法・制度/下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金売上減少の下請事業者の新分野進出を支援
計画認定された連携事業に最大2000万円

2017年7月13日から平成29年度予算「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金」の2次公募が始まりました。具体的には、①下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業と②下請中小企業自立化基盤構築事業の2事業で、いずれも下請事業者の振興や経営の安定化を目的としたもの。以下、それぞれの概要を解説します。なお、詳細については、リンク先の中小企業庁のホームページや公募要領を参照してください。

①下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業の概要

「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金(下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業)」は、親事業者の生産拠点の閉鎖・縮小(予定も含む)の影響により売上げが減少する下請小規模事業者などが、新分野の需要を開拓するために取り組む試作・開発、展示会出展などの費用に対して、一部を補助する制度です。

対象となる事業者

同支援事業の対象となる事業者は、下請中小企業振興法(第2条第4項)で規定される下請事業者(*1)や、その共同体(任意グループ/事業協同組合)であること。そして、「売上減少要件」と「新分野進出要件」の2項目を満たす事業者とされています。
(*1)資本金や出資総額が自己より大きい事業者、または常時使用の従業員数が自己より大きい事業者からの委託を受けて、事業を行うもの。加えて、製造業や建設業(資本金3億円以下/従業員数300人以下)、サービス業(同5000万円以下/同100人以下)など業種による規定あり

売上減少要件とは、「申請日から過去2年に、事業所の閉鎖や生産規模を縮小した(以下「閉鎖等」)、または申請日以降1年以内(通知があった場合は3年以内)に閉鎖等の予定がある事業者と下請取引の関係(*2)にあり、閉鎖等後の年間売上高が前年比10%以上のマイナスが見込まれることです。
(*2)直接、または間接など取引関係の依存度による規定あり。詳細は公募要領を参照

また、新分野進出要件については、進出先の事業に関連する「売上高(または売上総利益の額)」「有形固定資産(土地を除く)の額」「従業員数」のいずれかの割合が、全体の10%以上を占めることが見込まれることとされています。

補助対象事業と経費

対象となる下請事業者が、新分野への進出などによる取引先多様化のための試作や開発、展示会出展などの費用が補助対象となります。経費区分ごとの主な内容は下記表の通り。詳細については、公募要領に記載されています。

経費区分 経費内容
事業費 「産業財産権等取得費」「委託費」「雑役務費」
販路開拓費 「展示会等出展費・旅費」「広報費」「委託費」
試作・開発費 「借損料」「機械装置等製作・購入費」「試作費」「実験費」「委託費」

補助率等

補助内容は、補助率:補助対象経費の3分の2以内/補助限度額:1件あたり500万円/交付決定下限額:100万円。補助金額は、経費区分ごとの補助対象経費に補助率はかけた金額の合計となりますが、規模としては150万円以上の事業が想定されます。

その他、留意点

補助事業期間は、「補助金の交付が決定された日から2018年3月末日まで」とされており、同期間外に実施された事業や支払われた費用については基本的に補助対象とはなりません。期間内に完了できるよう計画的な事業の遂行が求められます。

また、補助対象となった事業者には、実績報告などの義務が課される点も確認しておきたいポイントではないでしょうか。

公募期間/問い合わせ先/提出先

●受付期間:2017年7月13日~2017年8月21日(郵送は最終日17:00必着)
●申請書類提出先:主たる事業所の所在地を管轄する経済産業局(問い合わせ先も同じ)
●公募要領
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2017/170713shitaukekaitaku1.pdf
●中小企業庁ホームページ(公募要領、申請様式などのダウンロードが可能)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2017/170713shitaukekaitaku.htm

②下請中小企業自立化基盤構築事業

「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金(下請中小企業自立化基盤構築事業)」は、2者以上の下請事業者が連携して、新たな事業者と下請取引などを開始または拡大することにより、既存の親事業者への依存状態の改善を図る取り組みを支援する制度です。

対象となる事業者と事業

下請中小企業振興法第8条に基づく、特定下請連携事業計画(*1)の認定を受けた連携参加者が、法認定計画に従って行う事業が補助対象となります。
(*1)2者以上の下請事業者が有機的に連携し、それぞれの経営資源を有効活用して新たな事業活動を行うことで、既存の親事業者以外の事業者との下請取引などを開始・拡大。これにより、下請取引の依存状態の改善を図る取り組みのこと

同支援事業では、下請中小企業振興法の計画認定が得られるかどうかが補助金採択のポイントになるとのこと。採択の評価内容など認定計画の詳細に関する資料が準備されているので、確実に目を通しておくことが欠かせません。

補助対象事業と経費

認定計画に従い取り組む事業に関わる費用が補助対象となります。経費区分ごとの主な内容は下記表の通り。詳細については、公募要領に記載されています。

経費区分 経費内容
事業費 「謝金」「旅費」「借損料」「連携構築費」「産業財産権等取得費」「雑役務費」「委託費」
販路開拓費 「展示会等出展費」「広報費」「委託費」
試作・開発費 「原材料費」「借損料」「機械装置等製作・購入費」「試作費」「実験費」「委託費」

補助率等

補助内容は、補助率:補助対象経費の3分の2以内/補助限度額:認定事業計画1件あたり2000万円/交付決定下限額:100万円。補助金額は、経費区分ごとの補助対象経費に補助率はかけた金額の合計となりますが、規模としては150万円以上の事業が想定されます。

その他、留意点

補助事業期間は、「補助金の交付が決定された日から2018年3月末日まで」とされており、同期間外に実施された事業や支払われた費用については基本的に補助対象とはなりません。期間内に完了できるよう計画的な事業の遂行が求められます。

また、補助対象となった事業者には、実績報告などの義務が課される点も確認しておきたいポイントではないでしょうか。

公募期間/問い合わせ先/提出先

●受付期間:2017年7月13日~2017年8月21日(郵送は最終日17:00必着)
●申請書類提出先:主たる事業を実施する場所を管轄する経済産業局(問い合わせ先も同じ)
●公募要領
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2017/170713shitaukekiban3.pdf
●中小企業庁ホームページ(公募要領、申請様式などのダウンロードが可能)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2017/170713shitaukekiban.htm

下請事業者向けの補助事業とはいえ、いずれの事業も適用要件などがやや細かく規定されている感があります。問い合わせ先や相談窓口が各経済産業局となっていますので、応募を検討するならば早めの対応が欠かせないといえそうです。(長谷川丈一)