事前記者説明会を開催「CEATEC JAPAN」“Society5.0”実現のキーワード
CPS&IoT両者の違いとは何か!?

 先日、「CEATEC JAPAN (以下CEATEC)」の記者説明会が開催されました。家電IT業界の祭典ともいえるこのイベントは今年、10月3日(火)から6日(金)まで、幕張メッセにて開催されます(主催:一般社団法人電子情報技術産業協会)。

 CEATECはこれまで、家電IT関連の新技術や新商品などの発表の場として発展してきましたが、昨年からその方向を「CPS/IoTの総合展示会」へと大きく転換。今年はさらにメインテーマとして「Society5.0の展示会」を掲げるとのことです。

 毎年、米国で開催されているCESもかつては「世界最大の家電見本市」をメインテーマとしていましたが、今では商品そのものの発表よりも、それらを繋ぐ技術やアプリケーション、そしてそれらがもたらす効用などに重きがおかれるようになってきています。

 世界の家電IT業界が、そうした方向へのシフトを加速しているだけに、展示会もその流れに沿うのは時代の必然でしょう。今回のCEATEC説明会に参加して、改めてそのことを再認識させられました。

カーナビと自動運転の違い

 ただし個人的には、いくつかのキーワードの理解が今ひとつあやふやなこともあり、具体的にイメージしづらい部分があったことも事実です。例えば「CPS(Cyber Physical System)」。正直なところ、IoTと同義語ぐらいにしか理解していなかったため、改めて「CPS/IoTの総合展示会」と併記されてしまうと、CPSとIoTの違いが曖昧な自分にはどうもしっくりときません。

 CPSをネットで調べてみると「ITと物理的なデバイスや機械を接続した高度なシステム」などと解説されていますが、これだけではIoTとの違いが分からない。そこで後日、恥を忍んで知人に両者の違い説明してもらったところ、次のように解説してくれました。

 「自動車の技術で考えると分かりやすい。例えばカーナビなどを使った経路案内や、渋滞情報の入手とそれによる経路変更などは、クルマ(車載機器)がインターネットを媒介にして、クラウドに蓄積されている情報を読み込んでから、最適な結果を判断してアウトプットしているという意味でIoT」

 「これに対して自動運転はCPS。クルマが目の前で起こっている交通状況をセンサーなどで感知し(Physical)、その対処法を搭載したAIで判断(Cyber)した上で、駆動系に具体的な動きとして指示している。自動運転はインターネット接続の有無に関係なく、機械とITとが高度に連携することで実現しているという意味でCPSといえる」

 こう聞くと「なるほど」とも思えます。CPSはより能動的というか自己完結型。現状の家電でいえばロボット掃除機がまさしくこれにあたるのでしょう。それに対してIoTの代表格は、今後の大ヒットが予測されているスマートスピーカーでしょうか。クラウドに蓄積された情報やコンテンツの中から最適なものを選んでアウトプットしてくれますが、その情報をもとにアクションを起こすのはあくまでも人間です。

 正直なところ、CPSとIoTに関してこの理解で正しいのかどうか、いまだに今ひとつ自信が持てないことも確かです。

 ただし、具体的なイメージを持たないまま、漠然とした理解だけで話に参加してしまうと、まったく本質が見えてきません。ですから当面は、こうしたイメージを頭の片隅に置きつつ取材にのぞみたいと思っています。今年のCEATECは、両者に関する近未来の技術やサービスが多数出展されるとのことなので、そこからより正しい理解が得られるのではないかと期待しています。

 CEATEC JAPAN実施協議会のエグゼクティブプロデューサー・鹿野清氏は「将来のものをカタチとして見せることは難しい。ぜひともカンファレンスに参加して、セミナーを通じてそのことを感じていただきたい」と話していました。これは事実だと思います。

 その意味では今年のCEATECは、まずは狙いを定めたカンファレンスを受講し、その上で展示会場を回るというステップが、近未来のCPSやIoTを理解するために重要といえそうです。(征矢野毅彦)