ミラーレス一眼/「新商品」レポートLUMIX史上最高画質を実現した「G9」
本腰入れたパナのフラッグシップ機

2017年11月16日、「LUMIX史上最高の写真画質」を掲げ、パナソニックがミラーレス一眼の新モデル「LUMIX G9(WebではG9 PRO)」を発表。11月上旬に海外で先行発表されていましたが、国内でも正式にアナウンスされ、2018年1月下旬から販売を開始するとしました。

パナソニックのハイエンドクラスのミラーレス機では、「GH」シリーズが有名。その最新版である「GH5」には多彩な動画機能が搭載されており、動画撮影モデル的な印象が強いイメージです。これに対して、「G」シリーズは静止画のフラッグシップモデルとして位置づけられており、正統派写真機の流れをくむシリーズともいえます。

G9は前モデルであるG8の後継機となります。スペックアップ的な進化も多いですが、個人的には「いよいよパナソニックが静止画でも本領を発揮してきた」という印象を受けました。新商品の概要をレポートします。

パナソニックが本気になった!?

LUMIX G9はオープン価格ですが、予想価格はボディのみの「DC-G9」が税別21万円前後、標準ズームライカDGレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0ASPH. / POWER O.I.S」とのレンズキット「DC-G9L」が税別29万円前後とのことです。

●LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0ASPH. / POWER O.I.Sを装着したLUMIX G9

スペック面での進化は後述するとして、一見して感じた印象は、「デジタル一眼レフライクなボディに仕上がっている」ということです。前機種G8は、どことなく野暮ったいイメージ(個人的感想ですが)でしたが、G9は静止画を扱う上で、より洗練されたデザインではないでしょうか。

細かなデザインチェンジは多々ありますが、最も変化を感じたのが本体上部に新たに装備された「ステータスLCD(表示パネル)」の存在です。ミドルレンジ以上のデジタル一眼レフを使う方ならご存じでしょうが、このクラスでは表示パネルの搭載は一般的で様々な撮影設定の確認や変更に使用します。

これに対して、多くのミラーレス機やデジタル一眼レフのエントリー機などでは、背面の液晶モニターを使用する構造です。もちろん個人の好みや慣れにもよりますが、表示パネルは液晶モニターよりもスピーディーな操作を実現してくれるのではないでしょうか。

また、G8では搭載されていた内蔵フラッシュがなくなり、フラッシュ撮影では発光容量の大きい外付けストロボをオプションで装着することが前提となりました。この辺りも、本格的な撮影を意識してのことでしょう。

もともとGシリーズは同社の「静止画撮影のフラグシップ」という位置付けでしたが、今回のデザインチェンジだけを見ても、かなり本腰を入れてきたと感じたわけです。

LUMIX史上最高画質

冒頭で述べたように、「LUMIX史上で最高の写真画質を実現した」というだけあって、静止画撮影に関連するスペックアップや新機能がいくつも追加されています。例えば、「イメージセンサー」「ボディ内手ブレ補正」「ハイレゾモード」は、同社も強くアピールしています。

イメージセンサーは有効画素数約2033万画素にスペックアップし、前モデルから継承したローパスフィルターレス設計により細部まで高解像度を実現しています。さらに、センサー表面にはAR(Anti Reflection)コーティング処理を施し、逆光撮影時に発生しやすい反射を防止。写真の仕上がりに影響を与えるフレアを抑制します。

手ブレ補正はボディ内蔵タイプなので、装着するレンズタイプを問わず手ブレ補正効果を得ることが可能です。その効果は6.5段分と世界最高を訴求しています。

ハイレゾモードは、イメージセンサーを動かしながら8連写して、カメラ内で自動合成処理を行い1枚の画像に仕上げる機能。通常撮影では約2033万画素ですが、この機能なら約4倍の8000万画素の高解像度の作品づくりが可能となります。

さらに、オートフォーカス(AF)関連も強化。AFの合焦速度は世界最速の約0.04秒で、動体へのAF追従性能も向上させたとのこと。特に、奥行き方向の距離検出精度が向上したといいますから、手前に向かってくる被写体に強そうです。連写スピードもスペックアップしており、AF追従で約20コマ/秒、AF固定では約60コマ/秒となっています。いずれも、フル画素とRAW記録に対応しているので、かなり動体撮影に強いと思います。

これ以外にも、ディープラーニング技術により被写体の顔が正面を向いていなくとも顔や瞳を補足できる「顔・瞳認識AF」やパナソニック独自の高速連写機能「6Kフォト/4Kフォト」、撮影状況に応じて倍率を切り替えられる約368万ドットの「高精細OLEDファインダー」など、静止画を美しく撮るための機能が盛り込まれていることが印象的でした。

マグネシウム合金フレームを採用した防じん防滴設計で、シャッター耐久性20万回、耐低温性能マイナス10度など、プロ向けモデル並みの堅牢性も備えています。デジタル一眼レフが駆逐されることはないでしょうが、光学ファインダーの優位性がいかされる撮影シーン以外では、ミラーレスタイプのデジタル一眼がますます大きな存在感を示すのでは、と考えさせるモデルではないでしょうか。(長谷川丈一)