次世代A4ノートPC「LAVIE Note NEXT」3方向からノートPCを再定義/NEC
テーマは「速さは正義」「引き算の美学」

 「2002年には4.1年だったパソコンの買い換えサイクルが、今や6.8年まで長期化。故障するまで買い換えないというユーザーが増えてきています。それは我われメーカーが、“故障する前でも買い換えたい”と思っていただける商品を出せていないということ。今回の新商品では、この問題意識を前提にノートPCを再定義しました」

 こう語ったのはNECパーソナルコンピューティングの執行役員・河島良輔氏です。NECが先週行った新型ホームノートPC「LAVIE Note NEXT」の発表会冒頭で、かなりの危機意識を見せつつ、このように語りました。

 確かに国内のパソコン需要は減少傾向に歯止めがかかっておらず、2017年度4-8月期の国内出荷は台数ベースで前年同期比92.9%の246万台。特にA4サイズのホームノートPCのシュリンクが顕著で、前年同期比89.7%の141万台にまで落ち込んでいます(すべてJEITA統計)。A4ノートPCはパソコンの出荷構成比で6割近くを占める主力モデルだけに、PC市場がかなり深刻な状況にあることは確かです。

 個人的には、自宅ではA4ノートを使い続けており、今のモデルが3代目。それ以前はデスクトップ派でしたが、場所をとらず、しかも高性能&高機能ということで、この十数年は趣味でも持ち帰り仕事でもA4ノートを重宝しています。ただし現在使用中のWin.10マシンの買い換えとなると、特に不満もないだけに、まだまったく考えていないというのが正直なところ。多分、世の中には同じような考えのユーザーが、ごまんといるのでしょう。

3方向からノートPCを再定義

 NECはそういったユーザーへの新たな提案として、LAVIE Note NEXTを新開発したわけです。敢えて「ノートPCの再定義」という表現を使ったあたりに、同社の自信がうかがえるといったところでしょうか。再定義した大項目は具体的に次の三つ。

1.機能的価値:速さ・パフォーマンスの改善
2.情緒的価値:使い心地の改善
3.自己表現価値:所有欲を満たすデザイン・質感等
――各項目の中から代表的な再定義を見ていきましょう。

 まず1の機能的価値ですが、「速さは正義」のテーマの基、OSの起動時間を約10.6秒にまで短縮しています(フラッグシップ「NX850」の場合)。同社製2011年モデルが約61秒だったとのことで、一気に6倍近い速さを実現。高速SSD(PCle)とHDDのハイブリッド搭載により実現したとのことですが、これは確かに「再定義」の名に値する改善といえるでしょう。毎朝のOS起動待ちには今や慣れっこになっていますが、そこから解放されることの意義は非常に大きいのではないでしょうか。この技術は今後、幅広いモデルで採用してほしいものです。

 2の情緒的価値では、ユーザーとの物理的インターフェースであるキーボードを全面的に見直したとのこと。これについてはニュースリリースで次のように解説しています。

 「すべてのキーを個別に計測・評価することで、均質で心地よい打鍵感を実現。不快なたわみを排除するため、キーボードを27個ものネジと金属板で固定しています。さらに、打鍵音の静粛性も追求し、キートップを支える構造を見直して可動のブレを減らすことで、耳障りな帯域のノイズを半減させ、長時間入力でのストレスを低減しています」

 NECがいう“打鍵感”については、ユーザーそれぞれで評価が分かれるところでしょう。個人的には現在使っているA4マシンよりは、キーの押し込み感が深く、悪くはないと感じました。ただし、キーボードについてはデスクトップのものがベストだと考えており、それとの比較ではまだモノ足りないというのが正直なところ。ノイズの半減にもこだわったとしていますが、それよりも押し込み感の深さを追求してくれた方が、個人的にはありがたいと思いました。

 3の自己表現価値については、デザインに関して従来機と比べ、大きく変わったことは確かです。同じ画面サイズながら狭額縁ガラス液晶の採用等で、一回り以上コンパクトになっています(奥行き▲27mm、幅▲21mm)。しかも、従来までのデザインがボリューム感のあるゴージャスな方向だったことに対して、LAVIE Note NEXTは極めてシンプル。NECではこれを、無駄を省いた“引き算の美学”としています。

 このデザインは悪くないと個人的には思いました。何より面白かったことは、2016年モデルと2010年モデルとの比較写真です。どちらも外観はほとんど同じ。つまり昨年までは、デザインにまったく手を付けられていなかったわけであり、そのことを一つとっても、「故障前に買い換えたいと思える商品ではなかった」といえるのかもしれません。

 商品企画本部の森部浩至氏は「今までとは違う商品にすること。そのために、すべての機能を徹底的に見直し、本当に必要なものだけを精査・検証した」とのこと。その意欲が伝わってくる商品であることは確かだと思います。価格も最上級のNX850で税別21万円前後と、従来のイメージよりは低め。年末商戦では税込20万円以下も期待できるでしょう。再定義されたノートPC「LAVIE Note NEXT」を皆さんはどう感じるか、ぜひとも店頭で確かめてみてください。(征矢野毅彦)