ビジネスインクジェット複合機/「新商品」レポート新方式の「インクパック」システム採用
A4対応「PX-M884F」&「PX-S884」

エプソンは、同社が展開するスマートチャージモデルで採用している「インクパックシステム」を搭載したビジネスインクジェット複合機とプリンターを2018年1月25日から発売すると発表しました。従来のインクカートリッジシステムや同社のエコタンクシステムとは何が違うのか。新モデルの特徴をレポートします。

省スペースと大容量インクを両立

新モデルは、A4インクジェット複合機「 PX-M884F 」とA4インクジェットプリンター「 PX-S884」の2モデルです。

●A4対応ビジネスインクジェット複合機「PX-M884F」
項目 仕様
ランニングコスト(税別) カラー:約6.1円/モノクロ:約1.8円
印刷速度 カラー:約24ipm/モノクロ:約24ipm
耐久枚数 15万ページ
標準給紙枚数 330枚(用紙カセット250枚/MPトレイ80枚)
最大給紙枚数 880枚(増設カセット550枚使用)
自動両面印刷 標準
ネットワーク対応 有線LAN/無線LAN
用紙サイズ L判~A4
本体サイズ 収納時:425×535×457mm/使用時:425×578×549mm
質量 約19.1kg(消耗品含む)

インクパックシステムとは

最も大きな特徴は、インクシステムにインクパック方式を採用していることです。インクパックシステムは、一般的なインクカートリッジやボトルからインクタンクに注入するエコタンク方式とは異なるもの。インクが充填された袋状のパックタイプとなっています。

●4色のインクパック

インクパックのメリットは、インク量を大容量化できること。実は、インクカートリッジにはインクが充填された袋が内蔵されており、インクパックはカートリッジの外側のケースを外したものともいえます。ハードケースが外れたことで形状設計の自由度が増したことにより、大容量化や後述の省スペース化が実現できたわけです。

インクパックモデルは、同社のインクカートリッジタイプのモデルと比べて、モノクロで約4倍近い大容量化が実現されています。1パックでモノクロ文書を最大1万枚を印刷でき、カラー(4パック)の場合は最大5000枚の出力が可能となっています。ビジネスインクジェットのデメリットの1つとして、レーザー機よりもインク交換の頻度が多いことがありますが、インクパックシステムでは、この点が改善されるといえそうです。

また、インクの大容量化に伴い、若干ですがランニングコストの削減にもつながっています。1枚あたり1円程度ですが、チリも積もれば山というように大量に印刷する用途では、メリットも大きくなるでしょう。

インクパックは、本体下部に内蔵されています。ワンタッチでインクパックトレイを取り出すことができ、パックをトレイに装着。トレイを本体に戻してインク交換は完了です。カートリッジ方式と変わらない交換の手軽さと、大容量化による交換頻度の削減が両立されているわけです。

●本体下部に内蔵されたインクパックトレイは、ワンタッチで取り出し可能
●インクパックトレイの装着
●インクパックを装着したトレイを元に戻せば交換作業は完了

インクパックシステムは筐体の省スペース化にも貢献しており、新モデルはカートリッジ機に比べて小型化されています。特に、高さが抑えられたとのこと。インクジェット機のメリットの1つに筐体の小型化が挙げられますが、インクパックシステムがその効果を高めたといえるのではないでしょうか。

幅広い用紙対応力と高い耐久性

「『用紙対応力』と『耐久性』も新モデルの特徴」(エプソン販売)というように、増設カセットで最大880枚を収納できることに加え、ハガキや封筒なども用紙カセットから給紙できるとのこと。こうした厚紙の出力は背面トレイを使うのが一般的なだけに、この点は本機の大きな魅力といえます。

ハガキや封筒を印刷する機会が多いオフィスなら、専用機としてメイン機と併用するという使い方も考えられるでしょう。その都度、差し替えの手間がかからず、利便性が高まります。

垂れ幕や横断幕に使用する長尺用紙に対応するほか、最小幅64mmまで印刷できるので、B6ハーフサイズのプライスカードの作成も可能。薬袋やミシン目入り用紙、発送伝票なども通紙確認されているとしています。

耐久枚数は15万ページ。このクラスのビジネス機としては優れた耐久性を備えており、印刷枚数の多いニーズにも対応可能でしょう。

インクカートリッジやエコタンク、インクパックシステムとインクジェット機にはさまざまなインク方式が登場しており、機能のみならず多方面からモデルを選べるようになってきました。エプソンの新製品で採用されているインクパック方式はエコの視点からも注目されているとのこと。今後、カートリッジタイプを置き換える可能性があるかも知れません。(長谷川丈一)