ヤマダ電機のソリューション提案介護現場の作業負担を大幅軽減
利用者は運動能力の改善を実感

運動機能測定システム「ロコモヘルパー」

システム導入◎介護施設・リハビリセンター支援

現在、要介護者人口は600万人ともいわれており、年間の介護費は10兆円規模に達している。今後の超高齢化が進む中、このままでは要介護者も費用も右方上がりで急増していくことが確実視されており、国としても介護予防(*1)事業などを通じてその抑制に取り組んでいる。

これを支援したいとヤマダ電機が用意したソリューションが、介護予防事業所向け運動機能測定システムの「ロコモヘルパー」だ。

システムの詳細は後述するが、簡単にいうとロコモヘルパーとは運動測定・記録を自動化することにより、これまでアナログ的だった測定作業の負担を大きく軽減するツールである。

介護に関わる関係者には周知のように、要支援や要介護となってしまう主要因の1つが「ロコモティブシンドローム(運動器症候群/以下、ロコモ)といわれる。このため、厚生労働省は「高齢者の体力測定から体力要素を把握することが必要」とし、健康寿命の延伸を目的にロコモの啓発活動を展開している。

こうした社会的背景から、ロコモ判断基準の運動種目とされる「開眼片足立ち」や「通常歩行/最大歩行」といった運動機能を定期的に計測。この結果に基づいて、高齢者本人や家族に運動指導を行う介護予防事業所が増加中だ。

撮影協力:株式会社ソラスト

現場の作業負担を大幅軽減

とはいえ、この運動測定の実施は負担が伴う。複数名の介護スタッフや理学療法士が高齢者を補助しながら、ストップウォッチやメジャーを使い手作業で行っているのが一般的。

測定後は結果に基づく評価・改善レポートを作成するため、個々の高齢者について記録やコメントをすべて手入力しなければならない。一連の作業は大きな負荷となっており、効率化が強く求められていた。これを解決するソリューションがロコモヘルパーである。

ロコモヘルパーは、キヤノンITSメディカルとキヤノンMJが手掛けるソフトウエア。これを、ヤマダ電機では事業所が導入しやすいよう必要な機器をセットとした「ヤマダ電機モデル」として提供する。

システム構成は図1の通り。マイクロソフトの赤外線深度センサーカメラ「Kinect」により認識した利用者の推定骨格情報から、骨格の動きをデジタライズ(図2)して運動種目ごとに自動測定・記録すると共に、計測状況を動画として録画を行う。

測定が自動化されている運動種目は、介護予防マニュアルに記載されているものに加え、現場で取り入れられていることの多い「椅子立ち座り」などを加えた全6種目(図3)。

円背(*2)などの理由で骨格情報を取得できず自動測定できない場合でも、撮影した動画を元にロコモヘルパー搭載のストップウォッチや角度計測機能などを使って測定することができる。

自動測定に対応していない、例えば握力などの種目も動画や記録(手入力)データとして残せる。

さらに、前回の測定結果と対比した評価レポートを自動作成する機能を持つ。静止画の貼り付けは自動(骨格情報が取得されている場合)で、定型文として自動作成される評価コメントはフリーコメントとしても入力が可能である。

こうした機能が、介護現場の運動測定に関わる業務を大幅に効率化し、作業時間の短縮や作業負荷の軽減を実現してくれるというわけだ。

 

幅広い導入効果

ロコモヘルパーの導入効果は、これだけではない。測定記録を運動測定時の動画データと共に振り返り、分析補助ツールとして活用することで効果的な運動指導につながる。

深度センサーは正面からの撮影だけで、側面や上から見た時の骨格情報も取得できるので、運動種目ごとに必要な角度に切り替えて表示が可能。また異なる動画を重ね合わせることもできるので、前回と今回の動作比較やお手本動画との比較など、様々な視点からの分析に役立つ。

数値だけでは分からない差を動画の合成比較により“視覚化”することで、「頭がブレているから体幹が弱いため片足立ちの時間が短い。腹筋を鍛えましょう」など、具体的に指導しやすくなる。

この他にも、ケアマネージャーや理学療法士の情報共有、監査時のエビデンス作成などに役立つ。

利用者の視点で見た場合のメリットもある。測定数値と動画データにより、本人や家族は運動能力の改善を実感できることに加え、短時間で測定が完了するので負担が少ないからだ。

こうした点は、事業者が利用者に提供できる付加価値となるため、他の介護事業者などとの差別化としても効果が高い。

すでに市販されている3次元動作分析装置もあるが、数百万円とかなり高価。運動機能測定システムとして製品化されているものもあるが、測定できる種目や設置場所などが限定されているという。

本稿執筆時点で、赤外線センサーで推定骨格を判断して簡単に測定できるロコモヘルパーのようなシステムは見当たらないようだ。しかも、税別75万8000円と低コスト。リース導入なら負担も少なく経費化できる。出張デモも行っているので、ぜひヤマダ電機法人営業所に問い合わせてほしい。

(*1)要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと。要介護状態でも悪化をできる限り防ぎ、その軽減を目指すこと
(*2)えんぱい:脊椎湾曲症の1種で背骨が変形した状態