AIを搭載!! 三菱エアコン新型「霧ヶ峰」FZシリーズ室温が不快になることを事前に予測
先読みした不快抑制運転で快適さを維持

 先日、三菱電機が新型ルームエアコン「霧ヶ峰FZシリーズ」の発表会を開催しました。その内容がちょっと興味深いものだったので、今回はそのレポートをお届けします。

 FZシリーズの一番の特徴は“AIで少し先の体感温度を予測する「ムーブアイmirA.I.」”の搭載です。流行のAIがついにエアコンにも、という感じですが、説明を聞いていて「なるほど」と納得できる点が多々ありました。

 皆さんがエアコンを使うときには普通、どんな設定をされるでしょうか。一般的にはリモコンの「快適」ボタンなど、自動で室温を快適に保つモードを使われるのではないでしょうか。ところが、このモードにしているにも関わらず、途中で暑くなったり寒くなったりで、温度や風速などの設定を変更することも多いかと思います。

 三菱の調査では、65%以上の人が設定変更を「よくする・たまにする」とのこと。しかも設定変更の回数は1日平均で3回にものぼるそうです。「ムーブアイmirA.I.」はこれを解決する機能なのですが、その解説の前に、まず、“なぜ自動快適モードが部屋の快適さを維持できず、人に設定変更を強いるのか”について説明しましょう。

なぜ室温が不快になるのか?

 そもそも室温とは、外気温や日射量などの変化で刻々と変わるもので、それによる不快感の発生を抑止することはできません。そこで一般的な自動快適モードは、室温が変化して不快な状態となってから、これを発見して解消する運転に切り替わる設定になっています。

 これをフローチャートにすると
「快適⇒外気温等が変化⇒室温変化⇒不快⇒発見⇒不快抑制運転への切替⇒解消」となります。

 ここでお分かりのように、一般的な自動快適モードでは、必ず「不快」な状態が発生します。そして、これを発見してから解消に向かうという“後追い運転”になっており、このタイムラグの間に、65%以上の人が設定温度を変更するわけです。

 そこでムーブアイmirA.I.の登場です。その機能を一言で言えば「室温の変化が避けられない以上、室温の変化を予測して不快な状態となる前に、不快を抑制する運転に切り替える」ということになります。

これをフローチャートにすると
「快適⇒外気温等が変化⇒不快の発生を予測⇒不快抑制運転への切替⇒快適の維持」となります。少なくとも理論上は不快の発生する余地がないことになります。

 ではなぜ、不快の発生する余地がないのか–。ムーブアイmirA.I.は①「人の体感温度」、②「外気温・日射量の変化」、そして③「住宅性能」の3つをセンサー管理し、これによって快適運転を制御しています。

 ①、②の管理は一般的な自動快適モードにも搭載されていますが、これだけでは不快の発生予測は不可能。外気温変化が同じだったとしても、これによる室温の変化度合いは、木造住宅と鉄骨住宅では異なりますし、同じマンションでも上層階と低層階で異なります。

 そこでムーブアイmirA.I.は、③「住宅性能」のセンサー機能を搭載したわけです。①と②の変化によって、その部屋の室温は、具体的にどう変化するのか。その速度や温度差など(=住宅性能)を判定し、学習することで、不快の発生を予測。予測に基づく「先読み運転」で快適さを維持するという考え方です。

 確かに外気温や日射量が変化しても、それがすぐに室温を変化させるわけではなく、室温変化までにはある程度のタイムラグがあります。しかも、そのタイムラグは住宅の構造や立地環境などで異なる。これを判定し学習すれば、不快の発生予測は不可能ではないといえるでしょう。

 三菱電機の話では、「設置して1週間から10日ほど経てば、その家の基本的な住宅性能を判定可能。以後も継続して住宅性能を判定するため、使っていくほど不快の変化予測精度が向上する」とのこと。発表会の席上ではその精度までは体感できませんでしたが、非常に面白い技術だと思いましたし、「使ってみたい」と思ったことも確かです。

 AIについては今、様々な議論がなされていますが、こういう用途なら大歓迎ではないでしょうか。(征矢野毅彦)

↑発表会ではギネス世界記録の認定式も。「霧ヶ峰」はルームエアコンの世界最長寿ブランドだそうです!!