プラズマクラスターで新たな実証実験/シャープ成育ステージ別のカビ抑制を検証
すべての段階で優れた効果を発揮

 シャープがプラズマクラスター技術の新たな実証実験を発表しました。これは県立広島大学特任教授・森永力氏の監修で行ったもの。テーマは「プラズマクラスター技術によるカビの生育ステージ別抑制効果の研究」です。

 プラズマクラスターは単体の発生機のみならず、エアコンや冷蔵庫、洗濯機やドライヤー、加湿器など、シャープ製の各種家電製品に搭載されている空気清浄技術。その主な効果として「除菌・消臭」があげられており、具体的には次の6項目が代表的な効能とされています。

 ・アレル物質の作用の抑制
 ・浮遊ウィルスの作用の抑制
 ・浮遊菌の作用の抑制
 ・付着臭の分解、除去
 ・浮遊カビ菌の除菌
 ・付着カビ菌の抑制

 今回の発表は上記効能の内、カビに関する実証実験に関するもので、家庭内で約80%を占めている5種類のカビについて、その生育ステージ別にプラズマクラスターの効果を検証したもの。カビはウィルスや細菌よりも複雑な生育ステージで繁殖するため、プラズマクラスターがどのステージでどんな効果を発揮しているのかを検証したものです。

カビの成育ステージとは!?

 とはいえカビの生育ステージといわれても、一般的には馴染みがありません。森永教授によればその生育ステージは、次の4段階に分かれるとのこと。
 ①胞子(空気中で浮遊)
 ②胞子の発芽(食品等に付着して発芽)
 ③菌糸の成長(新たな胞子を繁殖する前段階)
 ④胞子の形成(新たな胞子の繁殖)

 上記4段階を経て、再び①に戻るというサイクルになっています。そして実験は、「胞子の発芽」ステージ(A)、「菌糸の成長から胞子の形成」ステージ(B)、そして「胞子」段階(C)の3ステージに分けて実施され、その結果は次のようなものでした。

 (A)5種類のカビの胞子の発芽・生長を99.9%以上抑制
 (B)3種類のカビの菌糸の成長・胞子の形成を抑制し、2種類についてもほぼ抑制

 ここまでは「さすがはプラズマクラスター」ともいえる結果でしたが、興味深いのは(C)。これは胞子にプラズマクラスターを直接、12時間照射。その後で成育していなければ胞子が死んだことを意味するという実験ですが、1種類のカビ(クモノスカビ)は95%近くが生存しており、もう1種類(黒カビ)も60%近くが生存。カビの種類によって効果が大きくバラつくという結果となったわけです。この結果について森永教授は次のように解説しています。

 まず、クモノスカビは胞子が胞子のうという物質に覆われているため、プラズマクラスターが直接は当たらない構造になっていること。そして黒カビについても、胞子のカラが非常に厚く、プラズマクラスターが内部まで当たりにくい構造になっていること。そのため。胞子に直接プラズマクラスターがあたる他のカビとの、大きな生存率の差になったのだろう、とのこと。

 ただし、両カビとも(A)や(B)の発芽や菌糸の成長段階では抑制されるため、プラズマクラスターを照射する限りは、結局は繁殖できない、とのことでした。この結果を受けて、シャープは今後、スパーマーケットや食指品工場、医療機関などのBtoB分野への提案を強化するとしていますが、カビの抑制効果をここまで具体的に説明できれば、導入に前向きになる専門家も少なくないように思われます。

 実は弊社事務所にもプラズマクラスター発生機を設置しているのですが、その効果は使ってみて初めて実感したことは確かです。弊社クライアントにはスモーカーが少なくないのですが、彼らとのミーティングでは、さして広くない事務所が煙とニオイでいっぱいに。しかしながらプラズマクラスターを一晩中作動しておけば、翌朝はまったくその痕跡が残っていないという経験を何度もしています。

 折しもパナソニックが独自の脱臭機ジアイーノの販促を強化していますが、こちらも介護施設や動物病院、ペットショップなどを中心に高い導入実績をあげているとのこと。脱臭や空気清浄の技術は今後、日本が世界でリーダーシップを発揮できる有望な分野として、さらなる発展を続けてほしいものです。(征矢野毅彦)

プラズマクラスター空気清浄機『天井空清』