商品研究商品研究1 ビジネスプリンター

概要

リプレイス不要! 追加設置で効果大
レーザー&BIJ併用が印刷費を削減
  • レーザー方式をメイン機に、BIJを追加してランニングコスト削減
  • BIJでの出力比率により決まる削減効果
  • チリも積もれば山。コスト削減では複合機やプリンターの機能もフル活用
  • 専用プリンターの導入による内製化が実現するコスト削減にも注目

 今号は、ビジネスプリンターのコスト削減について取り上げる。これを実現する上で、最も効果が期待されるポイントは消耗品消費の抑制によるランニングコスト削減だ。その手法を中心に見ていきたい。

効果が大きいBIJ併用

 ビジネスプリンターのランニングコストといえば、トナー/インクや用紙などが代表例である。これらの消費量を抑えることが、コスト削減に直結することは周知の通り。

 このうちトナー/インクの印刷コストを削減するために検討したい方法が、「複合機やプリンターの追加導入」だ。

 というのも、ビジネスインクジェット機(以下、BIJ)の基本性能や耐久性が向上し、導入コストも下がってきたからである。BIJの魅力は、印刷コストや消費電力がレーザー機に比べて圧倒的に低いこと。それは理解していても、「やはりビジネスにはレーザー機」という考え方は多い。

 だが、レーザー機だけではコスト削減の効果は限定的。そこで、メインのセンターマシンとしてA3やA4のレーザー複合機を設置したまま、サブマシンにBIJを追加導入して使いわけてはどうか。

 例えば、取引先への提案書やプレゼンテーション資料などはレーザー機でプリントし、社内資料や会議資料などはBIJで印刷するといった使い方だ。それまでレーザー機で行っていたドキュメント出力のうち、どの程度をBIJへ移行するかにもよるが、確実に印刷費は減るはずだ。

 図は、それをシミュレートしたもの。1日あたりビジネス文書100枚をプリントするオフィスで、その半分の50枚(カラー/モノクロの比率は半々)をBIJで出力する場合と、従来通りレーザー機だけで印刷を続けた場合のコスト差を比較した。

 レーザー機の印刷コストは1日あたり450円(15円×25枚+3円×25枚)となり、年間では10万8000円(450円×20日×12カ月)。BIJは、1日あたり195円(6円×25枚+1.8円×25枚)となり、年間の印刷コストは4万6800円(195円×20日×12カ月)となる。

 BIJの本体価格はさまざまだが、人気クラスは5万円から6万円前後が主流。仮に6万円としても、イニシャルを含めた初年度のコストは10万6800円。図のケースでは、ほぼ1年間で機器費用の償却が可能だ。

 年間の消費電力量が低いBIJは、省エネ面や電力コストの視点から見ても設置負担は小さい。

 以降、レーザー機とBIJの印刷費の差額が、コスト削減分として積み上がっていく。印刷ボリュームや両方式での印刷比率により導入コストの回収期間は左右されるが、多くのケースで印刷コストを抑えられるだろう。

 しかも、プリンターを追加導入することはコスト削減だけでなく、印刷作業が分散されることでジョブ待ち時間やストレスも軽減され、生産性アップの効果も期待できる。

■図 「レーザー機&BIJ併用」と「レーザー機単独」の印刷コスト比較


【シミュレーションの主な条件】
※印刷単価:レーザー機は1枚あたりカラー15円/モノクロ3円、BIJは1枚あたりカラー6円/モノクロ1.8円
※印刷ボリューム:1日あたりA4ビジネス文書100枚を印刷するオフィスで、このうち50枚(カラーとモノクロ比率は半々)をBIJで印刷した場合と、BIJを使わずにレーザー機で印刷を続けた場合を比較。1カ月の稼働日数は20日間
※ビジネスインクジェット機の導入コストは6万円

