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概要

レーザー/LEDとBIJの違いを再確認
賢く使い分けるための3つのポイント
  • レーザー/LEDとBIJを相補的に使い分けて生産性向上やコスト削減を実現
  • ビジュアル重視ならBIJ。インクのタイプも要チェック
  • ランニングコストを徹底追及するなら、インクタンク搭載BIJに注目
  • 大容量の印刷はレーザー/LED、少数多頻度ならBIJに強み

 業務用プリンターには、大きく「レーザー/LED」と、業務での使用を意識して設計開発された「ビジネスインクジェット(以下BIJ)」の2方式があることは周知の通り。

 単純に、「どちらの方式の機種を選ぶべきか」という二者択一的な視点で導入を検討しがちだが、これは避けるべき考え方といえるだろう。

 というのも、レーザー/LEDとBIJには、それぞれ方式の違いによる特徴がある。それを理解し、相互補完的な視点から用途に合わせて適材適所に導入することが、生産性の向上やコスト削減につながるからだ。

 例えば、「コスパに優れたFAX非搭載の高性能レーザー/LED複合機を印刷やコピーのメインに、使用頻度の少ないファクス送受信や写真印刷はBIJで行う」といった導入により、初期コストを抑え、適切な印刷品質の管理が可能となる。

 そこで、レーザー/LEDとBIJを使い分けるために知っておくべきポイントとして、「画質」「コスト」「速度/耐久性」の3項目を確認したい。

■表 レーザー/LED&ビジネスインクジェット(BIJ)の使い分けのポイント


 

ポイント1:画質

 画質は、レーザー/LEDとBIJを使い分ける上で、大事な項目だ。普通紙への印刷品質という点では、いずれの方式を選択してもビジネスにおいて基本的に何の問題もない。使い分けの視点は、「テキスト重視」か「ビジュアル重視」か、といった点だ。

 テキストの品質を重視したいならば、やはり長くビジネス向けの主流として使われてきたレーザー/LEDがよい。

 BIJも、顔料インクの採用により普通紙への印字品質が向上し、課題とされていた耐水性やにじみは解決されている。だが、両方式で出力した印刷物を見比べると、印字のエッジ(シャープさ)などはレーザー/LEDが優れているからだ。特に、LEDは一般的なレーザー方式よりも描画のためのスポット径が小さいので、細い線などを高精細に印字できる。

 また、書いた文字を消せるフリクションボールペンがビジネス現場で重宝されている。だが、「BIJで作成した資料への同ペンによる書き込みを消すと、印字もこすれて汚くなる」といった事象も報告されている。すべてのBIJで発生するわけではないだろうが、頭の片隅に入れておきたい。

 ビジュアル重視とは、写真などの印刷品質にこだわった使い方だ。この点では、BIJが優れていることはだれもが認めるところだろう。機構上、熱を使わないので光沢紙やフォト紙など様々な専用紙にプリントでき、発色は鮮やかだ。

 さらに、チェックしておきたいポイントが、BIJのインクには全色顔料タイプと顔料と染料を併用するハイブリッドタイプがあること。発色性を重視するなら、後者を選びたい。専用紙印刷で、鮮やかな発色が特徴である。

 例えば、CMYK染料とブラック顔料のハイブリッドモデルは、普通紙へのテキスト印刷と専用紙への写真印刷の両用途に活用できる。

ポイント2:コスト

 ビジネスプリンターをコスト視点で見た場合、「初期コスト」と「ランニングコスト」がある。

 初期コストは、周知のように導入時の本体価格のこと。同等クラスのモデルを比べると、BIJタイプの方が圧倒的に安い。このため、機能や性能を相補的に考えて、レーザー/LEDと組み合わせることで、導入コストを削減できるわけだ。

 ランニングコストは「印刷費」と「消費電力」に細分化でき、これらの点でもBIJにアドバンテージがある。

 モノクロ印刷では、両方式ともA4サイズで1枚あたり2円台から3円前後と大きな差はないが、カラー出力においてBIJはレーザー/LEDの半分から3分の2程度とコスト削減効果が大きい。

 さらに、徹底して印刷費を削減したい用途には、新カテゴリーのインクタンク搭載モデルに注目しよう。

 カートリッジ型ではなく、本体に搭載された大容量タンクにインクボトルから充填するタイプで、国内ではエプソンが「エコタンク」ブランドとして製品化している。

 レーザー/LEDも低消費電力化は進んでいるが、熱を使わない機構的な優位性から、BIJの省エネ性が高い。

 消費電力は動作時で数十ワット、印刷待機状態のレディーモードで数ワットだ。トナー定着に熱を必要とするレーザー/LEDはA4機でも最大時には1000W近くまで達する。なお、スリープモード時の消費電力は両方式ともほぼ同じである。

ポイント3:速度/耐久性

 速度/耐久性は、「いかにストレスなく快適に原稿を出力できるか」を左右するポイントだ。使い分けるための視点は、「大ボリューム印刷」と「少数多頻度印刷」の2つである。

 大ボリューム印刷とは、数十枚の大量原稿を一度に複数部出力するような使い方で、この用途ではレーザー/LEDタイプが向く。大量原稿を処理する快適性に影響する連続印刷速度に、一日の長があるからだ。

 両方式で測定条件が異なるため単純に比較はできないが、カタログ上ではレーザー/LEDとBIJに大きな違いはなくなってきた。だが、「連続印刷速度が同等クラスの場合、レーザー/LEDの方がBIJよりも速い」(メーカー関係者)とのこと。これは機構上の問題という。

 用紙幅と同じ長さの感光ドラムの回転により印字と排出が同時に行われるレーザー/LEDに対して、BIJはプリントヘッドを左右に可動させながら印刷し用紙を搬送するため、わずかだが時間がかかる。

 印刷する枚数が増えるほど、この差が積み重なり、大きな差となって速度に影響してくるというわけだ。

 加えて、大ボリューム印刷では耐久性や給紙トレイの拡張性なども関係する。BIJも上位機では15万枚程度まで向上しているが、耐久性はレーザー/LEDが勝る。給紙トレイの拡張性にしても、BIJではそもそも増設トレイを増やせないモデルが多いことを考えると、大量印刷にはレーザー/LEDが適するといえるだろう。

 一方、少数多頻度印刷ではBIJを使うとよい。数枚程度の印刷ではジョブ指示から1枚目が排出されるまでのファーストプリントが快適性に影響するが、同スペックにおいてBIJはレーザー/LEDと差はなく、電力を大きく消費することなくレディー状態で待機できるため、ジョブ指示を出せば即座に印刷できるからだ。

 最近は、省エネ視点から使用しない時間帯はスリープモードに設定するオフィスも多い。同モードから印刷する場合、感光ドラムを予熱するリカバリータイムが必要なレーザー/LEDに対し、BIJはリカバリーが不要、もしくは短時間で済む。仮に、ファーストプリントタイムが同じでも、リカバリーが要らない分だけBIJが有利といえる。

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 この他、コンシューマー向けから発展してきたBIJには、レーザー/LEDにはない機能が搭載されているといった違いもある。3つの視点を中心に両方式を賢く使い分けてほしい。