商品研究商品研究3 LED照明

主要メーカーが蛍光灯器具を生産終了
2030年LED照明の普及率100%へ
  • パナソニックをはじめ主要各社が蛍光灯器具の生産終了を発表
  • 日本照明工業会(JLMA)が発表した「照明成長戦略2020」に準拠
  • 目標は、2020年以降の新規蛍光灯器具販売をゼロに!
  • 2020年以降の使用済み蛍光灯処分では大きなコスト負担が発生か!?

 「2019年3月末に蛍光灯照明器具の生産を終了。これによりすべての分野における蛍光灯照明器具の生産を終了し、今後は高効率LED照明器具の普及を加速させていきます」

 これはパナソニックが2017年10月2日に発表したニュースリリースの一節だ。照明市場ではLED化の流れが急速に進んでいるが、この発表は時代の変革を明確に示したものとして密かに注目されている。

 パナソニックでは器具の生産終了後も「蛍光灯の生産はメンテナンス用として継続する」としているが、生産・出荷ペースが大きくダウンすることは間違いないだろう。

 パナソニックに限らず主要照明器具メーカーは蛍光灯器具の生産終了をアナウンスしている。

 これは日本照明工業会(JLMA)が発表した「照明成長戦略2020」に基づくもの。“あかり文化の向上と地球環境への貢献”をビジョンに掲げており、「半導体照明(SSL)の普及加速により、地球環境への貢献と国際展開を目指す」としている。


 

蛍光灯処分コストが高騰!?

 この目標を実現するための具体策として次の2点をあげている。

(1)2020年SSL器具普及率

・フロー(器具の新規発売):100%
・ストック(既設置の器具):50%

(2)2030年SSL器具普及率

・ストック:100%(政府目標)

 つまりメーカー各社の蛍光灯器具生産終了宣言は、2020年のSSL器具フロー普及率100%を実現するためには必須というわけだ。

 2020年から新規の供給を止め、SSL器具への入れ替えを促すことにより、その後10年をかけて政府目標である2030年ストック普及率100%を実現しようというわけである。

 2020年目標については、あまり時間が残されていないが、少なくともフローについては「実現の可能性が極めて高い」と予測する関係者が多い。というのも、国内の照明器具出荷動向では、2013年の段階でSSL器具が60%以上を占めており、ウェートが急速に高まっているからだ。

 問題はストックの普及率だ。使用中の蛍光灯器具については、「入れ替えか継続使用か」の判断は個々のユーザーに委ねられるからだ。

 LED照明の有効性に関する基本情報は、すでに相当な広範囲にまで浸透していると考えられるが、それにもかかわらずいまだに入れ換えないユーザーには、何らかの理由や事情が存在することが考えられる。「これを覆すのは簡単ではない」との悲観的な観測が聞かれていることは確かだ。

 ただし、蛍光灯器具の生産が中止される2020年以降は、蛍光灯の処分も簡単ではなくなるとの予測もある。例えば「使用済み蛍光灯処分費の高騰」や「使用済み蛍光灯の処理に対応できない自治体の増加」などである。

 使用済み蛍光灯の処分では、内蔵する水銀の扱いに最大限の配慮が必要となるが、ある関係者は「そのコスト負担が蛍光灯ユーザーに、大きくのしかかる可能性は否定できない。そこまでいけば、LED照明へ移行せざるを得ない社会環境になるだろう」と予測する。

 この関係者の予測のようになるか否かは不明だが、蛍光灯の普及率が急速にダウンすることで、その処分にかかるコストが、社会的な非効率性を高めることは確かだろう。その意味でも2020年までに、LED照明化を完了することの意義は、小さくないように思われる。