マイクロソフトが提言する“ITモダナイゼーション”とは!?中小企業のIT最新化を積極的に推進
2020年に「Windows 10」使用率9割に

2018年1月23日、日本マイクロソフトは「ITモダナイゼーション」をテーマにプレスカンファレンスを開催。同社の代表取締役社長である平野拓也氏が登壇し、Windows10やOffice365などを活用したITの最新化が実現するビジネス変革について解説しました。その模様をレポートします。

Windows 10&Office 365によるIT最新化

ITモダナイゼーションとは、日本語に訳せば「ITの近代化」あるいは「ITの最新化」といった意味で、具体的には古くなった情報システムを近代化する開発手法をいいます。特に目新しいキーワードというわけではなく、IT業界では2008年前後から使われ始めました。ただ、それが急速に広がりを見せたのは2015年頃からのようです。

今回のカンファレンスでマイクロソフトが、改めてITモダナイゼーションというキーワードを持ち出したのは、2020年にWindows 7(1月14日)やOffice 2010(10月13日)などの延長サポート終了(EOS)が控えている背景があります。

Windows 10への移行が進んでいるとはいえ、ビジネス現場のIT環境ではまだまだWindows 7が使われているケースが少なくないのが現状です。過去には同じような状況として、Windows XPの延長サポート終了がありましたが、この時は終了間際の駆け込み移行による混乱やEOS後もかなりの企業でXPが継続使用されていたことがニュースなどでも大きくクローズアップされました。

こうした反省から、マイクロソフトでは延長サポート終了まで2年を切ったこの時期から、時間をかけてWindows 10などのメリットをアピールして移行を促進しようという狙いがあるのでしょう。

カンファレンスに登壇した平野社長は、「これまでのIT最新化といえばPCを新しいものに変えるといった機器やバージョンの更新を意味していたが、これからは新しい技術により業務の効率化、生産性や創造性の向上など新たなビジネスモデルの構築を目指すべき」といい、「Windows 10やOffice 365への移行は単なるアップグレードではなく、こうしたビジネス変革を実現できるものだ」と語りました。

実際、クラウドとの連携や定期的な機能更新、最新のセキュリティ環境が提供されているWindows 10やOffice 365は、移行するだけ新しい技術を活用できる環境が整うため、最新化のハードルは低いといえます。規模の小さな事業者でもビジネス改革に取り組みやすいといえそうです。

●日本マイクロソフトの平野拓也代表取締役社長

こうした変革は、すでに大企業では進んでいるとのこと。大企業のIT最新化の現状として、大企業において「Windows 10移行に向けた活動を開始した割合92%(*1)」「マイクロソフトのクラウドを利用している日本の主要企業の割合約80%(*2)」というデータを示しました。
(*1)楽天リサーチ2017年12月
(*2)日経225銘柄の企業がOffice 365/Azure/Dynamics CRM Onlineのいずれかを利用

これに対して、中小企業ではITの最新化が大きく遅れていると指摘。中小企業におけるWindows 7のサポート終了時期の認知割合は49%(楽天リサーチ2017年12月)、グループウエアを活用できている中小企業の割合は12%に過ぎないとの現状を示しました。

●大企業と中小企業のIT最新化の現状

マイクロソフトでは、大企業から中小企業まで幅広くITの最新化を支援するといい、例えば中小企業に対しては助成金・補助金取得支援事業「Jマッチ(運営:ライトアップ)」と連携し、経営支援サービスを提供していくとのこと。具体的には、IT最新化に関する公的支援制度の情報提供やOffice 365の活用研修などを行うとしています。

●Jマッチと協力し中小企業のチャレンジを支援する経営支援サービスを提供
●大手企業のIT最新化として東京海上日動火災保険の例を紹介。同社の大塚裕介常務執行役員が登壇し、社内で進めている働き方改革について語った

Microsoft 365の普及も推進

さらに、カンファレンスでは、日本マイクロソフト・執行役員常務パートナー事業本部長の高橋美波氏も登壇。同社の新しいITインフラであるMicrosoft 365普及への取り組みに触れました。

Microsoft 365は、Windows OSとOfficeのライセンス、さらにIDベースのセキュリティソリューションなどがワンパッケージ化され、サブスクリプション型の統合サービスとして提供されるものです。

ライセンスが一元化されるので、その管理負担が軽減されることに加え、その導入により新しいビジネススタイルの実現が期待されます。例えば、働き方改革の一環として話題となっているテレワークにおいて、生産性向上とセキュリティ確保の両立が可能となるのではないでしょうか。

高橋氏は、「Microsoft 365をはじめ、Windows 10やOffice 365の導入促進に向けて全国でイベントやセミナーを開催すると共に、パートナー企業と協力して企業への導入支援に取り組む」としています。

●マイクロソフトの高橋美波執行役員常務パートナー事業本部長

最後に、再び平野社長が登壇。「1つの節目である2020年に向けて、企業のIT最新化を積極的に支援していきたい。現在、中小企業のサポート終了認知度は49%だが、2020年にはWindows 10の使用率を9割、Office 365とMicrosoft 365の契約数を現在の10倍に増やしたい」と目標を掲げ、カンファレンスを締めくくりました。(長谷川丈一)