有料自習室業界の注目株「勉強カフェ」の魅力とは!?私語・会話から飲酒までOKの自習室
独自のコミュニティ機能で会員数が急増

 有料の自習室を使った経験をお持ちの方も少なくないでしょう。今、この市場が伸びているとのこと。一説にはリーマンショック以降、10倍にまで市場規模が広がったとの予測もあるほどです。そこで現在編集中のシャニム62号(2月末発行予定)では、福島敦子対談のゲストとして、同市場でもひときわ注目されているブックマークスの山村宙史社長に登場いただきました。

 同社が展開する有料自習室「勉強カフェ」は単に自習だけにとどまらない、独自のサービスで急速に会員数を伸ばしています。そのサービスとは、施設内に私語厳禁の純粋自習室と会話OKのコミュニティスペースの、二つを併設していること。一般的に自習室といえば前者のみが普通ですが、それでは息苦しいと感じた山村社長は、後者のコミュニティスペース併設を実現。そこでは音楽を流しアルコールも販売するという斬新な手法が、勉強カフェの独自スタイルとして定着。ファンを増やしている要因となっています。

学びを通じて大人を幸せに!

 自習するために出向いたカフェで、なぜ、わざわざ他人と会話をするのか? そんな疑問を持つ方もいるでしょう。同社は「学びのコミュニティをデザインする」を理念とし、「学びを通じて幸せになる大人を増やす」ことをミッションに掲げています。その実践の場がコミュニティスペースであり、そこでは、会員が会員に向けて主催する勉強会や講習会などが頻繁に行われています。

 あえて有料自習室の会員になろうという人たちは、それなりの目的やスキルを持つ人が多いわけですが、その情報を会員同士で共有することで、その情報をさらに深めたり、新たな展開に発展させることができるわけです。事実、同社のコミュニティスペースから生まれた新規事業も少なくないとか。さらには会員同士が結婚に結び付くケースもあるとのことで、従来の自習室の概念を超越していることは確かです。

 こうした独自性を持っているだけに、一般の自習室との最大の違いは「リピーター顧客が非常に多い」という点に尽きます。一般の自習室であれば会員は、資格取得や入学などの目的を果たした時点で、自習室通いを終了します。ところがコミュニティ機能を有する勉強カフェは、その機能を有効活用しようする限りにおいては終着点がないといえ、すでに会員歴7~8年というベテランも珍しくはないそうです。

 もともと山村社長にご登場いただこうと思ったきっかけは「勉強カフェ」とのネーミングにピンと来たからです。ファミレスやファーストフード店などで「長時間の自習はご遠慮ください」という張り紙を見かけることが多いのですが、そのたびに「今の学生さんは大変だな」と思っていました。自分が学生だった数十年前には、こうした張り紙はなく、コーヒー一杯で何時間も粘ることができたからです。

 とはいえ、その張り紙に特に問題意識を持っていたわけではないのですが、なんとなく心の片隅に残っていたのでしょう。勉強カフェのネーミングを見た瞬間、「このビジネスはありだな」と直感したわけです。しかも、お話をうかがっていて、単に空間貸しにとどまらない各種の独自性を知り、起業家精神の根本をしっかりと学ばせていただくことができました。このあたりの詳細は、シャニム62号でしっかりとお伝えしますので、お楽しみにお待ちください。

 コミュニティ機能の有無は別として自習室や会議室、レンタルオフィスなどの空間貸し事業は今、非常に勢いがあると聞きます。しかも都心部などではカーシェアリングが、自動車としてではなく出先の個室空間として、営業マンなどを中心に需要が高まっているとも聞きます。その一方でビルオーナーが空室対策の一環として、空間レンタル事業への進出を積極化しているとのこと。この市場がまだまだ成長が期待できる有望株であることは、間違いなさそうです。(征矢野毅彦)