ビジネスPC/Windows 10 Pro残り2年! Windows 7の延長サポート終了
Windows 10 Proを理解し早期移行が得策

例年、年末年始は自宅仕事用のIT環境を見直すことにしています。今年はビジネス用に使っているPCが何台かありますが、その基本ソフト(OS)の入れ替えを検討しました。

ホーム用途で使っているPCはWindows 10ですが、ビジネス用のPCについては、いまだWindows 7のまま。こうした状況の小規模事業者や中小企業も多いのではないでしょうか。しかし、Windows 10がリリースされてから約2年半が経過しています。また、Windows 7の延長サポートが2020年に終了することもあり、この機会に入れ替えを検討。結論としては、Windows 10 Proにリプレイスをしました。

Windows 10については、本誌61号(2017年11月30日発行)のPR記事に関連していろいろと取材しましたが、あらためて実体験とあわせて、その特徴をレポートしてみたいと思います。

Windows 10の基本コンセプト

まず、Windows 10は最後のメジャーアップグレードとして常に最新機能が使えるという点で、従来OSのバージョンとは大きく異なっています。年2回の機能更新や毎月の品質更新が行われることに加え、クラウドベースの機能については日々アップデートされています。

例えば、2017年に行われた機能更新では、WordやExcel、PowerPointに3D画像を取り込めるようになりました。具体的には、「ペイント3D(*1)」で作成した3D画像や、マイクロソフトが運営する3D画像共有コミュニティ「Remix 3D」上の素材などを取り込めます。少し試してみた程度ですが、PowerPoint上で3D画像を動かすこともできるので、使い方によってはビジネスのプレゼンテーションなどにも役立ちそうです。この他、AIの画像認識技術を活用した動画編集アプリなども使えるようになりました。
(*1)2017年春のアップデートで追加された機能

●マイクロソフト運営の「Remix 3D」。様々な3D素材が投稿されている

こうしたコンセプト転換の背景として、マイクロソフトでは技術進化の速さを挙げています。従来のように、数年に一度のバージョンアップを待っての機能提供では、技術に機能が追い付きません。タイムリーにユーザーへ便益を届けるには、常に最新テクノロジーと共に進化し、それをさまざまな機能として日々アップグレードしていくことが必要なのでしょう。

Windows 7には、こうした機能更新はありません。現状、セキュリティの脆弱性が発見された場合に、修正アップデートが行われているだけです。機能もセキュリティも含めて、常に最新状態を求めるなら、Windows 10への移行を勧めたところです。

「ビジネスならWindows 10 pro」を実感

定期的な機能更新と日々のアップデートといった基本コンセプトは、すべてのWindows 10のエディションに共通しているものですが、仕事で使う上で強くアピールされているのが、「ビジネスで使うならWindows 10 pro」というフレーズ。理由はいくつかありますが、主に挙げられているポイントは「業務効率化」と「セキュリティ」の2つです。

Windows Update for Businessは不可欠

このうち、個人的に実感できたのが前者です。業務効率化というと分かりにくいですが、Windows 10 Homeベースで使っている家族用PCで気になっていたのがOSの自動更新です。Windows 10は常に最新テクノロジーを使えるがゆえに、割と頻繁にアップデートが行われています。

家族のプライベート用なので使う機会が多くないとはいえ、使用中にいきなり自動更新がスタートすると不便でした。これがビジネス用途ともなれば、不便どころではなく、業務が滞る可能性があるかもしれません。

Windows 10 Proはビジネス向けというだけあって、Windows Update for Businessという機能により、この点も安心です。アップデートのタイミング(時間)を指定できるので、不意の自動更新によりPCでの作業が止められるということがありません。実際、PC使用中に更新を促すウインドウが表示されたことがありましたが、PCを使う予定のない夜中に時間指定。翌朝には、アップデートが終了しており、スムーズにPCを使うことができました。

