得ています(インテル第7世代CPUなど最新CPU搭載PCでサポートされるのはWindows 10のみ)。

とはいえ、Vistaに続き延長サポート終了を次に控えるのはWindows 7であり、残り3年弱しかありません。

そう考えると、今後フルサポートを受けながら安心して長くPCを使うには「Windows 10」を選ぶのがビジネスでも最良なのかもしれません。Vistaのサポート終了を機に、オフィス内のOS計画について考えてみてはいかがでしょうか。(長谷川丈一)