充実のトークショーが魅力!「CP+」(3.1~3.4)注目写真家・田中達也氏&ヨシダナギ氏
独自の世界観を“生聞き”するチャンス!!

 来週はデジタルカメラの祭典「CP+(シーピープラス)」(主催:一般社団法人カメラ映像機器工業会/CIPA)が開催されます。期日は3月1日(木)~4日(日)、場所はパシフィコ横浜と大さん橋ホール(いずれも神奈川県横浜市)の2カ所、時間は10時~18時(1日は12時~、4日は~17時)、そしてもちろん入場無料(要・WEB事前登録)となっています。

 個人的にもここ数年、カメラの魅力に取り憑かれていることもあって、非常に楽しみなイベントです。というのもメーカー各社の新製品やニューモデルの展示・紹介だけでなく、CP+は著名人(フォトグラファー、カメラ業界関係者等)のトークショーや写真展、写真講座などが非常に充実しているからです。

 今年のテーマは「一緒に はじめよう」。主催者の話では今年は、新規のカメラ-ユーザー開拓、特に若い女性層へのアプローチを一大目標にしているとのこと。インスタグラムなどのSNSブームを背景に、スマホなどで撮影を楽しむ女性が急増している中、彼女たちをさらに一歩突っ込んだカメラの世界に引きずり込もうというわけです。

話題の著名人が多数登場「トークショ-」

 このことを念頭にしたトークショー「フォトウィークエンドトークショー」には、非常に楽しみなおふた方が登場します。一人目はミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏(3月3日15時~)で、講演テーマは「MINIATURE LIFE~見立ての視点で楽しむ写真」。

 仮に田中氏の名前にピンとこなくても、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックで流れていた映像といえば、お分かりいただけるのではないでしょうか。日常雑貨品や食品などを別のものに見立てて創る独自のミニチュアワールド写真は、インターネットの「MINIATURE CALENDAR」として大人気。若い女性層をターゲットとしたトークショーにはうってつけのゲストといえるでしょう。

 そして、もうおひと方は世界中の少数民族を独自視点で撮影し、話題を集めている若手写真家・ヨシダ ナギ氏(3月4日15時~)で、講演テーマは「撮影は被写体が9割~ヨシダ、CP+に立つ」。
 彼女は幼少期からアフリカ人への憧れを抱き、「大きくなったら彼らのような姿になれる」と信じていたとのこと。しかし、その夢が叶わないと分かってからは独学で写真を学び、2009年からアフリカをはじめとした世界の少数民族を撮影。その独特の構図やポーズ、そして強烈な色彩表現は、唯一無二といえるでしょう。今回は撮影時の秘話をからめたトークショーと、特別展示も開催されるとのことで非常に楽しみです。

 その一方で個別テーマを基軸としたトークショー「フォトカルチャーステージ」も非常に面白い試み。テーマを「自然・トラベル」「アート」「音楽」「ペット」とし、それぞれの第一人者がそれぞれのスタンスから写真を語ります。

 ●自然:絶景プロデューサー・詩歩氏「死ぬまでに行きたい世界の絶景~特別編」(3月3日11時~)
 ●アート:モデル・前田エマ氏「アートのとなり。写真のとなり。」(3月3日13時~)
 ●ペット:猫写真家・沖昌之氏「365日“必死すぎるネコ”ライフ」(3月4日11時~)
 ●音楽:編集者/写真家・フクモトヒロスケ氏「GOOD ROCKS! GOOD PHOTO!」(3月4日13時~)

 メーカー系工業会の展示会というと、とかくハードに話題が行きがちですが、CP+はトークショーなど関連イベントを重視している点で、ポイントが高いと感じる部分です。そしてもちろん出展するカメラメーカー各社も、製品展示のみならず、契約写真家のトークショーや撮影セミナーなどを個別に開催。ソフト面を前面に押し出したブースを展開しています。

 やはり写真は撮影してナンボの世界。「ナニで撮るか」よりも「ナニを撮るか」や「ドウ撮るか」のほうがより重要なことはいうまでもないわけです(とはいえ写真仲間との間では、カメラ本体やレンズの話もかなり頻繁に行っているのですが……)。

7年ぶりに前年を上回ったデジカメ出荷実績

 おりしも先日、CIPAが発表した2017年のデジカメ出荷実績では、総出荷(国内+輸出)が台数で103.3%(2497万台)、金額で111.6%(7928億円)と、実に7年ぶりに前年実績を上回ったとのこと。国内向けだけを見ても、金額は108.3%の1023億円に伸長。台数は100.0%の352万台ですから、より高単価なモデルが市場をけん引しています。

 さらに詳細を見れば、金額構成比で26%強を占めるミラーレスが128.4%伸長(金額)、同36%弱のコンパクトデジカメが108.1%伸長(金額)と高い伸び率でしかも、両者とも金額伸長率が台数伸長率を上回るという単価アップを実現。デジタル機器市場といえば、画期的なイノベーションモデルが出ない限り、単価ダウンは当たり前の世界だけに、昨年のデジカメ市場は非常に特異なマーケットだったことは確かです。

 その要因として、SNSをきっかけにスマホで撮影を始めた若年層が、より高画質な写真を追求し、高性能カメラを買い求めた結果、との分析が多くなされています。だとすれば今年のCP+は責任重大。このイベントをきっかけとして、どれだけより多くのユーザーに買い換えや買い増しを促せるかがポイントとなるでしょう。

 ワールドワイドでいえば、デジカメ市場は今や数少ない日本メーカーが断トツでリードするマーケット。その牙城を守れるか、という側面からも、今年のCP+は見逃せないイベントになることと思います。(征矢野毅彦)