規模の小さい事業者などは、価格が安いからとWindows 10 Home搭載PCを選びがちですが、 Homeエディションは個人用途が前提なので、機能設計に管理という概念が含まれていません。

これに対して、Windows 10 Proはビジネス向けバージョンだけに、業務に関わるさまざまな機能が標準で備わっています。例えば、社内ネットワークのドメイン管理にはProエディションが不可欠ですし、Office 365 Businessとの組み合わせによりビジネス関連の機能や管理ツールをほぼフル活用できるようになっています。

ビジネス用途といえども、規模が小さいと管理機能は不要という考え方もあるかもしれませんが、将来的には必要になる可能性もあり、何よりもアップデートのタイミングを調整できるという機能だけでもProエディションを選ぶべきだと実感しました。

多層防御によるセキュリティ

個人的には、定期的な更新により常に新しい機能を使えることは魅力的でしたが、事業者によっては仕事に必要ないというケースもあるでしょう。そうなると、Windows 10へ移行する理由がないようにも思えますが、注目したいポイントがセキュリティといえます。

実際、マイクロソフト自身が「Windows 7では力不足。少しでも早くWindows 10 Proに移行してほしい」と指摘しています。この理由は、サイバー犯罪者にとってはWindows 7は攻撃コストが安いため、狙われる頻度が圧倒的に多いことや、Windows 10 Proのセキュリティ性能が飛躍的にレベルアップしていることなどです。

Windows 7の登場時、多層防御による優れたセキュリティ性能が話題となりましたが、すでに8年前のこと。さまざまなテクノロジーが進化する中、組織化による手口の高度化や標的型攻撃などの新たな脅威の出現など、サイバー環境の脅威も同じように進化してきました。

このため、当時の脅威を前提にセキュリティ設計されたWindows 7は、もはや古いというわけです。これに対して、Windows 10は新しい脅威に合わせた多層防御の考え方に基づいて設計され、さらにビジネス向けのWindows 10 Proには、さまざまな防御機能が搭載されています。

もちろんセキュリティベンダーが提供する総合セキュリティソフトも効果的ですが、OSの設計レベルから考えられたセキュリティは追加ソフトにはない根本的な対策となるのではないでしょうか。サイバー攻撃のリスクが高まっている状況下、この点は個人的に移行の大きな決め手ともなりました。

しかも、前述したようにセキュリティ機能なども日々アップデートされています。最近はクラウドベースのセキュリティが主流ですが、マイクロソフトも例外ではありません。ある意味、同社のセキュリティ能力とビッグデータにもとづいた機能更新は、他社から抜きん出ているともいえます。

というのも、マイクロソフトは米国防総省(ペンタゴン)に次いで、世界で2番目にサイバー攻撃の標的となっており、自社の情報を守るためのノウハウを蓄積してきました。また、OSやクラウド、Eメールなど世界規模でさまざまなサービスを展開しています。そこを入口に、膨大な攻撃のシグナルがリアルタイムで集まるため、それら情報をビッグデータとしてAIや研究スタッフが解析して、Windows 10 Proのセキュリティ機能に反映させているわけです。

考え方にもよりますが、マイクロソフトは「Windows 10 Pro搭載PCなら総合セキュリティソフトを追加する必要がない」としており、そうなればコスト削減効果が期待できるのではないでしょうか。

Windows 10 Pro導入後、2週間以上が経ちましたが、それまで使っていたソフトや周辺機器は問題なく動作しています。新OSへの移行は、PCはもちろんのことプリンターやNAS、ビジネスソフトなどのIT環境を見直すよい機会となるため、関連機器の入れ替えも考えていましたが、その必要もなく今のところ快適に使えています。

現状、Windows 7を継続利用している理由には「別に困っていない」「コストをかけたくない」「ソフトや周辺機器が使えなくなるのでは」など、さまざまあると思いますが、いずれは移行しなければならないもの。それならば、早い段階で移行して慣れておくのもよいのではないでしょうか。(長谷川丈一)