超高速モノクロ機の後継モデルを発売/キヤノン印刷毎分43枚&スキャン毎分70ページ
超高速モデルが「MF521dw」へと進化

キヤノンは、「Satera(サテラ)」ブランドの新製品となるビジネス向けA4モノクロレーザー複合機の高速モデル「Satera MF521dw」の発売を開始しました。MF521dwは2016年4月にSateraの高速機カテゴリーとして投入されたMF511dwの後継機。進化した新モデルをレポートします。

●本体デザインや操作パネルも旧モデルから大きく変わったMF521dw
型番 MF521dw
印刷速度 モノクロ43PPM
自動両面プリント 標準搭載
ウォームアップタイム 14秒以下
リカバリータイム 4秒以下
ファーストプリントタイム モノクロ6.2秒以下
ネットワーク 有線/無線LAN
給紙容量(標準/最大) 740枚(カセット640枚+手差しトレイ100枚)/2660枚
ADF 最大50枚/自動両面対応
消費電力 最大1380W/スタンバイ時約17W/スリープ時約0.9W
TEC値 1.4kWh
本体サイズ/質量 W494×D464×H452mm/質量:約20kg(トナーカートリッジ含む)
印刷コスト モノクロ約3.2円

アウトプットは43PPM&両面スキャン毎分70ページ

MF521dwの印刷および複写速度は、連続印刷毎分43枚。標準搭載の自動両面プリント時は毎分34.4ページと両面生産性にも優れています。連続印刷の性能については、旧モデルが毎分40枚だったので、3枚ほどスペックアップしたことになります。

「たったの3枚」との声も聞こえてきそうですが、ビジネスプリンターの連続印刷で1枚のスペックアップを実現するには大変な苦労が必要とされています。その性能を向上させる最も簡単な方法は、省エネを考えずに使用電力量を増やすことだそうです。好きなように電気を使えば超高速機も実現できるわけですが、実際には節電需要が当たり前のトレンドを考えれば、スピードも省エネも両立しなければなりません。

そうした厳しい制約を理解すれば、連続印刷の仕様が40枚から43枚に増えたことはかなりのスペックアップといえるでしょう。しかも、Sateraといえば“省エネ”をブランド代名詞の1つとしており、新モデルも低消費電力と高速性能の両立がしっかりと実現されています。

個人的に、毎分30枚の連続印刷仕様を持つモノクロ複合機を使っていますが、その速さはなかなかのもの。それが毎分43枚ともなれば、約1.5倍も高速です。大量に文書を印刷するケースなどで、生産性の高さは秀逸ではないでしょうか。

ビジネスプリンターの基本性能を測る上で、連続印刷性能と共に欠かせないポイントが印刷指示をかけてから1枚目を排出し終えるファーストプリントタイム。MF521dwは約6.2秒。トップクラスのスペックですが、注目はリカバリータイム。従来モデルと比べて半減となる4秒以下でスリープモードから復帰します。レーザー機ではスリープモードで印刷指示をかけた場合の必要時間は、リカバリータイムとファーストプリントタイムを足した数値ですから、新モデルは10秒程度で1枚目の印刷が完了するわけです。

一般的に速いとされるモデルでも10秒台後半から20数秒ですから、これはかなりの快適スペックといえます。ビジネスでは数枚の文書を頻繁に印刷する機会も多く、MF521dwでは待ちのストレスを大きく軽減できそうです。

また、両面同時読み取りに対応したADFを搭載し、スキャン速度はモノクロ毎分70ページ(300dpi時)/カラー毎分26ページ(同前)とSateraシリーズでも最速クラスのスペックが実現されています。

給紙対応、機能やサービスも進化

標準給紙はカセット640枚/手差しトレイ100枚で、別売オプションのペーパーフィーダーを追加することにより最大2660枚の用紙を収納できます。もちろん、サイズや種類、色違いの用紙などを各カセットから給紙できる多段給紙。このクラスのモデルで、ここまで給紙対応を充実させている機種はそれほど多くありませんから、複数の用紙を扱う業種、例えば医療機関や調剤薬局などでは業務効率化に効果が期待できるでしょう。

効率化という点では、他にも多彩な機能の搭載やサービスへの対応も新モデルの特徴となっています。具体的な機能やサービスは多岐にわたりますが、いくつかピックアップするならば下記のようのものが挙げられます。

・使用頻度の高い機能をワンタッチで実行できるアプリを搭載

・視認性に優れた5.0型のカラー液晶タッチパネルを採用

・独自アプリ「Canon PRINT Business」だけでなく、AirPrintやGoogle Cloud Print、Mopriaといったさまざまな規格に対応し、モバイル機器からダイレクト印刷が可能

・手動で引き抜く必要があったカートリッジのトナーシールを自動で巻き取るためゴミを出さず、手を汚さずに交換可能

・法人向けサービス「Remote Service for Satera」に対応

このうち、興味深いと感じた機能が「使用頻度の高い機能をワンタッチで実行できるアプリを搭載」です。具体的には「定型文書プリント」「固定宛先スキャン」「節約コピー」など7種類のアプリケーションをあらかじめ操作パネルのホーム画面に登録。各アプリの設定や画面表示などを、用途に応じてカスタマイズできます。

定型文書プリントは、よく使う文書フォーマットをJPEGやPDFとして登録しておくことで、必要な時にホーム画面からワンボタン操作でプリントできます。例えば、病院の問診票や各種帳票などを登録しておけば、すぐに印刷できるので作業時間や紙の保管スペースを削減することもできます。

価格はオープンですが、参考価格は税別8万9800円(キヤノンオンラインショップ販売価格)。モノクロA4複合機のボリュームゾーンは3万円台から5万円台のモデルですから、それとの比較でいえば高価格帯です。しかし、基本性能の高さや拡張性、搭載機能を考えればコストパフォーマンスは高いといえるのではないでしょうか。オフィスはもちろん、流通や小売、医療、官公庁まで、さまざまな特定業務で快適に使えるモデルだと感じました。(長谷川丈一)