デジタル一眼レフカメラ/新商品「EOS 6D MarkⅡ」レポート最新技術搭載の小型・軽量フルサイズ機
オールクロス45点AFセンサーを搭載

悩みの種が増えました。その理由というのは、キヤノンが2017年6月29日に発表したデジタル一眼レフカメラの新モデル「EOS 6D MarkⅡ」です。巷では「そろそろ出るのでは」とも噂されており、個人的にも現行機の6Dユーザーとして気になっていました。それが、ついに発表され、2017年8月上旬から発売されるというわけです。

本気の「フルモデルチェンジ」

現行機の初代6Dが発売(2012年12月)されてから約5年半。どれほどの進化を遂げているのか。「上位モデルの機能を落とし込んだマイナーチェンジでは」との声も少なくありませんでしたが、発表された後継モデルは、同社が「フルモデルチェンジした」と自信を見せているように、上位機の安価版という予想を裏切る大幅な性能アップが実現されています。

フルサイズセンサーを搭載しながら小型軽量が実現されていた6Dの特長を継承しながら、画質やAF、連写、各種撮影機能など、部分的な性能にとどまらず総合的に進化。同社が昨年発売した上位クラスの「EOS-1D X MarkⅡ」や「EOS 5D MarkⅣ」にはない機能も搭載されています。

●2017年8月上旬発売予定の「EOS 6D MarkⅡ」。想定価格はボディのみで税別22万5000円(キヤノンオンラインショップ販売予定価格)

以下は、主なスペックについて現行6Dと新モデルの6D MarkⅡを比較した表です。若干の質量アップこそ見られますが、撮影に関わる主要機能が性能アップしていることが分かるのではないでしょうか。

スペック EOS 6D MarkⅡ 現行EOS 6D
有効画素 約2620万画素 約2020万画素
映像エンジン DIGIC7 DIGIC5+
常用ISO感度 ISO100~40000 ISO100~25600
AF測距ポイント オールクロス45点 11点(中央のみクロス)
連写速度 秒間最高約6.5コマ 秒間最高約4.5コマ
バリアングル ×
タッチパネル操作 ×
ライブビューAF デュアルピクセルCMOS AF コントラストAF
撮影画質(動画) フルHD 60p フルHD30p
通信機能 Wi-Fi/NFC/Bluetooth Wi-Fi
質量(本体のみ) 685g 680g

大幅に進化したAF性能

6D MarkⅡの心臓部には、約2620万画素のフルサイズイメージセンサーと映像エンジン「DIGIC7」を搭載。DIGIC7は最新技術であり、上位モデルの1D X MarkⅡと5D MarkⅣに採用されているエンジンはDIGIC6+なので、フルサイズ機では6D MarkⅡが初搭載ということになります。

DIGIC7の搭載により、常用ISO感度は最高ISO40000までスペックアップしました。暗い室内や夜景、スポーツといったシャッター速度を上げたい撮影時に威力を発揮しそうです。まだ、実機に触れていないので何ともいえませんが、もともとキヤノン機は高感度画質のよさに定評があるだけに、画質を見るのが楽しみです。

そして、個人的に注目したのがAF性能の進化です。現行の6Dで採用されている測距ポイントは11点。しかも、フォーカススピードや精度に優れたクロスセンサーが採用されているのは中央の1点のみ。これが6D MarkⅡではオールクロス45点AFセンサーへと進化しました。

ここで、少しクロスセンサーについて説明しておきます。デジタル一眼レフの光学ファインダーによる撮影時のAF方式には「位相差AF」が採用されています。位相差AFとは、被写体像のズレ(位相差)を感知して、そのズレをなくすことによりピントを合わせる方式のこと。大きくはラインセンサーとクロスセンサーがあります。

ラインセンサーは縦あるいは横の一方向のみで被写体像のズレを感知するのに対し、クロスセンサーは縦横の両方向にセンサーが働いて被写体像のズレを感知します。このため、クロスセンサーは、フォーカススピードが速く、動く被写体などにも強いといわれているわけです。6D MarkⅡには45点すべてにクロスセンサーを採用したAFが搭載されているわけですから、動く被写体などに対するピント補足性能の高さを理解できるのではないでしょうか。

ミラーレス機に採用されている電子ビューファインダーも進化しているとはいえ、リアルタイムで被写体を捉えるという点では光学ファインダーに分があると感じています。個人的にも電子ビューファインダーには慣れていないこともありますが、6D MarkⅡのAF性能の進化はうれしい限りです。

その他、様々な進化点

また、同社フルサイズ機では初めてバリアングル液晶モニターを採用。タッチシャッターなどタッチ操作にも対応しています。個人的にはあまり液晶モニターを動かした撮影はしませんが、バリアングル対応によりライブビュー撮影や動画撮影での操作性、アングル設定の自由度などは向上する点は便利ではないでしょうか。

ライブビュー撮影でのAFには、コントラストAFと位相差AFのハイブリッドタイプ「デュアルピクセルCMOS AF」が採用されており、ライブビュー撮影でも高速フォーカスや優れたピント追従性が実現されているようです。

●フルサイズEOS機では初のバリアングル液晶モニター搭載

この他、明滅する撮影シーンでの連写時に露出のバラつきを抑える「フリッカーレス撮影」や、SCN(スペシャルシーン)撮影モードに「流し撮り」メニューが追加されるなど、細かな機能が拡充されています。通信機能ではWi-Fiだけでなく、NFC(近距離無線通信)とBluetoothにも対応。Bluetoothにより携帯端末との常時接続が可能となり、画像などの転送やリモートライブビュー撮影時にはWi-Fi接続に自動で切り替わるなど、スマートデバイスとの連携が便利になっています。

細かな機能進化を挙げるとキリありません。ミラーレス機が全盛となりつつある中で、EOS 6D MarkⅡは「小型ボディに最新技術を凝縮したフルサイズのデジタル一眼レフ」として、キヤノンの本気度が垣間見られるモデルといえるのではないでしょうか。個人的には、新モデルはひと世代ほど間をあけてリプレイスすることが多いのですが、6D MarkⅡに関してはすぐにでも買い替えを検討しようかと考えているところです。(長谷川丈一)