エプサイトで写真プリントの企画展を開催/エプソンギャラリー開設から20周年を記念
写真力を高めるプリント情報を提供

エプソンは、同社のイメージングギャラリー「エプサイト(東京都新宿/新宿三井ビルディング1F)」で、写真の楽しみ方を提案する企画展を開催します。テーマは「プリント解体新書―写真力を高めるプリントの秘密」。会期は、2018年6月22(金)から7月19日(木)/10:30~18:00(最終日は14:00まで)※日曜休館となっています。

●「プリント解体新書」は設立20周年を機に開催される特別企画展

写真プリントを楽しむための拠点

エプサイト(epSITE)は、その正式名称を「エプソンイメージングギャラリー エプサイト」といい、下記の4つのブースから構成されています。

●ギャラリー:公募による作品展やプロによる写真展を開催するスペース。作品募集は基本的に4月と10月の年2回行われており、インクジェットプリントによる作品であれば応募資格などは問われません
●プライベートラボ:エプソンの最新機器によるプリントが楽しめるレンタル工房。有料にはなりますが、最新デジタル機器を使うことができ、レタッチからプリントまで行うことが可能です。大判プリンターによる写真プリントもできる点は、魅力的ではないでしょうか。
●セミナールーム:自宅で楽しくプリントするためのスクールを実施。レタッチの基礎講座やAdobe製品などを使ったデジタル写真のレタッチ技術、その他写真を楽しむための多彩な無料講座が随時開催されています。
●ショールーム:エプソン製品の展示や写真プリントの楽しさを体感できるイベントを開催するスペース。同社の製品に触れたり、購入前の相談が可能。自身の写真データを使ったお試しプリントや、紙焼き写真のスキャナー入力なども試せます(予約制)。

※プライベートラボの利用やセミナーへの参加などには、「エプサイト会員」への登録が必要です。

同ギャラリーがオープンしたのは、1998年4月。デジタルカメラの黎明期の頃に写真愛好家向けに、インクジェットプリンターの存在やエプソンブランドの認知を目的に運営されていましたが、2000年代初めに「インクジェットプリンターの活用方法や楽しみ方を幅広い層に広める」という方向に転換して、今日に至っています。

今回の企画展について、エプソンでは「エプサイトの設立から20周年を迎えたことを機に、これから本格的に写真に挑戦してみたいという方から、すでに作品づくりを楽しんでいる方、自分の写真力に磨きをかけたい方に向けて『プリントで作品を仕上げていく』という視点から、その基本的な考え方やノウハウをプロ写真家の豊富な事例と共に紹介する」としています。

会期中の会場では、用紙の選び方からレタッチなどのプリントワーク、フォトブックや作品集、作品をプレゼンテーションする際に欠かせないポートフォリオなどのプロ写真家の実例、作品の仕立て方など、写真力を高めるプリント情報が多面的に紹介される予定です。

写真をレタッチしてプリントするという楽しみ方

エプサイトの狙いは、企業から見れば自社のプリンターをアピールすることで購入につなげ、さらにプリントする楽しみを広く伝えることで写真用紙やインク消費を増やして売り上げ増につなげていくことでしょう。しかし、これが成功するのも、片手間的な運営でななく、ユーザーを引き付けられる本格的な情報提供が必要なことはいうまでもありません。この点、エプサイトはかなり優れたプリントの情報発信基地といえます。

以前から個人的にも時々利用させてもらっていますが、セミナー内容などはかなり充実しています。もちろん、初心者向けから中級者、時に上級者向けとレベルはさまざまですが、講座は漠然としたものではなく、テーマを絞った深い話が聞けるものもあり、プロ写真家も参加することがあります。これをもってしても、本腰を入れた情報発信拠点といえるのではないでしょうか。

「RAW現像入門講座」や「スマートフォンから写真プリント講座」のような初心者向けのセミナーも数多く用意されていますから、幅広いユーザーが写真プリントに関わる技術を身に着けながら楽しめる場所といえます。

もちろん、写真の楽しみ方は千差万別でしょう。写真はスマートフォンでしか撮らないという方も多いと思います。表現の場もSNSやブログだけなので、プリントはしないというユーザーも少なくありません。しかし、エプソンも提案しているように、技術が大きく進化しシャッターボタンさえ押せば、「だれもがうまく撮れる」ことが当たり前になってきた時代だからこそ、プリントとして自分らしい作品に仕上げていく過程が必要ではないでしょうか。

フイルム時代、自分で現像するにせよラボに頼むにせよ、プリントが上がってこないことには上手く撮れているかどうか分かりませんでした。それが不安でもあり、逆にワクワク感やドキドキ感というか、この待ち時間が写真の楽しみでもありました。

しかし、デジタル時代になって撮影した写真をすぐに確認できるようになったことは大きな利点でもありますが、フイルム時代のようにワクワク・ドキドキしながらプリントが上がってくるのを待つという楽しみはなくなったように思います。それに代わる楽しみが撮影した写真を自分らしい魅力的な作品に仕上げてプリントするまでの制作工程ではないでしょうか。

この撮った写真をさらに磨き上げていく工程で必要となるのが、レタッチやRAW現像です。もちろん、これらに関する考え方もさまざまでしょう。色彩や構図など作品づくりに関わるすべての要素を撮影時に決めることを信条とし、一切のレタッチを行わないという愛好家やプロ写真家もいます。確かにフイルム時代は、レタッチの自由度は低く、撮影時に最高のショットを撮るべく露出や構図、フイルムの選択などを考えたものです。

デジタルでは、いうまでもなくかなり自由に画像のレタッチや加工が可能です。このため、ある程度のレタッチやRAW現像を前提に撮影するアマチュアやプロの写真家も少なくありません。また。撮る被写体によって、使い分けることもあるでしょう。

その方法論はどうあれ、やはり写真の最終的な楽しみは自分の最高の作品をプリントとして形に残すことではないでしょうか。エプサイトは、プリントによる作品作りをキーワードにレタッチやRAW現像から、実際のプリント技術を提供。しかも、初心者からプロまで、幅広く活用できる拠点です。

今回の企画展は、そうしたエプサイトの魅力や新たな写真の楽しみ方を発見する絶好の機会ともいえます、会期中はトーク&イベント:6月23日(土)15:00~「IMA」エディトリアルディレクター・太田睦子氏/7月7日(土)15:00~写真家・須田誠氏/7月14日(土)14:00~写真家・岡嶋和幸氏も予定されています。少しでも写真に興味があれば、お勧めの企画展ではないでしょうか。(長谷川丈一)