2017年、最新A3ビジネスインクジェット複合機が揃い踏み!好調のブラザー「WORKS」シリーズ
エプソンが「エコタンク」に新モデル

2017年は、A3ビジネスインクジェット複合機の最新モデルが相次いで登場しており、市場がにぎわっています。そこで今回、改めてインクジェット機のメリットと最新モデルの概要をレポートしたいと思います。

2017年の主な最新モデル

A3ビジネスインクジェット複合機を展開するメーカーといえば、ブラザーとエプソンです。キヤノンはMAXIFYシリーズが人気ですが、A3機はラインアップされていません。

まず2017年2月に、ブラザーがインクジェットプリンター「PRIVIO(プリビオ)」ブランドのビジネス向けハイエンドクラスとなる「WORKS」シリーズで、2段トレイモデルの「MFC-J6995CDW」と「MFC-J6980CDW」、1段トレイの「MFC-J6580CDW」の3機種を発売しました。それまでの主力機であったMFC-J6973CDWも継続販売されており、ビジネス向けモデルとして全4機種がラインアップされています。

●ブラザーのハイエンドモデル「MFC-J6995CDW」
製品名 MFC-J6995CDW MFC-J6980CDW MFC-J6580CDW
印刷スピード(A4) モノクロ22ipm
カラー20ipm
モノクロ22ipm
カラー20ipm
モノクロ22ipm
カラー20ipm
ランニングコスト(A4) モノクロ約0.9円
カラー約4.0円
モノクロ約1.3円
カラー約6.0円
モノクロ約1.3円
カラー約6.0円
ネットワーク 有線/無線 有線/無線 有線/無線
カセットトレイ数 2段 2段 1段
最大給紙枚数 600枚 600枚 350枚
耐久枚数 約15万ページ 約15万ページ 約15万ページ
本体サイズ W575×D477×H375mm
約23.5kg
W575×D477×H375mm
約23.4kg
W575×D477×H305mm
約19.8kg

一方、エプソンは前モデルから耐久性と使いやすさを向上させたA3ノビ対応ビジネスインクジェット複合機として「PX-M5081F」と「PX-M5080F」の新モデル2機種を2017年8月31日に発表(A3ビジネスインクジェットプリンター「PX-S5080」も同時発表)。同年10月上旬から発売します。

さらに、同社は本体に大容量インクタンクを搭載した「エコタンク」シリーズで、新たにビジネス向けにA3対応複合機「EW-M970A3T(*1)」とA3ノビ対応複合機「EW-M5071FT」も発表しており、M970A3T は2017年9月14日に発売、EW-M5071FT は同年11月から販売が開始される予定です。
(*1)スキャンはA4対応

●エプソンの「PX-M5081F」。2017年10月発売予定
製品名 PX-M5081F PX-M5080F
印刷スピード(A4) モノクロ18ipm
カラー10ipm
モノクロ18ipm
カラー10ipm
ランニングコスト(A4) モノクロ約2.5円
カラー約7.6円
モノクロ約2.5円
カラー約7.6円
ネットワーク 有線/無線 有線/無線
カセットトレイ数 2段 1段
最大給紙枚数 501枚 251枚
耐久枚数 15万ページ 15万ページ
本体サイズ W567×D452×H418mm
約22.3kg
W567×D452×H340mm
約18.8kg
●エプソンのビジネス向けエコタンク「EW-M5071FT」。2017年11月発売予定
製品名 EW-M5071FT EW-M970A3T
印刷スピード(A4) モノクロ18ipm
カラー10ipm
モノクロ13ipm
カラー10ipm
ランニングコスト(A4) モノクロ約0.4円
カラー約0.8円
モノクロ約0.5円
カラー約1.3円
ネットワーク 有線/無線 有線/無線
カセットトレイ数 2段 1段
最大給紙枚数 501枚 110枚
耐久枚数 8万ページ 5万ページ
本体サイズ W666×D486×H418mm
約23.5kg
W526×D415×H168mm
約10.5kg

印刷コストで注目のエコタンクモデル

ブラザーとエプソンの新モデルの登場により、2017年は久々に最新モデルが揃いました。インクジェット機の利点として挙げられることの多いポイントといえば、「導入のしやすさ」「低ランニングコスト(印刷費/消費電力)」「ファーストプリントの速さ」「ビジュアルの豊かさ」といったことではないでしょうか。こうしたインクジェット方式のメリットをいかしながら、業務に耐え得る耐久性や性能、機能などを備えたのがビジネスインクジェット複合機の特徴といえます

例えば、大型のA3カラー複合機を導入しようとした場合、設置スペースや契約消費電力(最大消費電力が大きいため他のOA機器環境との兼ね合いによっては見直しが必要となる)を考慮しなければなりませんが、ビジネスインクジェット機は筐体が小型で、消費電力も最大時でも数十ワット程度です。それこそアパートの一室をオフィス代わりにしている小規模事業者などでも気兼ねなく設置できるというわけです。

導入のしやすさと共に、ビジネスインクジェット機の人気を押し上げているポイントが「低ランニングコスト」です。ビジネス複合機やプリンターの標準方式ともいえるレーザーやLEDタイプに比べ、ビジネスインクジェットのプリントに要するコストは1枚当たり2分の1前後。印刷枚数の多いオフィスや業務にとっては、大きな魅力といえます。

しかも、このランニングコストの点で注目しておきたいのが、インクジェットタイプに登場した新たなカテゴリーである「大容量インクタンク搭載」モデルです。大容量インクタンク搭載モデルとは、インクカートリッジを装着するのではなく、本体に大容量のインクタンクを搭載。そこにインクを補充する方式のインクジェット機です。エプソンが2016年2月から「エコタンク」シリーズとして発売を開始しました。

当初、ビジネス用途では様子見の状態でしたが、「個人経営やSOHOなどでビジネス文書の印刷や、飲食店でのメニュー、小売店でのPOP印刷など幅広く使われている」ことから、ビジネスを意識した前述のEW-M5071FTとEW-M970A3Tを投入したわけです。

その特徴は、大容量タンクによるインク交換の手間削減と圧倒的な低印刷コストといえます。例えば、前掲したEW-M5071FTのスペック表からも見て取れるように、1枚当たりの印刷コストはモノクロ約0.4円/カラー約0.8円というもの。一般的なビジネスインクジェット機よりも、さらに経済的なコストが実現されています。とはいえ、耐久枚数は少なく本体価格も高いので、導入には印刷ボリュームなどを考慮したシミュレーションが必要になりそうです。

エプソンはエコタンクモデルを2010年からインドネシアや中国などで発売をスタートさせ、2014年からはヨーロッパでも展開を開始しました。「いずれも好評」とのことで、国内でも徐々に認知度が上がってきており、今後どのように評価されていくのか興味深いところです。

新カテゴリーも追加され、2017年後半はA3ビジネスインクジェット複合機の最新ラインアップが充実します。レーザー/LED方式とインクジェット方式には、それぞれの特徴があり、それを理解して適材適所で使い分けたり併用したりしたいものです。(長谷川丈一)