野菜室を真ん中に! 新レイアウト冷蔵庫発表/三菱電機独自技術で野菜室や製氷室を中段配置
潜在ニーズに応えた「MXシリーズ」

三菱電機は、2018年2月26日に都内でプレス向け発表会を開催。同社冷蔵庫「置けるスマート大容量」シリーズの新商品として、野菜をよく食べる家庭向けに野菜室を中央に配置することで野菜を出し入れしやすくした「MXシリーズ」2モデルを3月30日に発売するとしました。新商品の概要や狙いをレポートします。

MXシリーズの概要

新たに発表されたMXシリーズは、定格内容積572Lタイプの「MR-MX57D」と同503Lタイプの「MR-MX50D」。いずれも6ドアセンター開きで、クリスタルホワイトに加えて、高級感のある新色のグラデーションブラウンの2カラーがラインアップされています。

●MXシリーズ。左:「MR-MX57D(グラデーションブラウン)」/右:「MR-MX50D(クリスタルホワイト)」
形名 MR-MX57D MR-MX50D
ドア材 ガラス ガラス
定格内容積 572L(リットル) 503L(リットル)
冷蔵室 306L 271L
野菜室 114L 98L
製氷室 19L 18L
瞬冷凍室 32L 27L
冷凍室 101L 89L
外形寸法(W×H×D) 685×1826×738mm 685×1826×738mm
年間消費電力(kWh/年)
50/60Hz
275/275 250/250

新製品4つの特徴

今回、発表された新シリーズであるMXの特徴としては、大きくは以下のようなポイントが挙げられています。


・野菜室が真ん中に配置されているので、全体が見わたしやすく、腰や膝を曲げずに野菜を出し入れできる。

・野菜室は上段ケースを段違い構造とすることで、野菜の大きさや形に合わせて4つのエリア(小物/中物/大物/たて野菜エリア)に整理でき、見わたしやすく取り出しやすい。

・高断熱の真空断熱材で野菜室を囲むことで、庫内温度が安定しムダな冷気を抑制。野菜室全体でうるおい鮮度が長持ち。

・約マイナス7度で凍らせる瞬冷凍室と製氷室も腰の高さに配置し、よく使う食材や氷が取り出しやすい。

といった他、既存のWXシリーズ(冷凍室が真ん中にレイアウト)で評価が高い「朝どれ野菜(3色LEDの光による野菜のビタミンCアップ)」や、汚れが付着しにくく掃除もしやすいハイブリッドナノコーティングの「抗菌クリーントレイ」なども採用されています。

●野菜室のイメージ
●4つのエリアで野菜を整理
●上段ケースの段違い構造により使いかけの野菜が取り出しやすい

製品化の背景

最初、新製品の大きなポイントが「野菜室が真ん中」と聞いて、個人的にはピンと来ないどころか、「それって普通じゃないの」と感じた次第。というのも自宅で使っている冷蔵庫は、野菜室が真ん中にあるタイプだからです。読者の中にも、そう思った方はいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、新製品の狙いは冷蔵庫のトレンドに関係していました。冷蔵庫の買い替えサイクルは10~13年といわれており、ちょうど10年前にトレンド変化が起きたとのこと。2008年から2009年にかけて、冷凍室真ん中タイプのラインアップ数が、それまで主流だった野菜室真ん中タイプを逆転したそうです。その傾向は年々強まり、現在の販売構成比では冷凍室真ん中タイプが84%(2016年10月~2017年9月/三菱電機調べ)を占めているといいます。

冷凍室真ん中タイプが増加したのは、省エネ目標値の達成を求められたことが背景にあります。冷却効率は、冷凍室や製氷室などの同じ温度帯を1カ所に集めることで向上します。製氷室は使いやすさや衛生面が考慮され、中断(冷蔵室の下)に配置されたタイプが主流で、これに合わせて冷蔵室の下に製氷室と冷凍室がまとまってレイアウトされ、最下段に野菜室という冷蔵室真ん中タイプが増えたわけです。

●タイプ別のラインアップ数の推移と背景

恥ずかしながら、自宅の冷蔵庫は20年目に突入しようかという電気製品としては年代モノ。まさに野菜室真ん中タイプが全盛の頃に購入しているわけですから、「野菜室が真ん中」にあるのは当たり前と感じたわけです。逆に、ここ数年で新しく冷蔵庫を購入した方にとっては、目新しいコンセプトなのではないでしょうか。

ただし、三菱電機が新製品で狙っているのは買い替えサイクルを迎える10~13年前の冷蔵庫を使っている家庭。同社調査によると、10~13年前の冷蔵庫ユーザーのうち、約6割が真ん中野菜室タイプへの買い替えを望んでいるとのこと。こうした層のリプレイス本格化により需要拡大が見込まれるため、新たにMXシリーズを投入したというわけです。

ラインアップ数が少ないとはいえ、野菜室真ん中タイプは他メーカーからも製品化されています。MXシリーズの大きな差別化ポイントとして三菱電機が訴求しているのは、製氷室などの使用頻度が高い冷凍室も野菜室と共に中央に配置していること。これにより、使い勝手が大きく向上するとしています。

このレイアウトを実現するには2つの問題が存在していました。野菜室が冷凍庫に挟まれることや最下段の冷凍室がコンプレッサーからの温度影響を受けるため、各庫室の温度維持にエネルギーが必要となり省エネ性が悪化します。さらに、温度の影響を軽減するためには断熱材が必要で、このため容量が犠牲なるといったことです。

同社では、これらの課題を独自のウレタン発泡技術によるトビラや外壁などの薄型化、断熱性の高い真空断熱材を効率的に配置した薄型断熱構造「SMART CUBE(スマートキューブ)」の採用により解決。大容量と高い省エネ性を両立しました。

●薄型断熱構造「SMART CUBE」技術で従来機種と同等の省エネ性
●薄型断熱構造「SMART CUBE」技術で従来機種と同等のコンパクト大容量

新製品はいずれも500Lを超える大容量タイプですが、今後はシニア層向けなども意識して、400L台の中容量タイプの製品化も検討。MXシリーズのラインアップを拡充していく方向とのことです。(長谷川丈一)