「ネットワークカメラ」最前線品質管理・業務効率化・コスト削減も
アイデア次第で広がる事例は“百花繚乱”

概要

  • “見える化”や“見守り”をキーワードに活用の幅が広がるネットワークカメラ
  • 映像を介した品質管理や安全対策、問題やミスの原因も判明
  • 遠隔からの管理で、分析効果がアップし時間や移動コストなども削減
  • 販促やプロモーション、一般オフィスでも活躍

 ネットワークカメラとは、LANやインターネットなどのIP網を介して映像や音声データの通信が行えるカメラ、あるいは防犯カメラシステムのこと。低価格でユーザーによる設置が可能なDIY系タイプから、施工業者による設置が必要な高価格帯モデルまで、幅広いラインアップが揃う。

 主に、防犯・監視用途などに使われてきたが、“見える化”や“見守り”をキーワードに、その活用の幅が大きく広がってきている。
 「これまで見えなかったものが見えるようになる」という映像ならではの特性を利用し、さまざまな課題を解決するソリューションとして導入される事例が急増中だ。

■ネットワークカメラの活用事例

業種 概要
食品生産販売 海外進出などで厳しい品質管理体制が求められる中、フードディフェンス対策として導入。作業場内の衛生や安全面の管理にも効果的。本社や海外からでも、原材料の状態を確認して指示を出すことも可能
物流 もともとは荷物の紛失や盗難防止を目的に導入。監視だけでなく、作業ミスの原因究明や人材の適正配置などにも活用し、作業品質の向上やコスト削減を実現
衣服加工 社内の防犯、作業の進捗状況の確認、トラブルの早期発見などに活用。多層フロアのオフィスや作業場で、従業員の在籍や居場所の確認にも使う。音声機能搭載モデルにより、カメラでコミュニケーションをとることも
水産流通 流通工程を「見える化」し、顧客の安心と信頼を獲得。映像をホームページで配信することで、新規の顧客開拓ツールとして活用。商談時にもライブ映像を役立てている
園芸農家 温室遠隔管理システムとして、ネットワークカメラを導入。温室内の温湿度計と花の周辺環境を映像により確認することで、品質管理とコスト削減を実現
商店 レジ周りに設置したネットワークカメラで金銭の受け渡しや接客を撮影。クレームやトラブル時の証拠として活用。加えて、映像を陳列や動線変更の参考に
動物病院 入院中のペットの見守りシステムとして導入。獣医師不在時に異変が発生した場合に、すぐに駆け付けられると共に、飼い主にも視聴できるよにすることで安心感を提供
ペットショップ 販売中の生体の様子をホームページ上で配信し、販促に活用
保育園 子供を預けている保護者だけがネットワークカメラの映像を視聴可能に。園内の様子を確認できるようにすることで安心感を提供

映像で品質管理・安全対策

 活用例で多いのは、工場の生産ラインや品質管理、作業の進捗管理、従業員の安全管理など。現場がリアルタイムに映像化されることで、さまざまなことが見えてくるからである。

 例えば、食品加工関係では、「フードディフェンス」に、ネットワークカメラとNASを組み合わせたシステムが使われている。

 フードディフェンスとは、人為的な食品への攻撃を防止する取り組みをいい、原料調達から販売まですべての段階で異物などが混入されることがない監視体制が求められる。

 気になった時にスマートフォンやタブレットによりネットワークカメラ映像を視聴でき、NASに録画することで万一に混入事故が発生した場合でも記録映像からチェックできるわけだ。

 また、ネットワークカメラはトラブルや問題の早期発見、解決にもつながる。ライブ映像を見ながら対処できるため、電話だけのやり取りに比べ圧倒的に情報量が多いからだ。記録映像からの原因分析も可能となる。

 実例として、「映像で作業員の歩き方がおかしいので確認すると、床が滑りやすい状態。すぐに掃除を指示した」、「ネットワークカメラで録画した映像から、運搬用のパレットが破損した理由が判明した」など、いずれも事故やケガの未然防止、トラブルの原因究明につながった。

