法・制度改正/2017年度予算「事業承継補助金」経営革新に取り組む事業後継者を支援
最高500万円を上限に補助金を交付!

補助金額200万円、または500万円

2017年度も様々な「補助金」事業の公募が行われる予定です。トレンドレポートでも適宜、紹介していく予定ですが、週刊シャニム通信Vol.20配信前日の5月8日から募集が開始されたのが「事業承継補助金」です。

現在、オーナー企業の多くが後継者難に直面しており、帝国データバンクの調査によれば全体の7割が後継者不在とのこと。規模の小さい企業ほど後継者難が課題視されており、年間売上高1億円未満の事業者では後継者不在率が8割近くにも達しています。団塊世代が70歳を迎える2017年は、中小企業にとって事業承継がさらに大きな経営課題となりそうです。

こうした状況で、「事業承継をきっかけとして経営革新や事業転換に取り組むチャレンジを応援する」ことを目的に資金面から事業承継を支援しようとする制度が、この事業承継補助金というわけです。前年度の「第二創業支援補助金」が見直されて、新しく創設されました。

事業承継補助金では、一定の要件を満たす中小企業について以下の通り補助金が交付されます。法人だけでなく、個人事業者も対象となります。
●補助率:3分の2
●補助上限:200万円(経営革新を行う場合)/500万円(事業所の廃止・集約を伴う場合)

公募の締切日は現時点では明確にされていませんが、6月上旬頃までの予定となっています。

●「事業承継補助金」の事業イメージ。中小企業庁の資料より
●「事業承継補助金」の事業スケジュールと補助対象となる経費など。中小企業庁の資料より

補助金申請の要件

同補助金の交付を受けるための要件は、大きくは①地域経済に貢献する事業であること、②事業承継をきっかけとしていること、③承継後の新たな取り組みであること――とされています。

●「事業承継補助金」の要件。中小企業庁の資料より

このうち、②事業承継をきっかけとするという要件では、「実際に事業承継が行われること(2017年4月1日~2017年12月31日)」と「事業を引き継ぐ後継者は一定程度の知識や経験を有している者であること(下記資料参照)」が求められます。

●補助対象者となる後継者に求められる要件。中小企業庁の資料より

また、③承継後の新たな取り組みとしては、「経営革新」と「事業転換」を掲げており、前述したように補助上限は基本200万円ですが、事業所や既存事業の廃止、または集約を伴う経営革新や事業転換の場合には廃業登記費・在処分費・解体費などの廃業費用として300万円を上乗せした計500万円を上限に補助金交付を申請することが可能です。

経営革新や事業転換への実際の取り組みについては、事業承継(代表者の交代)と同じく、2017年12月31日までの補助事業期間(開始は2017年8月頃)に行う必要があります。

●「事業承継補助金」の対象となる経営革新の例。中小企業庁の資料より
●「事業承継補助金」の対象となる事業再編を伴う経営革新や事業転換の例。中小企業庁の資料より

申請から実際の事業承継、承継後の事業展開まで認定支援機関から継続して支援を受けることも要件の1つとされています。この意味で、同認定機関を最大限に活用することが、成功のポイントといえます。

申請窓口や問い合わせ先は「創業・事業承継補助金事務局」です。5月8日よりWEBサイトがオープンしていますので、興味があればアクセスしてみてはいかがでしょうか。補助金の全般に言えることですが、総じて公募期間が短く必要書類の用意に時間がかかるケースも多々ありますので、早目の準備を心掛けたいものです。(長谷川丈一)