独占販売する「FUNAIテレビ」を発表したヤマダ電機山田氏と船井氏、二人の創業者の想いが合致
2020年「シェア20%」に確固たる自信!!

 「以前はテレビメーカーが10社以上あった。それが今では4社程度。各社が“テレビは儲からない”といって撤退したが、お客様のニーズは以前と少しも変わっていない。この間隙を突いて海外メーカーからいろいろな打診があることも確か。
 このままでは日本のテレビ市場は、外資系メーカーばかりになってしまう。この状況を何とかしたい。こだわりを持った日本メーカーの品揃えを、もっと増やしたい。その想いが船井電機さんとの、パートナーシップ契約の原動力になった」

 こう語るのはヤマダ電機の山田昇会長です。ヤマダ電機は5月17日、同社で独占販売を行うFUNAIテレビのラインアップを発表。6月2日から全国のヤマダ電機で一斉販売を開始します。そのラインアップは4K対応機を中心とした5シリーズ全11モデル。同時にブルーレイレコーダー2シリーズ4モデルの販売もスタートします。

日本メーカーとしては「北米No.1」の販売実績

 船井電機のテレビといえば中高年層には廉価モデルのイメージがあるかもしれません。

 しかし、今の同社は欧米では広く知られた存在であり、特に主力とする北米市場ではソニーやパナソニックなどを抑え「日本メーカーとしては最も生産・販売台数の多いテレビメーカー」(船井電機・船越秀明社長)として、独自のポジションを築いています。その規模は4K対応テレビだけで年間100万台超とのこと。同社製品は世界No.1の小売業ウォルマートでも高い評価を得ています。

 しかしながら創業者で現相談役の船井哲良(てつろう)氏には、日本市場においても「テレビメーカーとしてのFUNAIブランドを確立したい」との強い信念があったとのこと。この信念が、冒頭の山田会長の想いと合致。今回の独占販売契約につながったわけです。山田会長は「創業者同士だからこそ通じ合うものがある。サラリーマン社長にはできない決断」だと話していました。

 今後の販売目標についてヤマダ電機の一宮忠男副会長は「まずは2018年5月までに国内シェア5%を獲得し、ラインアップの拡充でシェアをさらに拡大。2020年には20%を突破したい」と話しており、「その実現は十分に可能」だと自信をのぞかせていました。

 ヤマダ・船井連合にとって追い風といえそうなことは、2017年以降2020年までの国内テレビ市場は、毎年二桁成長すると予想されていること。エコポイントや地デジ移行などでかつては1000万台に達した国内テレビ需要ですが、周知のようにここ数年は低迷。2016年度実績は500万台を切ったともいわれています。

 しかしながら今後は、4K対応テレビの需要本格化に加えて、有機ELテレビの立ち上がりなどから、2017年度は600万台に回復するとの予測がすう勢です。さらにはコンテンツのインターネット配信の拡充や4K・8Kテレビ放送の開始などで二桁成長を持続させ、オリンピック特需ともあいまって2020年度にテレビ需要は1000万台近くに達するとの予測が支配的となっています。

 この予測が現実のものとなれば、船井電機のテレビがシェアを急拡大する余地は十分といえるでしょう。「シェア20%の実現は十分に可能」とする一宮副社長の根拠にもなっています。船井電機の船越社長も「今後の市場の成長力に加えて、当社の、北米だけで100万台以上を販売している実績や技術力、生産力。そしてそれだけの規模によるコスト競争力をフルに発揮させる。ここにヤマダ電機さんの販売力やマーケティング力が加わることで目標の実現を確信している」と語っていました。

国内大手4社と同じ次元で競うために

 また、会見では「FUNAIテレビの独占販売のスタートで、既存テレビメーカーのヤマダ電機内でのシェアはダウンするのでは」との質問が飛びました。

 これに対して一宮副会長は「主力の取り扱いメーカーが4社から5社に増えれば、確かに既存メーカーのシェアはダウンする」としつつも、「しかしながら、当社は市場の伸び以上に全体の販売台数をアップさせる計画。既存メーカーさんも販売台数自体は拡大するため、シェアの低下はまったく問題にならない」と語っていました。

 さて肝心の商品ですが、そのコンセプトを船井電機では「中高年が持つFUNAIの安物イメージを払しょくし、さらにFUNAIになじみの少ない若年層に対して、新しいブランドとしての認知促進&イメージ構築を目指す」としています。

 そして「国内大手4社と同じ次元で競うために」とのキャッチフレーズを掲げ、その実現のために次の5点をシリーズ全体の特徴としています。
①全機種が録画機能を搭載
②4K対応モデルは全機種HDR対応
③ネットコンテンツにダイレクトにつながる
④スマホとの連携(宅外視聴、宅外予約等)
⑤バスレフスピーカー内蔵の高音質

 最上級モデルの「6000シリーズ」は“プレミアム4K”と命名されており、55Vと49Vの2モデルを用意。視野角の広さで定評のあるIPS液晶パネルを用いており、バックライトは背面にLEDランプを敷き詰めた直下型を採用。デジタル6チューナーと充実しており、内蔵HDDは3TBの大容量タイプ。最大2週間分の番組を自動録画する「まるごと録画」機能を搭載しています。その他の詳細については、こちらをご覧ください。

 なお、発表会では2017年秋に2機種の65Vモデルを追加投入し、2018年夏を目処に有機ELテレビをラインアップに加えられるように開発が進んでいることも明らかにされました。こうしたラインアップの拡充戦略もシェアを高めるためには必須といえるでしょう。

 さて気になる価格ですが、残念ながら「6月2日の全国一斉発売に発表する」とのこと。ただし、「お客様に十分に納得いただけるように、大手の同等モデル以上の機能を持ったモデルを、お買い求め頂きやすいプライスでご提供することは確か」(一宮副会長)。こちらも十分に期待できそうです。(征矢野毅彦)

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