商品研究商品研究3 LED照明

多い月は3割の電力消費量をカット
環境保全の貢献度が大幅アップ!

  • 市役所の庁舎全体の照明をLED照明に入れ換え
  • 採用モデルはアイリスオーヤマ製直管40形相当「ECO HILUX HE160S」
  • 試算では年間の照明電力消費量を約70%カット
  • 日常業務に一切支障の出ない入れ替え工事を実現

入れ替えで業務効率もアップ

「鶴ヶ島市役所の現庁舎が完成したのは1990年。それから建物や設備に大きな手は加えてきませんでした。しかし、LED照明の有効性についてはよく耳にしていましたし、そろそろ入れ替えを検討すべきだろうということで、地元の業者さんと話を始めたことがLED照明の導入の発端でした」

こう語るのは鶴ヶ島市総合政策部資産管理課の平野強主幹だ。鶴ヶ島市は、埼玉県のほぼ中央に位置する東京のベッドタウン。同市は子育て世帯への支援に定評があり、環境保全対策にも力を注いでいる。

その一環として2016年度に市役所庁舎の照明入れ替えを決定。本年1月からLED照明への入れ替え工事をスタートし、3月に完了した。

その狙いは消費電力量の削減と、これによるCO2排出量の抑制だが、平野主幹によれば「4月以降、庁舎全体の消費電力量は間違いなくダウンしている」とのこと。多い月には3割近いカット実績を出すなど、入れ替え効果は期待以上といえる。

入れ換えたLED照明の中でも、大半(3125本、予備を含めて3167本)を占めているモデルが、アイリスオーヤマ製の直管40形相当「ECO HILUX HE160S」だ。

同モデルはオフィス・店舗向けの主力モデルであり、全光束2000lmの明るさと、160lm/Wの消費効率を両立していることが特徴だ。しかも演色評価数がRa83と高く、色の自然な見え方にも定評がある。

他にも議場用の丸形LED照明や駐車場用のポールライト、庭園用の防雨器具対応タイプ、そして非常用照明まで、庁舎の大半の照明をLED照明化した。

表はそれによる照明の消費電力削減効果をシミュレーションしたもの。これによれば年間の削減率は約70%にも及んでいる。

しかもLED照明の約4万時間にも及ぶ長寿命性能により、既存照明のままでは今後7年間で必要となるはずだったランプ交換コスト(試算では約440万円)も不要になっており、LED照明への入れ替え効果は多方面にわたったといえる。

では、実際に庁舎で働く職員にとって、入れ替え後の評価はどうなのであろうか。

平野主幹によれば「入れ替え当初は少し眩しいという声もいくつかありましたが、今は皆無。逆に『明るくなって仕事がしやすくなった』という声をたくさん聞いています」とのこと。LED照明への入れ替えは、庁舎全体の業務効率化にもつながっているようだ。
■表 LED照明化による消費電力量の削減シミュレーション

既存照明 LED照明 入れ替え効果
タイプ 本数 年間消費電力(kWh/年) タイプ 本数 年間消費電力(kWh/年) 消費電力削減量(kWh/年) 削減率
直管40形 3,125 378,000 直管LED ECOHILUX HE160S 3,125 112,500 ▲265,500 約70%
その他照明 312 91,595 その他照明 312 30,378 ▲61,217 約67%

※)1日12時間点灯/駐車場照明と非常灯は365日点灯、それ以外は240日点灯とした場合のシミュレーション。メーカーの仕様を基に算出

バイパス工事を提案

今回のLED照明納入を担当したのは、落札業者の大和リースから業務を委託されたヤマダ電機法人事業本部の坂戸営業所だ。同営業所は今回の工事に先立ち、ある提案を行っている。

鶴ヶ島市ではLED照明への入れ替えにあたり、当初は地元の業者に相談したという。そこで出された提案は、バイパス工事を行わずにランプだけを直管形LED照明に入れ換えるというもの。その方が、工事費を安く済ませられるという理由からだった。

しかしながら坂戸営業所は、バイパス工事を行わずに古い安定器を残したままでは、ランニングコストを考えれば割高になると判断。数年のうちに安定器の交換工事が必要になるからだ。

本来不要なはずの安定器を、コストをかけて交換するのであれば、入れ替え工事を行う段階でバイパス工事を行う方が合理的であり、トータルコストも安くなる。こうした提案を大和リースに行ったという。

しかも、バイパス工事を組み込んだ見積書もリーズナブルであり、それを基にした見積価格で入札した結果「大和リースがどこよりも安かった」(平野主幹)という。

週1の定例会で工事を円滑化

実際の入れ替え工事では、市役所の日常業務に一切の支障を来さない配慮が何よりも求められた。工事が行われた1〜3月は年度末であり、市役所にとっては繁忙期ともいえるタイミングだった。このため作業は、平日の夜間から早朝、及び土日祝日に限定され、しかも2016年度中に完了させるという必須要件もあった。

そこで工事のマネージャーでもあった坂戸営業所の田副伸広所長は、市役所とのコミュニケーションを重視。毎週1回の定例会を開催し、そこでお互いの要望や不明点などをすべて出し合い、それらを着実にクリア。その結果を随時スケジュールに反映させながら、工事を進めるという手法をとった。

また、工事完了後に職員が違和感のないように、工事に先駆けてLED照明の実際の明るさを体感できるデモ室を庁舎内に設置。既存の蛍光灯とLED照明との光の質や明るさなどの違いを比較してもらったという。こうした配慮もあって、工事はほぼスムーズに進行でき、2016年度中に完了することができたという。

田副所長は「市役所に限らず事業所の照明入れ替え工事では、日常業務に支障を来さないことが大前提。個々の事業所に適したスケジュールの作成と、その着実な遂行が求められます。そのためには信頼できる工事スタッフとパートナーシップを組むことが、何よりも重要だと考えています」と話す。

今回の市庁舎の入れ替えを機に、鶴ヶ島市では市内の他の公共施設でも、LED照明の入れ替えを検討しているという。それによる環境保全への貢献度アップは、子育て支援に特に力を入れている鶴ヶ島市にとって、さらなるイメージアップにつながることになりそうだ。

安心と信頼の入れ替え工事を確約(株)ジェイハウス

今回のLED照明入れ替え工事でヤマダ電機とタッグを組んだのがジェイハウスだ。

同社は優れた技術力を誇る電機工事会社で、ヤマダ電機とのパートナーシップは20年にも及ぶ。各種制約のある事業所施設の工事を得意としており、今回も夜間&土休日という制約の中で、納期通りの工事完了を実現した。

同社の工事で特筆できる点は、営業責任者が現場監督として現場に常駐すること。一般的には工事職人だけを現場に派遣する会社が多いのだが、その場合、例えばトラブル発生時に対応の遅れなどが懸念される。

だが、現場監督が常駐すれば素早い判断が可能だ。また問題が起こりそうな箇所でも迅速にチェックできる。こうした基本姿勢が、工事品質の高さにつながっている。