ロボホンが手話を通訳:NTTデータ&シャープ国内初! AI技術を活用した
ロボホン手話通訳アプリを共同開発

 NTTデータとシャープが、モバイル型ロボット電話「ロボホン」向けの「手話通訳アプリ」を開発した発表しました。

 聴覚障がい者がロボホンに向かって右手を挙げると、それが手話を始めるという合図。合図を受けてロボホンはAI技術(ディープラーニング)で手話の動きを認識・分析。手話の意味する単語を日本語で発話したり、スマートフォンなどの外部端末にテキスト表示します。その逆にも対応しており、ロボホンが健聴者の発話を認識して、その内容を外部端末に表示し、聴覚障がい者とのコミュニケーションを可能にします。

 ただし、現状では「こんにちは」や「楽しい」など数十の単語が認識できる程度で、「手話初学者の練習に対応できるレベル」とのこと。そして現状の単語レベルの理解から、今後は文章を認識できるレベルにまで、開発を進めたいとのことでした。

本格的な実用化までには、まだ少し時間がかかりそうですが、なかなか面白い着眼点のアプリだと思いますし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、活用シーンが大きく広がりそうな予感もあります。

手話通訳者の不足をサポート

 NTTデータによれば、世界の聴覚障がい者数は約3億6000万人。日本国内では約32万人が手話を必要としているとのこと。ところが現状では手話通訳者の少なさや、健聴者が手話を学ぶ機会の少なさなどが課題となっており、健聴者と聴覚障がい者とのスムーズなコミュニケートを阻害する要因になっているとのことでした。

 NTTデータはこうした現状を少しでもクリアするために同アプリを開発。同社のAI&IoTビジネス部・谷中一勝部長は「手話通訳者の少なさという不便を解消すると共に、ロボホンをきっかけとして、一人でも多くの健聴者が手話に興味を持ってくれることを期待している」と語っていました。

 そもそも開発のきっかけとなったのは今年6月、NTTデータが社内で行った「ロボホン・サービスアイデアコンテスト」だったとのこと。約50件の応募があり、今回発表された手話アプリはこのコンテストで最優秀賞を獲得したもの。他にも水面下ではいくつかのアプリが、実用化に向けて準備を進めているようです。

 関係者によれは、同コンテストに応募されたアイデアには、次のようなものがあったとのこと。
■ロボホンが電話の取り次ぎをする「オレオレ詐欺撲滅ロボホン」
■ロボホンを介して銀座のクラブのママと会話できる「銀座クラブロボホン」
■ロボホンが会議をとりしきる「会議室長ロボホン」
■ロボホンを通じて見知らぬ人とマッチングし会話をする機会を作る「チャットロボホン」
Etc.

 これらはいずれも2次審査には進めなかったものですが、実現すればなかなか面白そうです。何よりロボホンの実用的な使い勝手が広がることは確かでしょう。

 発表会では「手話通訳アプリは、ロボホン向けに限定しなくても、スマホ向けアプリとして開発してもいいのではないか」という質問もありました。これに対してNTTデータでは「スマホ用アプリとしての開発も可能だが、ロボホンならではの、コミュニケーションツールとしての可愛らしさ・素晴らしさが重要」と回答。確かにコミュニケーションをより円滑化するためには、ロボットという形状が役に立ちそうな気がします。(征矢野毅彦)