 作業に携わっている従業員には見えていない事実もあり、ヒアリングするだけでは情報不足の可能性も。映像だからこそ明らかになることも多いといえる。

遠隔管理や分析でコスト抑制

 距離に関係なく映像を見られることは、ネットワークカメラの大きな利点。これを利用して、遠隔管理を導入する工場や農家、店舗などもある。

 本社から離れた工場や作業所、自宅から遠い畑や温室、多店舗展開するショップなど、各拠点にカメラを設置することにより、現場にいなくとも映像の視聴が可能となる。

 温室遠隔管理システムをネットワークカメラで構築した園芸農家は、その好例だ。

 美しい鉢花を育てるためには、温室環境(室温や湿度、水分など)を総合的に把握して、素早く手を打つことが重要。だが、数十キロも離れた温室へは頻繁に足を運べない。そこで温室に設置した温・湿度計をネットワークカメラで撮影し、映像をスマートフォンで確認しているという。

 温度や湿度を知るだけなら、温湿度センサーもある。だが、映像での確認にこだわる理由は、周囲の状況から変化の原因を推測できる可能性があることだ。

 水の乾き具合や温室のビニールが風ではためく状況、草花が太陽光に照らされている度合いなど、映像からは豊富な情報を得ることができる。

 店舗や飲食店も同様だ。日々の売り上げ、客数や客単価などは数値データとして報告されるはず。だが、なぜそうなったかは判断しにくい。

 カメラ映像からは店内の雰囲気、接客、お客さんの表情や動線、商品の陳列や料理の提供方法など、さまざまな情報を得ることが可能。それらをデータなどと共に分析することで、接客やサービス品質などの向上につながっていく。

 もちろん、現場に足を運ぶことも大事だが、時間や費用などのリソースは抑えたいもの。ネットワークカメラなら、そうした環境の構築が可能だ。

販促やPR、商談で映像を駆使

 自治体が、地元の景勝地や観光スポットのライブ映像を配信してプロモーションに役立てる使い方は以前からあった。最近は、事業者などもカメラ映像を販売促進などに活用する例が見られる。

 取引先の新規開拓ツールとしてネットワークカメラを使っている水産業者では、セリのライブ動画をホームページで配信。さらに、魚介類の流通プロセスを映像化しており、それを見ながら商談を行うといったことに取り組む。

 また、地階にあって目立たない炉端焼き店は、道路に面した場所に液晶ディスプレイを搭載した案内看板を掲示。焼き場の様子をネットワークカメラでリアル配信している。店内からも視聴できるようネットワークカメラを道路に設置し、映像に興味を持って足を止めたお客さんにマイク機能を通じて話しかけ、入店してもらうといった使い方だ。

 ペットショップでは、販売している生体の映像をホームページなどでライブ配信している事例がある。

オフィスでも防犯以外の活用

 最近は、一般オフィスでもネットワークカメラが活用されている。従業員の働きぶりを監視するわけではない。

 在籍確認など、コミュニケーション支援ツールとして使われている。多層フロアの場合など、オフィス全体をカメラでカバーすることで、必要な時に所在を確認できる。

 携帯電話などに連絡すれば済むことともいえるが、「社内での打ち合わせや商談中に連絡を入れて邪魔したくない」といった配慮から、状況確認用ツールとして使っているわけだ。

 この他にも、バックヤードからの来客確認や来店客のモニタリングによる接客情報の収集、動物病院における入院ペットや保護者による保育園に預けた子供の見守りなど、業種や業態の特性に応じて活用されている。

 言葉で聞いただけでは理解しにくいこと、あるいは伝えにくいこともある。“百聞は一見にしかず”ではないが、映像で見ることで即座に解決することは多い。

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 冒頭で触れたように、ネットワークカメラのラインアップは多岐にわたる。実現したい環境や求める信頼性などにより、必要なカメラのグレードや機能、システムは異なる。

 ネットワークカメラの導入は幅広い製品を扱うヤマダ電機法人営業所に相談してはいかがだろうか。