大型コピー機は見直し必須

 大型コピー機をリース導入しているオフィスでは、BIJはもちろん、レーザープリンターを導入することでも印刷コストを抑えられる可能性がある。

 セルフメンテナンス方式のレーザー機の印刷費用は、1枚あたりの出力単価に保守料などが含まれているカウンターチャージ方式のリース機と比べて低い。リース機での出力を必要最低限に抑えながら、追加導入のレーザー機やBIJを活用することでコスト削減につながるわけだ。

 また、中小企業や小規模事業者などでもカウンターチャージ方式のリース機を導入しているオフィスは少なくない。おそらくは、故障が発生した場合の保守対応や消耗品管理、導入コストの経費化が理由だろう。

 だが、こうした事業者にとって大型コピー機はオーバースペックであることも多く、結果としてムダなコストを負担しているケースがある。

 この場合、リース終了に合わせてハイエンドクラスのメンテナンスフリー機にリプレイスすることも検討したい。

 メンテナンスフリー機では、OKIデータのCOREFIDOのように、無償の長期5年間保証が用意されているブランドもあり、保守面は安心でコスト負担も軽減される。カウンターチャージがかからず、印刷費も削減できる。

 高性能機の価格帯は下がってきており、選ぶ機種次第で中小企業向け税制の少額減価償却資産の特例(30万円以下の資産を即時に経費化できる制度)の活用も可能だ。

複合機やプリンターの機能を活用

 こうした抜本的な手法に加え、複合機やプリンターの機能を活用することで、さらにトナー/インクの消費量を抑えることができる。

 代表的なものは、トナー/インクのセーブ印刷モードだ。これは、印刷物の濃淡を薄くすることによりトナーやインクの使用量を削減しコストを抑える機能である。

 従来、顧客向け資料や品質重視の文書などには適さないとされてきたが、段階的な濃度設定やテキストと図表ごとに濃度調整が行われるなど、使い勝手は進化している。

 個人用途や社内配布が目的なら実用上の問題はない。積極的に使ってはどうだろうか。

 セーブ機能がない機種では、印字品質が選択できるかどうかを確認してみるとよい。「高画質」「標準」、「かんたん」や「高速」などのメニューが用意されていることが多く、かんたんや高速を選ぶことでインクやトナーの消費量を減らすことが可能となる。

 一方、用紙コストの削減では複合機やプリンターの機能に頼る部分が大きい。

 例えば、自動両面プリント/コピーは用紙消費を抑えるには必須の機能である。これを使うだけで消費量は半減し、さらに割付プリント/コピーとの併用により、4分の1や8分の1にまで使用枚数を削減できる。

 機能を活用したコスト削減の効果は大きいものではない。だが、わずか数円でも、プリンターや複合機の使用年数、使う人数により効果は積み重なっていく。手間のかからない方法から習慣化してコスト削減に取り組んでほしい。

専用プリンター導入でコスト削減!

 コスト削減といえば、どこのオフィスや店舗でも必ずといってよいほど話題となるはず。コストに敏感な事業者では、かなり取り組みが進んでいるに違いない。だが、意外と見逃されているポイントがある。

 例えば、店内外掲示用の大型ポスター、名刺や社員証、診察券、ポイントカード、商品ラベルなど。

 これらは、大判プリンター(A2サイズ以上の印刷に対応したプリンター)やカードプリンターといった専用機を導入した内製化により、コスト削減の実現が可能となる。

 大型ポスターや名刺などの作製は外注されていることが多く、費用や時間がかかってしまうもの。これらを必要に応じて社内で作成することでコストや時間の削減につながるわけだ。

 その削減効果は、作成物やボリュームなどにより左右されるが、6割から7割程度のコストカットが可能という。

 ロット注文が基本の外注では未使用のまま廃棄される可能性もあるが、内製では1枚から作れるのでムダなコストも減らせる。さらに、必要に応じてすぐに作れるのでタイムロスもない。

 専用プリンターを導入した内製化によるメリットは大きい。活用を検討してはいかがだろうか。

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