充実している2018年度省エネ関連補助金中小企業の補助金獲得を全面支援
「省エネ相談地域プラットフォーム」とは!?

 一般社団法人エコファーム推進機構が主催する「省エネルギー相談地域プラットフォームセミナー」に参加しました。現状では予算案ベースではありますが、平成30年度の省エネ関連補助金の概要を把握すると共に、その中から中小企業が使いやすいものは何かを知っておこうと思ったからです。

 やはり注目すべき補助金は「平成30年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」でしょう。予算案額は600.4億円。その目的は「省エネルギー設備への入れ替え促進」であり、設備の新規導入ではなく、既存設備からの入れ替えが主な補助対象となっています。

 同補助金はさらに「事業場単位での省エネ設備導入事業」と「設備単位での省エネ設備導入事業」の二つに分かれているのですが、中小企業にとって使いやすいものは、申請をより簡易に済ませることができる「設備単位」です。

「設備単位」補助金の要件

 その要件は、以下の既設設備を一定以上の省エネ性の高い設備に更新することです。
 ●対象設備:・高効率照明(LED照明等)、・高効率空調、・産業ヒートポンプ、・業務用給湯器、・高性能ボイラー、・高効率コージェネレーション、・低炭素工業炉、・変圧器、・冷凍冷蔵庫、・産業用モーター
 ●申請基準:指定されたカテゴリーの設備でトップランナー基準を満たすこと。
 ●補助対象経費:設備費のみ(設計費や工事費は対象外)
 ●補助率:補助対象経費の1/3以内 
 ●補助金上演額:3000万円/1事業あたり
 ●補助金下限額:50万円/1事業あたり(中小企業者・個人事業主は30万円)
 ●公募期間:毎年5月頃
 (上記は平成29年度実績であり、平成30年度要件はまだ確定ではない)

 支援対象の中小企業要件は業種毎に資本金額や従業員数の規定があり、そこには学校法人や医療法人などは含まれていません。ですが、これとは別に「年間エネルギー使用量が1500kL未満の事業所」との要件もあり、これで、ほぼすべての中小企業や個人事業主、学校法人や医療法人などが対象となるはずです。

 もっとも「エネルギー使用量1500kL未満」といわれても、普通はまったくイメージできないでしょう。これは使用したすべてのエネルギー量を原油換算したもので。その目安となる数値は「年間光熱費が概ね1億円未満」とのことなので、そのハードルは、かなり低いといえるのではないでしょうか。

 実際、平成29年度の設備単位補助金の実績は、申請件数4334に対して、採択件数が2497。6割近い採択率となっており、1件当たりの交付決定額も約334万円となっています。同期の事業場単位補助金は1件当たり交付決定額こそ約3700万円と高額ですが、採択率は40%未満。やはり中小企業や個人事業主が狙うのであれば、申請が簡易で採択率の高い「設備単位」といえるでしょう。

 特にLED照明や空調、業務用給湯器などは、どんな業種のオフィス・事業所でも必需品といえる設備。設備単位補助金は、リーズナブルに高効率設備へと入れ換える好機といえるはずです。しかも、高効率化によってもたらされるエネルギー消費量の削減は、そのまま利益アップに直結するだけに、見逃してはもったいない補助金の筆頭といえるのではないでしょうか。

「省エネルギー相談地域プラットフォーム」とは!?

 ただし、補助金の申請にあたっては、各種の計画書や申請書の作成、省エネ診断の実施などが必要であることも事実。そして「それが面倒くさい」という声が非常に多いことも確かです。

 ある調査によれば中小企業の省エネ導入が進まない理由として「社内に省エネの専門家がない」や「専門家に相談したいが費用がかかる」、「設備更新に関する資金の問題」や「何から省エネに手を付けていいか分からない」などが挙げられたとのこと。要は、補助金には魅力を感じるものの、それに取り組むだけの余裕がないということでしょう。そのことは私自身が零細企業の経営者でもあるので、身にしみてよく分かります。

 そんな時にぜひとも活用したいのが「省エネルギー相談地域プラットフォーム(地域PF)」というわけです。実は恥ずかしながら自分自身、その存在を初めて知ったのは今回のセミナーにおいてであり、セミナーの開催目的の一つも地域PFの認知拡大だったように思います。

 地域PFとは資源エネルギー庁によれば「省エネ支援事業者が地域の専門家(省エネや経営の専門家)や自治体、金融機関等と協力して作る“省エネ支援の連携体”のこと。44都道府県に44の地域PFが活動中であり、エネルギー使用状況の把握から省エネ計画の策定・実施・見直しまでを、きめ細かに一貫して支援する」とのことです。

 地域PFについてはいろいろと難しい説明もありましたが、個人的に印象に残ったことは「上記の支援が無料」であり、前述した補助金についても「専門家がベストなものを提案」してくれるということです。実際にどこまで至れり尽くせりなのかは分かりませんが、試しに相談してみる価値はありそうです。

 国は2030年度の最終エネルギー需要を、2013年度比で10%(原油換算5030万kL)削減するという高い目標を掲げており、その実現には中小企業や個人事業主の、さらなる省エネ推進が不可避だとしています。

 それだけに、(比較的)ハードルの低い補助金の拡充や、採択率アップのための支援体制強化などを矢継ぎ早に打ち出しているのでしょう。そうした税金の使い道に賛否はあるかと思いますが、「決まった制度である以上、使わない手はない」と考える経営者は、けっこう多いのではないでしょうか。(征矢野毅彦)